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【選挙ウォッチャー】 浜松市長選2019・分析レポート。

長いこと選挙をやっている民主党系の現職市長に、自民党の32歳の若者が挑むという選挙になりました。現職には実績がありますが、勢いは明らかに自民党の32歳にあります。山本遼太郎さんの何が強いかって、地元への愛を全面に押し出しているところです。これまで地方も含め、いろいろな選挙を見てきた上で、有権者に最も訴えられるものは「地元愛」「何かを守ること」です。どことなくヤンキー的なデザインになっているのですが、この手の若者はものすごい勢いで票を獲得するので、現職をどこまで追い込んでいくのかが気になるところです。

鈴木 康友  61 現 元衆議院議員
野沢 正司  69 新 共産党推薦
山本 遼太郎 32 新 自民党県連推薦

過去の傾向を見ても、共産党の野沢正司さんはかなり厳しい戦いになると思われ、事実上、現職の鈴木康友さんと新人の山本遼太郎さんの一騎打ちとなると思います。今どき珍しいぐらいに政治に関心のある若者なのでしょう。だから、いろんなベテラン議員たちにも愛されて、市長選に立候補することになったのだと思います。まだ32歳ということで、今回がダメでもチャンスはあるし、いきなり市長選に立候補するぐらいなのですから、市議からコツコツ積み重ねていくというより、やがては衆院選に立候補するぐらいのポジションなのでしょう。だから、今のうちからチェックしておいても損はないのではないかと思います。


■ 水道民営化が争点かと思いきや

浜松市は、全部ではありませんが、一部が民営化されているため、「水道民営化」については非常に関心の高い町となっています。なので、今回の市長選は「民営化するのか」が問われているのですが、なんと、全員が水道民営化には「反対」という立場を示しているため、争点のようで争点ではないという選挙になっています。実は、一部の民営化を進めたのは鈴木康友市長の方で、自民党から立候補している山本遼太郎さんは、選挙事務所の中に安倍晋三総理と仲良くツーショットで手を握り合って撮った写真を掲げているにもかかわらず、水道民営化には断固反対しているのです。キッパリと「命の水を外資系企業には渡さない」と明言しており、鈴木康友さんが「現状は見送らざるを得ない」というゴニョゴニョしたことを言っているのに対し、山本遼太郎さんは「絶対にやらない」とキッパリと明言しているのです。ここまで明言しておいてひっくり返されたらたまったものではありませんが、きっと筋の通った男だと見込んで、山本遼太郎さんは悪い候補ではないのではないかと見ることができます。


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