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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#49)。

久保田学の「居住実態」をめぐる裁判資料も含め、今回のシリーズではかなり重要な内容をお届けしてまいりましたので、NHKのBS契約2ヶ月分より20円高い4580円の特別レポートとなりましたが、これが10本目のレポートとなりますので、これにて打ち止めとなります。裁判の行方が気になっている皆さんにとっては、だいぶ面白い内容になったのではないでしょうか。今後も1ヶ月に1回ペースで「NHKから国民を守る党」の行方は追いかけてまいりたいと思いますが、次のシリーズでは裁判の話はなさそうなので、1270円に戻ります。相変わらず130万円の話でゴタゴタしていると思いますので、皆さんと一緒に高みの見物をキメたいと思います。ぜひB層の集団を笑いながら見てやりましょう。


■ NHKから国民を守る党・臨時総会(#4)

立花孝志は、党員に対して130万円払わせるだけでなく、NHK撃退シールに貼られている電話番号の電話オペレーションを議員の仕事にしようとしています。人を雇うとお金がかかると言っているので、これを議員の仕事にして人件費を浮かせようという作戦のようです。つまり、党員は130万円を支払った上に、定期的に葛飾区の事務所に行って電話オペレーションとシールの発送業務をして、さらに毎月3万円やら5万円やらの党費まで支払わなければならない可能性があるということです。どれだけ負担が大きいのでしょうか。おそらく聞いていた話とだいぶ違うことになっていると思いますが、立花孝志本人はこれらの作業に加わることはないのでしょう。クソです。

「まずね、当座一番困っているのは電話。電話。090でいわゆる視聴者からの相談電話。これをですね、なんとか、えー、電話オペレーションセンターを作りたい。と思ってます。で、もう一つがシールの発送を一昨日3000枚? か、これ毎日発送に変えたいと思ってます。電話とシール発送に関しては相当の業務量になっているので、これはやりたいと思ってます。で、場所は、もうやっぱり事務所を借りようと思ったんですけど、もう正直、もうお金がない。ので、ないっていうか使いたくないので、えー、僕の今の事務所、407号を完全に事務所にします。あの3部屋。で、僕は別のマンション、ワンルームマンションに引っ越しますので」

一度は「お金がない」と言い切った立花孝志ですが、「お金がない」というのは格好悪いと思ったのでしょうか。改めて「使いたくない」と言い換えました。しかし、立花孝志が別のワンルームマンションに引っ越してしまうと、それは結果として新しい事務所を借りたのと変わりません。むしろ、事務所と兼用ではなくなる分、立花孝志のプライベートルームが充実するだけの話です。新たに借りるワンルームマンションが豪華なものなのかショボいものなのかも分からないので、まるで良い話をしているように見えて、自分のためにお金を使いたいと言っているに過ぎません。

「513と407の新小岩のあの事務所を、今の僕のYouTubeのスタジオ部屋を電話受付センターにして、で、あと2部屋を倉庫と今まで通りのシール発送のスペースと。で、シール発送は毎日やる。で、電話回線はできたら、5回線にして、で、あとオペレーターがやっぱり夜の11時まで必要になるんで、朝の10時から。当座やらなければいけないことはそれだと思います。あの目の前の業務ね。しかも、選挙の時にはアホみたいにその電話がかかってくると思いますから、あの白電はそこに置きっ放し。白電っていうのは、えー、今、これね。もうこれはその部屋に置きっ放しで、で、担当を決めて、電話対応する人はもう線表引いて、何曜日の何時から何時までは誰々が行くっていうことでやりたいと思ってます。イメージ掴めました?」

これはスゴいです。朝10時から23時まで5回線の電話オペレーションに対応するということは、午前と午後の2シフト制だったとしても、1日10人必要になる計算です。北海道や関西の議員は担当できないでしょうから立花孝志を除く関東圏の議員だけで回すとしても31人です。つまり、3日に1回ペースで事務所に通い、お金にもならない電話オペレーションとシールの発送をしなければならないということになります。立花孝志がどれだけのコストを議員に押しつけようとしているのかと言えば、計算が面倒臭いので時給1000円で、途中に1時間の休憩を入れて12時間だとしても、「時給1000円×6時間×10人」ということになりますので、「1日6万円×30日=1ヶ月180万円」のコストを議員のタダ働きで賄おうとしていることになります。こんなにブラックな企業を見たことがありません。130万円という目に見える現金以外に、こうした労働コストも押しつけようとしているのですから、議員の負担がどれだけ大きいものかは一目瞭然です。もっとも、NHKから国民を守る党の議員たちはB層のアホ軍団なので、こういう計算はできないでしょうから、それでも議員をやるのでしょう。脳味噌アハアハです。そして、「この130万円を支払うことが出来ない人間がいた場合には除名ですか?」という質問が飛びますが、立花孝志はこう答えています。

「除名でしょうね。いわゆる130万円に関してですよ。ただ、そうならないように、あの、こちらも、お金の借金の工面、一緒には動きますけど、いや、そもそも130万出したくないっていう人は、もうとっとと出て行ってくださいって感じ。あの全然、そこに関して僕、強制しようって気もないんですよ。あの、うちの党としても、あの、当選されているわけなんで、各議員さんがどういうことで動くのかは各議員さんの判断に任せます。だからもううちの党が当選したいから出たいっていう人は、あの出て行ってもらったら構わないです。っていうぐらいの考えでいます」

130万円は強制ではないけれど、払わない人は除名をする。これを強制と言わずに何と言うのか分かりませんが、立花孝志の中では「任意」だそうです。まるで悪徳商法やブラック企業を見ているようです。この後、必死になってクラウドファンディングがいいのではないかとプレゼンしてくる党員たちに、クラウドファンディングは使わないと明言した立花孝志。ちょっと面白かったのは、党員たちにクラウドファンディングの仕組みから説明していて、そんなことも知らないような奴らが議員になっているというところで、NHKから国民を守る党のレベルの低さを感じずにはいられませんでした。

立花孝志はクラウドファンディングは外国人が寄付してくる可能性があって政治資金規正法に抵触する恐れがあると言っていましたが、匿名のカンパ型の寄付なんかより、クラウドファンディングの方がよっぽど身元を特定できて安全です。クラウドファンディングでお金を集めることはできないというのは立花孝志の思い込みであり、自分がリスクを背負わないための詭弁でしかありません。立花孝志の詭弁に納得してしまう議員たちも議員たちで、しょせんはB層の集団であると言っていいでしょう。立花孝志の頭の悪さを記録するために、どんな発言をしていたのかをまとめておきます。

「クラウドファンディングに関しては、党としてはやらないけど、候補者としてはやったらいいんじゃないの。議員としてやったらいいんじゃないのと俺は思ってる。いやいや、みんなに聞いたら、あの、ややこしくなるから独裁やって言ってるの、冒頭から」

党としてアウトなものが個人ならセーフになるわけではありません。自分が責任を取らないのであれば党員が何をやってもいいという話なのでしょうけど、党員たちに借金をさせておいて、その方法がセーフだろうがアウトだろうが知ったこっちゃないというのは、あまりに無責任な話です。こんなリーダーについていこうという人がいるのだとしたら、よほどの世間知らずでしょう。

「あのね、音喜多君個人としてやっているから大丈夫だ、あのね、僕はね、相当危ないと思ってますよ。あの、インターネットから金を集めるという制度については、えー、ぶっちゃけ相当危ないと思います。さっき言ったように、外国人とかがおったら、もうそこ一撃アウトになる恐れがある」

立花孝志ひとり放送局で集めている寄付は外国人でもOKなのだから、通常通り、立花孝志ひとり放送局で集めたらいいと思いますし、政党なら外国人がNGだけど、個人の議員の場合には外国人でもOKというわけでもないのですから、コイツは一体、何を言っているのでしょうか。個人の議員がOKということでまかり通るのであれば、外国人からもらったという辻元清美さんの案件がOKになります。

「クラウドファンディングはもう、俺、個人的にはあの、本当申し訳ないけど、政治の資金、政治資金を勉強しているからしたら、ちょっと、そのある意味、個人で借りる分にはいいんですよ。個人で完結すればいいから。だって、そんなのTシャツとか渡して、どう処理するのって話ですからね。利益供与とかされたらまずいんですよ。100円の人にTシャツ渡したらコレ(逮捕)ですから」

どうして100円の人にTシャツを渡したら逮捕なのか分かりませんし、こんなものが利益供与になるはずもないのですが、とにかくデタラメでも何でも並べて、クラウドファンディングはあり得ないと詰めていきます。集まっている議員も議員で、日頃から立花孝志のデタラメ解説をありがたく拝聴しているアホが集まっているので、立花孝志に「逮捕される」とか言われると「そうなのか!」となってしまうポンコツばかりです。なので、多数決の結果、クラウドファンディングはやらないことになりました。

「多数決の結果、やめておきます。ただ、今、言ったように、個人的にやる分には、ぜひやってください。っていうか、僕が全部それ宣伝しますから。あのね、個人で責任を持ってクラウドファンディング1個勉強しろって言っているんです。で、それで3000万集めてこいって言ってるんです。仮に1000万でも。集めた金をお金のない人に貸してやってくれっていう。これな、みんなの団結を求めてんねん。もうな、ぶっちゃけ、やれ副代表辞めるとか、誰々を副代表にしてくれとか、やめてくれっちゅうてんねん。なんでそんな党員の中でさ、こうやるの」

言っていることは完全にヤクザです。やる気のある奴が個人でクラウドファンディングを勉強して、1000万円でも3000万円でも集めて、それを党員に金を貸してあげて、とにかく1人130万円を用意しろと言っているのです。きょうび、ヤクザでもこんなに厳しいノルマを課せられることはないかもしれません。店を持っているわけでもなく、その売上を伸ばせば払えるというわけでもありません。立花孝志のように10年近くかけてYouTubeのチャンネルを作ってきたわけではないし、そんなクラウドファンディングが成功するとも思えないので、借金をする以外に方法はありません。これは党員たちにとって非常に重たい負担であることは間違いありません。沓沢亮治をはじめ、「しきしま会」のグループは一気に離脱したのですが、中曽千鶴子などの関西勢も一気に抜ける可能性があります。そんなことも分からない立花孝志の無能ぶりは、なかなかスゴいと思います。


■ 大阪府豊中市

森友学園の「塚本幼稚園」がある大阪府豊中市ですが、ここは定数34に対して45人が立候補する大激戦となっており、大阪の中でもかなりハードコアな街であることもあって、おそらくNHKから国民を守る党の候補者が簡単に勝てるような街ではありません。塚本幼稚園に行くために塚本駅周辺を歩いたことがありますが、けっして明るい雰囲気とは言えず、大阪特有の下町っぽさが残る街なので、所得の低いB層が多そうな街ではありますが、頻繁にネットをチェックしているような人も少なそうなので、激戦になってしまうと当選するかどうかは微妙だと思います。果たして、どのような結果になったのでしょうか。

横尾 しずか 38 維新会 8593票
中野 宏基  37 維新会 8557票
松岡 信道  38 無所属 8379票
木下 昌久  49 維新会 7052票
沢村 美香  55 維新会 5941票
藤田 浩史  49 維新会 5053票
木村 真   54 無所属 4486票
井本 博一  49 自民党 4187票
神原 宏一郎 40 無所属 3895票
中川 隆弘  59 無所属 3666票
宮地 和夫  63 立憲党 3635票
花井 慶太  45 維新会 3504票
大田 康治  51 維新会 3276票
中岡 裕晶  50 自民党 3046票
弘瀬 源悟  57 公明党 2940票
出口 文子  69 共産党 2926票
大野 妙子  56 公明党 2860票
酒井 哲也  51 公明党 2668票
吉田 正弘  59 公明党 2641票
石原 準司  58 公明党 2608票
中島 紳一  62 公明党 2598票
坂口 福美  62 公明党 2573票
今村 正   60 公明党 2553票
北之防 晋次 44 無所属 2500票
大石 利彦  39 立憲党 2442票
三原 和人  49 公明党 2272票
白岩 正三  43 無所属 2182票
北川 晶大  39 自民党 2179票
松下 三吾  64 共産党 2058票
斉宮 澄江  62 共産党 2041票
高麗 啓一郎 38 自民党 1950票
高木 公香  37 自民党 1924票
大町 裕次  63 無所属 1860票
五十川 和洋 59 共産党 1799票
---------------当落ライン---------------
三藤 雅道  43 自民党 1753票
坂本 真理  46 無所属 1668票
馬場 正敏  55 無所属 1553票
前田 高志  38 N国党 1497票★
西田 昇平  34 自民党 1494票
幸村 直行  58 共産党 1493票
山端 光子  60 共産党 1284票
小林 清   70 無所属 1261票
宮田 光浩  44 自民党 1205票
黒河内 政行 35 自由党  372票
野村 昇   60 無所属  255票

投票率は41.45%でした。大阪維新の会が大躍進した豊中市ですが、非常に激戦になったことでNHKから国民を守る党のポンコツが当選することはありませんでした。実は、NHKから国民を守る党は関西地区で壊滅的に負けており、当選を果たしたのは西宮市だけでした。森友学園の土地問題を発見した木村真さんも無事に当選。維新が勝ち過ぎていることはあるのですが、おおむね順当な結果になっているのではないかと思います。そして、自由党はNHKから国民を守る党よりも圧倒的に弱いです。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

参院選に挑戦するからと言って、党員から130万円をカツアゲしているNHKから国民を守る党。支払いに応じなければネットでめちゃくちゃ悪口を言われるとあって、完全に脅迫しているとしか思えないのですが、態度を明らかにしていない党員がたくさんいて、個人的には中曽千鶴子あたりが130万円の要求に応じるのかどうかが気になっています。沓沢亮治、佐々木千夏、冨永雄二、若林修と4人が除名されていますので、この続きは「N国マガジン(2019年5月号)」にてお届けしたいと思います。[了]

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