見出し画像

【選挙ウォッチャー】 沖縄県民投票・現地レポート(#4)。

今日は「沖縄県民投票」の投票日です。これまでの世論調査の結果から「反対多数」であることは間違いなさそうなのですが、やはりポイントとなるのは「投票率」です。基地に賛成している人たちは「賛成」に投じるのではなく、「投票に行かない」ことを推奨しており、今回の県民投票をいかに無効化するのかということに一生懸命になっています。「県民投票には意味がないので行かないべきだ」と言っているのは、県民投票に意味が出てしまうことを懸念している裏返しであり、投票率が高ければ高いほど沖縄県民の声として反映される証左となりますので、日本政府が工事を強行した時にはどれだけの民意を無視したのかを表すことになりますし、アメリカ政府に対しても地元住民がどのように思っているのかを伝えることができるようになります。なので、今日の投票率がどうなるのかが重要です。

沖縄で話を聞いていると「県民投票に意味がない」という人は多く、「どうせ県民投票をやっても政府は強行してくるんだから意味がない」という人も多かったです。しかし、それでは工事を強行している政府の思うツボになってしまいます。政府の強行を止めるための県民投票なのですから、反対派の人こそ投票に行かなければならないのです。基地賛成派の人たちがまったく動いていないこともあって、いまいち白熱した展開になっていないこともあり、「どうしても投票しなきゃいけない」という感じにはなっていないのですが、沖縄を食い物にするだけの埋め立て工事に反対するのであれば、県民投票に参加するべきでしょう。


■ 沖縄4区には賛成を呼びかける幟が立っている

かつて県連会長だった沖縄1区の「パイコクパイセン」こと国場幸之助さんが力を失ってしまったため、今、自民党で頑張っているのは沖縄4区の西銘恒三郎さんということになります。西銘恒三郎さんは県民投票に行かないことを呼びかけるのではなく、賛成を呼びかけていました。

西銘恒三郎さんは「基地賛成」の幟を沖縄4区のエリアに約1000本立てたそうですが、反対派も負けておらず、基地賛成の幟があるところには必ず基地反対を呼びかける幟が立っていました。

基地に対して賛成を呼びかける幟は、個人的なものも含めて皆無に等しく、街を走っていても反対派が圧倒的多数を占めていました。地上戦もSNSを使った空中戦も「反対派」が圧倒的多数を占めている状況。戦えないことを悟った賛成派の方々は「あえて戦わない」という戦略に出ることで、この県民投票の無効化を図っています。しかし、この県民投票の結果が効力を発揮するのは投票率25%以上。おそらく最低条件をクリアすることは濃厚なので、この県民投票には意味が出ます。あとはこうした地道な活動によって、どれだけ投票率を高められるかが勝負になります。


■ それでも工事は強行される

最低でも建設に2兆5500億円かかる辺野古基地。表向きは「中国が攻めてきた時に備えるため」と言われる辺野古基地ですが、その基地を建設するためには地下90mまで杭を打たなければならず、その技術を持っているのは中国だけ。打倒中国のために作る基地を中国の技術に頼らなければ作れない。それが辺野古基地の現状です。当初は5年で完成させるとしていた辺野古基地ですが、実際には7~8年かかっても完成しない可能性が高いです。つまり、本当に辺野古基地が完成するのかどうかは誰にもわからず、そうなれば普天間基地の返還なんて夢のまた夢。2020年の東京五輪、2025年の大阪万博、2027年のリニア中央新幹線開業と、大きなイベントを用意することで日本経済を維持するつもりなのですが、その経済も今年から急速に冷え込むだろうと予想されており、お金がなくなったところに少子高齢化が深刻化し、福祉にお金が回らなくなり、実質的に国家として破綻するかもしれない日本。それでもなお辺野古基地のためにお金を使い続けられるかどうかは不明です。そうでなくても福島第一原発事故の後処理には絶対的に兆円単位のお金がかかるわけで、増税した税金分を使って基地建設に関わる一部の業者が儲けようとしているに過ぎません。

この工事に関わる大手ゼネコンや建築関係の仕事に携わるステークホルダーたちにとって、辺野古基地建設ほどのウマウマ利権はありません。しかし、これだけ普天間基地返還とのワンセットで語られる辺野古基地が完成を迎えるかどうかは不明なのです。これは反対派が反対しているからではなく、そもそも基地の完成までに時間とお金がかかり過ぎることが原因です。県民の意見を尊重せず、基地を強行して作るのは、めちゃくちゃおいしい辺野古基地建設の利権を守るため。けっこう高い確率で完成を見ることなく、中途半端な状態で放置されることになるであろう辺野古基地の建設のために、僕たちの税金をたっぷり使うかどうかが問われています。

昨年12月14日に初めて土砂投入が行われた日にも取材に来ました。あれから約2ヶ月が経ち、辺野古基地の建設予定地はどれだけ土砂が埋められてしまったのか。久しぶりに見てみましたが、だいぶ土砂で埋められてしまいました。絶滅危惧種の貴重なサンゴたちは次の下に埋められ、殺されてしまいました。県民投票の結果を受けて、政府がこの工事の強行を止めるかと言ったら止めないことでしょう。しかし、日本がどれだけ野蛮なことをしているのを多くの人と共有するためにも「県民投票」の結果は必要になると思います。何はともあれ、県民投票で自分の意思を示すところから、すべては始まると言っても過言ではありません。


■ 若者たちのネトウヨ洗脳は深刻である

沖縄で21歳の女性と話をする機会があり、「県民投票に行くか?」という質問をしたところ、「行かない」という答えが返ってきました。「どうして行かないの?」と聞いたら「どっちでもいいから」だそうです。基地ができても基地ができなくても自分の生活には関係がない。その女性はさまざまなバイトを掛け持ちしていると言いますが、そのお金は将来が不安だから貯金していて、老後を安心して暮らしたいと思っているそうです。自分の生活を生涯にわたって安定させることができれば、正直、基地ができようができまいが関係ないというわけです。その女性は「中国が攻めてくる」みたいな話はしていなかったのですが、「テレビや新聞を鵜呑みにしてはいけない」と話し、反基地運動をしている人たちは日当をもらっているというデマを信じていました。日当の金額も、その日当がどこから出ているのかも知らないけれど、とにかくお金をもらっていると主張するのです。SNSで流れているデマを正しいと思っていました。これはデマゴークのボギーでどこん氏をはじめ、ネトウヨ界隈が若者たちを洗脳していると言っていいでしょう。ネトウヨの撲滅は真剣に取り組むべきテーマです。話を戻し、基地反対派はそうやって活動しているのに、どうして賛成派の人たちは活動しないのかという問いには「賛成派の人たちはそんなに暇じゃない」と答え、「あんなことをできるのは日当をもらえるからだ」と言ってしまう状況です。彼女の場合はSNSでそう思うように至ったそうで、ネットで流されるデマをそのまま真実だと信じてしまう深刻な状況にありました。ただ、本人いわく「賛成に加担するのも反対に加担するのも面倒臭いことになるので、こういう問題には深入りしない方がいい」と話していて、県民投票には参加しないと話していたのです。

もう一つネトウヨ化する若者たちの特徴があります。それは「米軍は悪者ではない」ということです。日本人が酒気帯び運転で逮捕されても名前は出ないけど、米軍関係者が酒気帯び運転で逮捕されるとニュースになる。これが不公平であり、メディアが米軍を悪者にしているとしか思えないというのです。しかし、それは日頃から新聞を読んでいないだけで、地方紙では特に小さな日本人の犯罪も取り上げています。それが「八重山日報」のような石垣島だけをターゲットにしているような小さな新聞になると、ますます小さな島のニュースに特化することになるので、めちゃくちゃ小さな犯罪も報じることになります。この場合、犯人の多くは日本人です。確かに、米軍関係者の場合は話題になりやすいということはありますが、これまでにレイプや殺人といった凶悪事件を起こしてきた歴史があるだけに、小さなこともニュースになりやすいのは仕方がないのです。その背景にはこれまであった凶悪事件があるということを知るべきかもしれません。また、「米軍基地がなくなったら沖縄経済は悪くなる」と言っていましたが、今回の県民投票はあくまで「辺野古基地の埋め立て」を問うものであり、すべての米軍基地を撤去するかどうかを問うものではありません。将来的には世界が平和になって、すべての米軍基地が返ってくることが望ましいのかもしれませんが、普天間基地すら無条件に返してもらえないのに、他の基地まで撤去するのはかなり難しいと思います。そして、ネトウヨは「米軍が居なくなったら日本は誰が守ってくれるのか」と言いますが、米軍が沖縄に駐留している理由は、表向きは「日本を守るため」ということになっていますが、本当にそうなのかは微妙なところです。というのも、日本とアメリカの間には「日米地位協定」なる不平等な条約が存在し、アメリカに日本の主張を一切聞いてもらえないという不適切な関係にあります。保育園や小学校の敷地に米軍ヘリの部品が落下した時も「トラブルの原因がわかるまでは飛ばないでくれ」と要請したのに無視されています。これは米軍に日本の子どもたちを守るつもりが一切ないことを示しています。こうした状況の中で、ネトウヨになると「米軍ばかり悪者にされている」と言うのですが、悪者ではないかもしれないけれど、日本の子どもたちを守ることさえ協力してもらえないような関係で良いのかということは大いに問われるべきだと思います。つまり、ネットでデマゴークの情報ばかりに触れるのではなく、さまざまな情報に触れるように心掛けて、自分の中で結論を出せるようにした方がいいということになります。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

沖縄県民投票は「選挙」ではありません。ですから、投票日である2月24日も「賛成」「反対」を呼びかけることができます。昨年9月30日の沖縄県知事選の時に出会った女将さんがいて、その女将さんはJC(日本青年会議所)の人たちに言われるがまま、これまで自民党系の候補に入れていた人なのです。当時の県知事選でも「佐喜眞淳さんに入れようと思う」と言っていた人なのですが、偶然にも再会し、話を聞いてみたら「基地反対に投票する」と言っていました。前回の沖縄県知事選の時に、ネトウヨが言っていることがどれだけデマなのかを話したことがあるのですが、その時には「へぇー」とか「ふーん」みたいな感じだったのですが、あれから半年も経たない間に、女将さんは「今の自民党がやっていることはおかしい!」と言っていました。デマを疑う心を持つようになると、幅広い情報に触れるようになり、ネトウヨではなくなることがある。つまり、無駄のように思えるかもしれませんが、ネトウヨに「オマエの言っていることはデマだ、本当はこうなっているんだぞ」ということを教えることは、とっても大切なのだと思います。一度教えておけば、あとは放置しておくだけで勝手に気付く日が来るのかもしれないのです。本当は県民投票をキッカケに、ネトウヨたちにちゃんとした情報を教えてあげるだけで、半年後には面白い結果が生まれるかもしれない。そんな希望を見ることになりました。


■ 500円以上のサポートでパスワードをお届け

日頃からサポートしていただき、ありがとうございます。このレポートは無料でお届けさせていただいているため、本日から2月28日までの間、500円以上のサポートをいただいた方に、3月3日(日)18時から新宿・歌舞伎町のROCK CAFE LOFT is your roomで行われる「第6回・ドッキドキ選挙報告会」の限定配信パスワードをお届けさせていただきます。当日イベントにお越しになる方も、あの熱狂をもう一度振り返りたい方も、アーカイブも楽しめるようになります。この機会にぜひご支援くださると助かります。よろしくお願いします。[了]

いつもサポートをいただき、ありがとうございます。サポートいただいたお金は、衆院選の取材の赤字分の補填に使わせていただきます。