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【選挙ウォッチャー】 沖縄県知事選2018・辺野古基地に土砂が強制投入される日。

今年7月、沖縄県知事の翁長雄志さんが突然お亡くなりになり、9月30日に沖縄県知事選が行われることになりました。普天間基地のある宜野湾市の市長で辺野古基地推進派の佐喜眞淳さんと、翁長雄志知事の遺志を継ぐ辺野古基地反対派の玉城デニーさんによる事実上の一騎打ち。この選挙は「辺野古基地反対派」の玉城デニーさんが圧勝する形となり、沖縄の民意が示されたものと考えられます。もし日本がちゃんとした民主主義国家ならば、この民意が尊重され、強引に辺野古基地の建設が進められることはなかったことでしょう。ところが、公文書は改竄されるし、国会では議論も行われないまま強行採決が進められているのが、今の日本です。もはや民主主義国家とは言えない状況が続いているのですが、国民のほとんどが無関心を極めているため、この国は政治家のやりたい放題、もっと正確に言うと、お金を儲けたい一部の人たちのやりたい放題になっているのです。

9月30日の沖縄県知事選で玉城デニーさんが勝利し、来年2月には「沖縄県民投票」が行われ、改めて沖縄の有権者全員に「辺野古基地を建設すべきか否か」が問われる計画になっていました。辺野古基地には反対だけど「国とのパイプ」や経済振興策に期待して佐喜眞淳さんに投票した人がいるように、辺野古基地には賛成しているけれど玉城デニーさんのラジオ番組をよく聴いていたから投票したという人もいるかもしれません。玉城デニーさんに投票したからと言って、必ずしも「辺野古基地反対」というわけではないので、改めて沖縄県民の意見が問われることになったのです。もし賛成が多ければ基地建設を進めることが検討されるでしょうし、もし反対が多いなら基地建設にはブレーキをかけなければなりません。辺野古基地建設の是非を決めるのは、紛れもなく沖縄県民・・・のはずでした。ところが、どうしても辺野古基地を建設したい安倍政権は、沖縄県民の声を完全に無視して、後戻りができないように12月14日、建設予定地に土砂投入を強行することにしたのです。沖縄県知事選では「基地建設反対」の声が大きかったのに、沖縄県民が泣こうが叫ぼうが関係なく、金儲けのために基地を作るというのです。


■ 辺野古基地建設は2兆円規模の金儲け

辺野古基地の建設予定地は、かねてから指摘されているように軟弱地盤の土地です。豊洲市場の建設地が毒だらけで浄化工事の必要があったように、辺野古基地の建設予定地は「マヨネーズのような地盤」と言われており、これを補強するための工事をすると、その建設費は実に2兆円を超えるという試算があるのです。どうして政府が辺野古基地の建設にこだわるのだろうと思っていましたが、数百億とか数千億という規模ではなく、まさかの「兆円規模」。2兆円を山分けできる利権だということになれば、当然、進めないわけにはいかないというのが利権を動かす仕事をしている自民党の議員たちです。すべては税金でウマウマしたい土建屋の皆さんのため。だいたい「マヨネーズのような地盤」と言われているような所に基地を建設するのは、誰がどう見ても明らかな間違いです。ちゃんとした地盤の所に作れば建設コストは安く収まるのに、建設困難な軟弱地盤の場所に作ると建設コストが高くなってしまうからです。しかし、みんなでウマウマすることを考えたら、建設費を安く抑えるより、建設費を高くした方が儲かります。儲かる工事と儲からない工事、どっちがいいと言われたら「儲かる工事」に決まっています。豊洲市場の話だって、どうして東京ガスの工場跡地だった毒だらけの場所に衛生環境を整えなければならない魚市場を作ったのかと言ったら、ややこしい所に作った方が工事にお金がかかるからです。最初から安全性の確認できている所に作れば、そもそも浄化するための工事なんて必要ないわけで、わざわざご丁寧に浄化するための工事をせっせとやっていたのは、手間のかかる場所であればあるほど「儲かるから」。こんなカラクリがあるために、辺野古基地ほどおいしい工事はないと言えるほど超巨額の建設費が計上されており、辺野古基地は「平成最後の爆儲け案件」なのです。せっかく儲かる話が目の前にあるのに、沖縄県民が反対したからって中止にするわけにはいきません。だって、2兆円規模の税金をみんなで山分けするビッグチャンスなのです。だから今日、辺野古基地の土砂投入を強行されることになったのです。


■ 日本の民主主義が否定される瞬間をリアルタイム実況中継

この記事では、故・翁長雄志知事の承認撤回、玉城デニー新知事の工事中止命令など、数々の手続きが無視された上、強行されることになった土砂投入の瞬間をリアルタイムでお届けすることになりました。午前0時よりリアルタイムで起こった出来事を記録し、皆様に配信してまいります。この記事がどんどん更新されてまいりますので、ぜひチェックしてみてください。


【03:30】辺野古基地のゲート前に動きなし

まだ辺野古基地に動きはありません。辺野古のゲート前にはまだ誰も来ていません。警備員が4人立っているだけです。海の向こう側には海上保安庁の船が監視をしています。


【04:20】辺野古基地ゲート前に人が集まり始める

辺野古基地のゲート前には徐々に人が集まり始めました。ここまでタクシーでやってくる人もいます。現在、マスコミ関係者含めて15人くらいがここにいます。そして、辺野古基地工事の作業員と思われる人たちも、ゲートの中に入っています。


【04:40】作業員の車を止める

この時間から辺野古基地を工事するための作業員たちが続々とゲートの中に入ってくるのですが、この車を市民たちが止め始めました。この人たちは沖縄で暮らす一般人で、作業員たちに作業をしないように呼び掛けています。


【05:30】抗議をする人は50人程度

これほど法律を無視した工事が進められるのに、ゲート前で抗議をする人は50人ほどしかいないというのが現実です。多くの沖縄県民が、この現状に諦めに似た気持ちを抱いているということなのか、それとも、ゲート前で抗議をするほどではないけれど緩やかに反対しているだけなのか。民主主義や法治国家であることを否定するようなことが起こっているのに、これが日本の限界なのかもしれません。

工事関係者の車1台ずつにお願いをする人もいます。しかし、こんなことをしても、工事に携わる人たちには伝わりません。


【06:00】警察が市民を排除し、工事関係者の車が入る

ゲートの前に立ち、工事関係者の車に説得している人たちを警察が排除し、工事関係者の車が続々と辺野古基地の中へと入っていきました。本当は法治国家であることや民主主義国家であることが問われている極めて深刻な事件だと言えますが、そのことに気づいている日本人はほとんどおらず、気づいていたとしても抗議に来るほどではないため、いとも簡単に工事を許してしまう形になっています。


 【07:00】辺野古の海に朝が来る

辺野古の海に朝がやってきました。今のところは土砂投入が行われていませんが、土砂投入をするための作業員たちはゲートの中に入ったため、市民の抗議で止めることができませんでした。手続きを無視した違法工事が進められようとしています。

辺野古基地のゲート前は、引き続き市民が抗議をしていますが、工事関係者の車両は中に入ってしまったので、一旦、落ち着いた状態になっています。


【08:15】海上での抗議が始まる

午前8時頃から朝礼が始まり、作業員が配置につきました。これに合わせ、海上から抗議するためのカヌー隊が出発しました。今日のカヌー隊はいつもより多いようです。

海上保安庁の巡視船がカヌー隊を追い払いにやってきます。彼らは一体、何を守っているのでしょうか。いよいよクレーンが動き出し、本格的に工事が始まりそうですが、今のところ、土砂を積んだ台船は来ていません。

未確認情報ですが、8時30分頃に県に通達をして、11時頃から土砂投入が始まるのではないかという話が入ってきました。また、辺野古ゲート前は抗議する人たちがどんどん集まり、現在は300人ぐらいになっているとの情報です。


【08:45】NHKが11時土砂投入と速報

NHKが11時に土砂投入されるという速報を打ちましたので、ほぼ確定だと思います。護岸の手前に停泊している船は、漁業権を放棄し、1日5万円で雇われていると言われる地元の漁師です。警備の一端を担っています。10時に政府が記者会見するという情報も入ってきました。


【09:30】台船はスタンバイしている

台船はスタンバイしていました。あとは政府の会見を待って、11時から予定通りに土砂を投入するのみとなっています。

この国には、自然を壊すこと、戦争につながる基地を作ること、反対している人々がたくさん泣いていることを無視して、お金のために魂を売れる人たちが意外とたくさんいて、そういった人たちを政治家がお墨付きを与えていると言えます。国民や県民のためではなく、利権のために動くことを正義としている人たちが、今、この国の政治を握っています。


【11:00】菅義偉官房長官の記者会見がゴーサイン

菅義偉官房長官が記者会見を開き、「世界一危険とされる普天間飛行場をなくすためには辺野古基地を作らないといけない」という趣旨の発言を繰り返し、東京新聞の望月衣塑子記者の質問には司会の官僚が小バカにした様子で「簡潔にしてくださーい!」と言いながら質問を妨害し、望月衣塑子記者の質問には徹底して答えないということを繰り広げると、これが現場のゴーサインとなり、辺野古基地では土砂投入が始まりました。きっちり11時から土砂投入作業が始まっています。

普天間飛行場を返還してもらい、かつ、辺野古に新基地を作らせないという第3の道を選んで欲しいというのが民意だったはずなのですが、「普天間基地を返還してもらうには辺野古基地が絶対条件」という、アメリカにもらったお墨付きを日本政府が繰り返し、土建屋の利権としてウマウマしているだけです。進めるにしても法律に則って、手続きの順番を守って進められるならともかく、それらのすべてを無視して工事が進められているのですから、まさに「好き放題にやられている」というのが辺野古基地の現状です。


【11:25】土砂投入作業は続くが抗議も続く

それにしても、土砂が投入されている現場には複数の作業員がいます。この美しい海に土砂を投入することに対し、何の罪悪感もないのでしょう。きっとこの人たちも地元の業者で、沖縄で生まれ、沖縄で育ったはずなのに、世界屈指の美しさを誇る海が、よりによって米軍基地の建設によって破壊されようとしているのに、何も感じない人たちが生まれてしまっているのです。

一方で、海まで出て抗議する人たちの姿も確認できます。しかし、抗議をする人たちにできることは、ただ「やめてほしい」と叫ぶのみ。美しい海を破壊しても何も思わなくなってしまった人たちの手によって、工事は進められています。すべては「お金のため」です。


【12:00】昼休みの時間にも作業員はいる

昼休みの時間になりましたが、作業員はいます。ここからでは見えにくいですが、土の一部は既に海まで到達していて、水が濁り始めているとの情報があります。土の向こう側に鉄板を敷いていて、この後、この土を重機で海に流し込む作業が行われるものと思われます。本格的な土砂投入は午後からになるとの情報です。


【13:30】昼休みを挟んでで工事が再開される

12時30分頃に休憩に入り、13時30分頃から土砂投入が再開されました。ダンプカーが次から次へとやってきて、どんどん海に向かって土砂を投入しています。美しい海がどんどん埋め立てられていきます。しかし、なぜこんなにも嫌がらせのような投入の仕方をするのでしょうか。

何もこんなにもナイスアングルで見える場所から土砂を投入しないでもいいだろうに、どうしてわざわざ分かりやすい位置で土砂を投入するのでしょうか。「たまたまだ」と言われたらそれで終わりなんでしょうけど、これは沖縄に対するハラスメントであると僕は思います。

普通、こんな確度で土砂を投入する写真を撮れるものではありません。ダンプカーから土砂が海に向かってバシャーッと投げ出される様子が、こんなにもわかりやすく演出されているなんて、意図があるとしか思えません。これは僕のポジショニングが良いわけではなく、あえて見えやすいところから土砂を投入していると言っていいと思います。


【16:30】今日の工事は最後の仕上げに

こうやって時系列で見ていくと、今日一日でどれだけの土砂が海に投入されてしまったのかがよくわかると思います。それと同時に、辺野古基地はとにかく広いため、この作業を毎日やっても、どれだけの月日がかかるのかという話でもあります。この作業には土砂が投入されていますが、すべては僕たちの税金でこれをやっているので、あの土砂は「僕たちの税金」です。僕たちの税金が投入され、自然を壊し、基地を作り、やがて戦争につながるかもしれないことをする。人間の愚かさを目の当たりにしています。


【17:00】作業員撤収

本日の辺野古基地の土砂投入は終了しました。こうやって取り返しのつかなくなることをどんどん続け、沖縄で県民投票なんかやっても意味がないということにしたいようですが、そもそも国民や県民の声を聞かない政治って、一体、何なのでしょうか。改めて、人間の愚かさを痛感させられる一日となりました。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

このあたりで、辺野古基地の土砂投入中継を終了しようと思います。こんなことが許されるなんて、この国、本当に大丈夫かと思いますが、ネトウヨのように、これを喜んでいる奴もたくさんいる現実。無関心な人もたくさんいる現実。あのトラック1台1台で土砂を運ぶよりもコツコツと、皆さんに現状を可視化していくしかないのかなと思います。これからも頑張ろうと思います。[了]

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