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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#75)。

とうとう立花孝志がマツコ・デラックスさんを襲撃してしまいました。僕はかねてから「NHKから国民を守る党」は、反知性派カルト集団であり、最近は反社会的な一面を持つことを警告しています。立花孝志が好きとか嫌いとか、NHKから国民を守る党を支持しているとか支持していないとか、そういう枠組みを超え、社会に迷惑と悪影響をもたらす集団であることを皆さんに伝えているのです。いくらNHKに対して不満を持っているからといって、マツコ・デラックスさんや番組のスポンサー企業を襲撃するのは筋違いも甚だしいです。たかだかNHKから国民を守る党に苦言を呈したぐらいのことで、こんな酷い仕打ちを受ける筋合いはありませんし、やはり立花孝志が率先してこれをやっていることにカルト性を感じます。敵を作っては攻撃することで、B層を支持者として取り込んでいく手法なのだと思いますが、NHKを壊す前に、この国の秩序を壊しています。


■ 襲撃を喜んで中継するN国信者たち

立花孝志は予告通り、8月12日にMXテレビに出演するマツコ・デラックスさんを襲撃しました。こんなに気持ち悪い話があったものではありませんが、立花孝志は「気持ち悪いというのは有権者をバカにしている」と言うのですが、誰がどう見ても、いちいちMXテレビまで乗り込み、「俺を番組に出せ!」とわめき散らし、警察に「毎週来る」と予告するような奴は「気持ち悪い」以外のナニモノでもありません。

今回の襲撃には、上杉隆が加わっていることが明らかになりました。というのも、MXテレビの内部の情報が上杉隆にリークされていて、立花孝志は上杉隆からメールを受け取っていたのです。立花孝志が受け取ったメールによると、スタジオではマツコ・デラックスさんがパニックを起こしていて、番組を降板すると言っていたというのです。この情報を受け取った立花孝志は実質的な勝利宣言をしており、こんなに嫌われて騒動になっているマツコ・デラックスは今後、CMに出演できないだろうと喜んでいました。たかだか立花孝志に苦言を呈したぐらいで、CMに出演できなくなるくらいの嫌がらせをして国会議員が喜んでいるのです。こんなことがまかり通る世の中で良いのでしょうか。

立花孝志は、「MXテレビのスタッフが安いギャラで働いているのに、マツコ・デラックスさんが高いギャラをもらっていることを許せない人がたくさんいる」と言っていますが、本当にそうでしょうか。僕もテレビ番組やラジオ番組の裏方として働いていたことがありますが、タレントのギャラが高いことを不満に思ったことはありません。だいたいキムタクと末端のADのギャラが同じはずはないし、末端のADが夜な夜な徹夜をして番組を作っている労力と、番組収録にサクッと来てサクッと帰るキムタクのギャラが10倍違ったとしても、そんなのは「当たり前」です。その代わり、キムタクのモノマネをする場末のショーパブ芸人が出てきたところで、今度は末端のADよりギャラが安いのは、これもまた当たり前のことです。立花孝志は自分のことを面白いと思っているようですが、面白さの種類が違います。お笑い芸人たちが繰り広げる才能に溢れた面白さではなく、タブーに踏み込む非常識さが「面白い」と受け取られているわけで、これはマツコ・デラックスさんを襲撃する面白さにつながります。漫才で笑わせる面白いと、肝試しに行って「俺には怖いものがない」と言いながら地蔵の首をはねる動画の面白さぐらいの差があります。これを見て「祟られろwww」と喜んでいる質の低い視聴者に支えられるうち、面白さの方向性がどんどん斜めの方向に行っていると言えます。

この事件はとても深い日本の闇を映し出していると言っても過言ではありません。これは一種のネットリンチです。つい最近までサイバーセキュリティー担当大臣を桜田義孝センセイがやっていたことからもお分かりの通り、ネットを規制する法律というのはあまり進んでいません。例えば、株にはインサイダー取引を禁止する法律がありますが、仮想通貨にはインサイダー取引を禁止する法律がありませんでした。あるいは、最近でこそリベンジポルノを禁止する法律ができましたが、こんなに被害が深刻化するまで、被害者は泣き寝入りするしかなかったのです。本来は、こうした時代に追いついていないネット上に蔓延る迷惑行為を防止するような法律を作ることに尽力するべき国会議員が、ネットを使った迷惑行為を率先してやっている現実。例えば、インターネット上に自宅や顔などの個人情報が勝手に晒される行為に対して禁止する法律はなく、やられた人は泣き寝入りをするか、裁判費用と時間をかけて民事裁判をするしかありませんが、立花孝志はそれをわかって、率先して実行しているのです。僕は不当に住所が公開されてしまい、N国信者から嫌がらせのために大量の大学や専門学校の案内が送られています。僕の学歴は「中学中退の中中トレインである」と公表していることから、今さら大学や専門学校に行くつもりのない僕に、N国信者はセコセコと嫌がらせのための入学案内の申し込みをしているのです。資源の無駄ですし、大学や専門学校は郵送代や資料代を無駄にしているし、何よりやることがセコいのです。


■ 新たに「崎陽軒」の不買運動を始める

国会議員のくせに、マツコ・デラックスへの私怨のために、今度は「5時に夢中」のスポンサーになっている「崎陽軒」「ソニー損保」の不買運動を始めました。しかも、マツコ・デラックスが降板するまで、この運動を呼び掛けていくとしています。なぜ、たかだか1人の国会議員のご気分を損ねたぐらいで「降板するまでスポンサー企業の商品を不買するように」と呼び掛けられなければならないのでしょうか。もはやNHKをぶっ壊す前に「崎陽軒」をぶっ壊そうとしています。おそらく先日の参院選でうっかりNHKから国民を守る党に投票してしまった人の多くは「NHKをぶっ壊す」というワンイシューに共感して投票したのだと思いますが、結局、立花孝志がやっていることは、マツコ・デラックスだったり、崎陽軒だったり、それを壊したからといってNHKに何の影響があるんだというところを破壊しようとしています。このことについて、先日、N国信者の男性と話す機会があったのですが、彼の主張は「希代の天才・立花孝志がやる新しいことだから、我々にはそれがどうNHKをぶっ壊すことにつながるのか分からないが、これがNHKをぶっ壊すための最短ルートである」でした。将棋の世界でも、羽生善治さんや藤井聡太さんの一手が想像を超えるものすぎて、その時は「この一手に何の意味が?」と思うものだったりするらしいですが、それと今回の立花孝志が一緒だというのです。

しかし、崎陽軒の「シウマイ」のことを「シコーマイ」と書いてしまう立花孝志が、果たして、すべてを計算づくでやっているでしょうか。そもそもこの動画を撮影するに至ったのは、MXテレビの前で騒ぎを起こし、NHKから国民を守る党の幹事長である上杉隆から「マツコ・デラックスさんがスタジオでパニックを起こし、降板すると騒いでいる」という内部からのリークをメールで受け取り、「ほな、このへんにしといたるわ」と勝利宣言をかまし、意気揚々と引き上げたものの、あとでマツコ・デラックスさんがまったく降板するつもりがなかったことを知ったからです。それまでの動画でさんざん「マツコ・デラックスは相当ビビってる」とか「マツコ・デラックスはパニックを起こしている」とか言っていましたが、隣の中学のヤンキーにメンチ切ってきたガキじゃあるまいし、いい年こいた52歳のオッサンが窓の外で騒いだところで、震えることがあるとすれば立花孝志のバカさ加減にです。いくら自分を批判してほしくないからって、国会議員がいちいち批判されたタレントに嫌がらせをかまし、あげくの果てには、テレビに出られなくしてやろうと企業の不買運動まで始めるのです。このままだとNHKをぶっ壊す前に、いろんなものが壊されそうで、こんな奴がこれから6年間も国会議員であり続けるというのですから、この戦いは非常に長いと言えます。

立花孝志は、マツコ・デラックスが降板するまで毎週月曜日にMXテレビ前に行くことを宣言しており、全国のN国信者たちに、まるでダチョウ倶楽部の「押すなよ!押すなよ!」のように、こう呼び掛けています。

「来週から月曜日、まあ国会で行けないこともあるかもしれないですが、毎週月曜日は東京MXの方に『5時に夢中』の見学に行きます。8月19日、そして8月26日、えー、そして9月の2日、9月の9日、とりあえずまあ、少なくとも8月の19日17時には、今日居た場所にですね、僕は行きます。で、まあ非常ね、歩道が小さいというか細いところで、今日200人ぐらいお越しいただいたようなんですが、えー、皆さんは絶対に、来ないでください! 8月19日月曜日5時に、東京MXのスタジオ前には絶対に来ないでください! ね、えー、絶対に来ちゃダメですよ。僕は行きますけどね。ということで、あの、ナメ過ぎですよ、世の中をね」

「世の中をナメてんのはオマエだろ!」とツッコみたくなりますが、本当に来てほしくないんだったら、わざわざ日時と場所を正確にお伝えする必要はないんで、どうせ「来ないでください」と言ったのに来てしまったんだから仕方がないと言いたいのでしょう。実に姑息なやり方です。この呼び掛けに賛同して、わざわざMXテレビ前に集まるN国信者たちもどうなのかという話ですが、世の中には立花孝志の言説を信じ、立花孝志がスゴい人だと勘違いする人がたくさんいるのです。これからも世間から注目されるために、このようなパフォーマンスを続け、いろいろな人に迷惑をかけていくんだと思いますが、僕はこれからも「こんな奴が国会議員でいいのか?」は皆さんに問い続けていきたいと思っています。なにしろ、立花孝志はマツコ・デラックスさんにこんなストーカーじみたことを言っているのです。

「これね、マツコ・デラックスさんが番組を辞めるまでやります。で、もちろんね、謝罪というか説明があればいいんですよ。何らかの動きがあればいいんですが、これそのまま、えー、知らん顔しようとすることであれば、それは僕は徹底的にやります。僕はしつこいですからね。で、あの、9月末に辞めたからと言って、何の説明も、東京MXテレビからなければですね、これはマツコさんのこれから出る番組に対して、彼女の、彼女か彼か知らないけども、CMですね、不買運動しますからね。その宣言だけしておきます。なんせね、コマーシャル収入だけで何億ってお金が入っているそうですよ。人の批判、悪口ばっかり言って」

なぜ、たかだか「このままでは気持ち悪い人たちになっちゃうよ」と苦言を呈しただけで、ここまでされるのか意味がわかりません。立花孝志のことを批判している人はたくさんいるのに、マツコ・デラックスに狙いを絞っているのは、マツコ・デラックスさんが「数字を持っているからだ」と公言し、1人を一点集中で攻撃すれば、他の人がビビって攻撃しなくなるからだと言っているのですが、これは明らかな国会議員による言論統制です。こんなことを許していいはずがありません。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

うっかりツイートがバズってしまい、崎陽軒がトレンドの上位になったばかりか、スポーツ新聞でも報道される事態となり、多くの人が反応して「崎陽軒のシウマイ弁当を買おう!」ということになりました。結果として、立花孝志の狙いに反して、崎陽軒の売上が下がるどころか上がる感じになり、僕も一安心だったわけなんですが、うっかりバズらせてしまった責任も感じ、ささやかではありますが、今日の夜ごはんは、崎陽軒のシウマイ弁当にしました。

今回のツイートで僕のことを知った人もたくさんいるかもしれません。僕は「選挙ウォッチャー」という仕事で、北は北海道から南は沖縄まで、全国の選挙という選挙を見ては、こんな選挙だったというレポートをお届けしております。その取材の中で「NHKから国民を守る党」が、ただの反社会的カルト集団であることに気付いてしまい、約1年半前から皆さんに警鐘を鳴らしてきたのですが、僕があまりにマイナーだったために声が届かず、今日を迎えております。彼らが壊しているものはNHKではなく、僕たちの文化的な暮らしです。NHKはNHKで問題はあると思いますが、いくらアメリカがダメだからと言ってイスラム国を支持できないように、いくらNHKが問題だからって「NHKから国民を守る党」を支持してはいけません。ぜひ無料のレポートもいくつかありますので、読んでみてください。

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