【選挙ウォッチャー】 東松山市長選2018・選挙戦略中間レポート。

日本全国の選挙を「現場」で見て回り、常に「選挙戦略」を考えている「選挙ウォッチャー・ちだい」が、このたび東松山市長選を取材する中で、安冨歩さんを応援している方々にアドバイスできることが見つかりましたので、選挙戦略中間レポートを書かせていただくことにしました。今回の戦略には賛否両論あるかもしれませんが、安冨歩さんの魅力を最大限に生かしつつ、1票でも多く積む方法を模索してみたいと思います。このレポートは無料でお届けすることにしました。もし「素晴らしい!」と思っていただけましたら、レポートの最後の「サポート」の機能を使って、皆さんが思った金額を入れていただければ幸いです。

女性装の東大教授ということで、そのビジュアルばかりに注目が集まる安冨歩さんですが、街頭演説で訴えていることは、現代の日本が抱えている問題点をものすごくストレートに訴えるものでした。「子供を守る」は、東松山市の市政はもちろん、どちらかと言うと、日本全国で取り入れられるべき話ではないかと思います。この演説の隣でドラムやピアニカ、木琴などを演奏していることは気になりましたが、この奇抜さこそが安冨歩さんのキャラクターでもあるので、ただ真面目に演説すれば良いというものでもなさそうです。なので、このまま戦って1票でも積むにはどうしたらいいかを考えてみることにしました。


■ 安冨歩さんの戦い方にモヤモヤしている人がいる現実

安冨歩さんの選挙は、あまりに奇抜で、従来の選挙の形とは大きく異なります。チンドン屋さんを引き連れて街を練り歩いたり、馬に乗って街を歩いたり、街頭演説の内容も「私に1票入れてください」と訴えるようなものではなく、まるで大学の講義を聴いているかのようです。なので、このままでは勝てるものも勝てないのではないかと心配になり、従来通りの選挙の形を望む人も少なくないと思うのです。しかし、それをやってしまったら安冨歩さんの個性は死んでしまうし、子どもたちの個性を尊重して伸び伸びと過ごすことが大人になった時に自由で幸せな人生を生きるための礎だと主張しているのに、安冨歩さんに型にハマった選挙を強要するなんて大きな矛盾です。従来通りのつまらない選挙をやりたいのであれば、頑張って他の人を擁立すればよかったわけで、選挙が始まってから「こんなはずじゃない!」と言っても始まらないので、戦略としては安冨歩さんの個性を最大限に発揮し、1人でも多く伝えるために特化することを考えるしかないのではないかというのが、僕が考えるところです。


■ 東松山市長選で「勝つ」ということを忘れて戦った方がいい

安冨歩さんを応援している人たちにこんなことを言うのは酷なのかもしれませんが、せっかく立候補してくれた安冨歩さんの魅力を最大限に引き出すためには「勝つ」ということを一旦忘れた方がいいのではないかと思います。これは「負けてもいいじゃないか」と言いたいわけではありません。選挙をやっている以上、勝つことを目指して戦うのは当然なので、「立候補することに意義がある」と言いたいわけでもありません。ただ、選挙には今回の東松山市長選に勝つか負けるか以外に、もう一つ、とても重要なことがあるのです。それは「選挙は無限にある」ということです。選挙というのは4年後もあるし、8年後もあるし、しっかりと民主主義が保たれていれば、100年後も200年後も存在するものです。もっと言えば、日本全国で毎週のように選挙が行われているわけで、日本全国すべての自治体で選挙は必ず行われています。安冨歩さんが東松山市で立候補して訴えたことは、2018年の東松山市長選のみで完結して終わるのではなく、これから行われる日本全国の「未来の選挙」すべてに影響を与える可能性があるということです。つまり、東松山市から小さな小さなムーブメントが起こり、それが日本全国に広がっていく可能性を秘めているのです。安冨歩さんの街頭演説での発言は「未来の候補者たち」に大きな影響を与える可能性があるわけで、もっと広く発信して、明日のどこかの選挙で取り入れられるべきだと思うのです。そうやって考えると、残りの数日間でできることがたくさん考えられるのではないでしょうか。


■ 「子供を守る」という唯一の政策には、大きなインパクトがある

安冨歩さんは「子供を守る」ということを、ほぼ唯一の政策にしています。他にも「音楽に溢れた街にする」などの政策があるのですが、主軸は「子供を守る」です。そして、この「子供を守る」というのは、ただ物理的な危険から子供を守るという意味ではなく、実に深いものです。安冨歩さんは東京大学の教授なので、いわば日本の最高峰の頭脳を持った若者たちと接しているのですが、この学歴こそすべてだという世の風潮に異論を唱えています。東京大学の教授が、東京大学に進学している若者たちを「素晴らしい若者」だとは思っていないのです。両親の期待を一身に背負い、小学校、中学校、高校と、10代の大切な時代を半ば強制的に「勉学」に費やしてきた子どもたちが「幸せなのか」と提起しているのです。中には勉強が好きで好きで仕方がなく、勉強しまくっているうちに東大に入ってしまった子もいなくはないのかもしれませんが、多くは両親のプレッシャーによって子供らしさを失い、高学歴が幸せだと信じて生きているのです。そして、東京大学に進学した後も勉強を重ね、希望する学部に入るためのテストを受け、やがて日本の官僚になったりするわけです。たくさん勉強して官僚になった人たちが、まさに今、国民を見下すように笑いながら、平気で公文書を改竄したりしている現実。これらは「教育」がもたらした日本の病かもしれません。学校で教えられた勉強は大人になると忘れてしまう。それは知りたいと思って学んだものではなく、一方的に教えられているから。例えば、学校でイジメられている子供がいても、何事もなかったかのように授業だけは普通に進められていくというのは「異常な光景である」と安冨歩さんは主張します。イジメられている子供に寄り添うことなく、誰かが泣いていても授業が進められ、問題の解決を優先するのではなく、勉強のカリキュラムを進めることが優先される日本の学校。それが本当に「教育」として正しいのでしょうか。よくよく考えてみれば、とてつもなくサイコパスな話かもしれません。子供の頃から「泣いているクラスメイトを無視して勉強するのが正義」だと教えられる教育を受けて、そんな子どもたちが大人になった時に泣いている人を助けられるようになるのでしょうか。もしかしたら、その答えが今の政治に表れているのではないでしょうか。何よりも優先して勉強することを正しいとするのではなく、子供の「食う」「寝る」などの環境をしっかり整えた上で、子どもたちの個性を尊重し、その上でどうするかを考えるのが本当の「教育」なのではないか。「教育」の根本的なところを変えて、子どもたちが大人になった時に豊かな社会が作れるようにしようというのが、安冨歩さんが主張していることなのです。こうした安冨歩さんの主張に賛同する人は急速に増えており、SNS上で注目され始めています。なので、僕からの提案は「安冨歩さんの選挙運動を変えるべきだ」というものではありません。


■ 安冨歩さんの発言をもっと「ツダる」べきである

僕から提案することは2つです。1つ目は、安冨歩さんを支持する人たちは、積極的に「ツダる」べきだと思います。「ツダる」とは、発言をTwitterなどで書き起こしていくことです。安富歩さんの写真などを添えながら、安冨歩さんが言ったことをリアルタイムでつぶやいていくのです。これは僕がある候補のネット対策を担当をした時に積極的に繰り広げた戦術であり、安冨歩さんのような著名な方なら特に有効です。実際、安冨歩さんは素晴らしいコメントをいくつも残していますので、バズられる確率も高くなります。もちろん、そのバズられたものが巡り巡って東松山市民にササったら最高なのですが、東松山市民にササらなくても、これから立候補しようとしている予定候補者の心にササるかもしれません。そうしたら別の街で安冨歩さんの政策が実行される可能性が出てきます。もっと多くの人が安冨歩さんの発言に触れた方がいいと思いますので、この「ツダる」という行為は必要です。街頭演説に同行している人もたくさんいますので、安冨歩さんの発言をどんどんネット上に流していった方がいいと思うのです。


■ 楽器の演奏や支援者たちの動きは「プロ」に徹した方がいい

安冨歩さんの街頭演説では「音楽に溢れた街にする」という公約を体現するかのように、隣でオジサンやオバサンがドラムを叩いたり、ピアニカを吹いたり、木琴を叩いたりします。真剣に安冨歩さんの話を聞きたい人にとっては少し邪魔かもしれませんが、僕はこれを「やめろ」とは言いません。どうせやるなら、バッチリと決めてほしいのです。演奏している途中でスピーカーの位置を変えたり、コードを取りに行ったり、気分で演奏する楽器を変えたりするのではなく、演説中はなるべく万全の状態で演奏していただきたいのです。正直、この演説を映像等に残したり拡散せずに、この場だけで完結させるというのであれば、今のままでも問題がないかもしれません。しかし、ネットを使って多くの人に届けたいと思うのであれば、そのユルさは拡散のブレーキになってしまいます。演奏の上手さや楽器のチョイスに文句を言いたいわけではありません。演説をしている横で演奏しているのは「あえて」やっていることなのですから、この「あえて」の部分を中途半端にするのはもったいないと思うのです。どこかのカフェでユルユルのセッションをかましているのとは違うので、いっそのこと、子どもたちが演奏している人たちを見て「カッコイイな!」と思えるぐらい、バッチリとキメてほしいのです。少なくとも、途中で演奏をやめてスピーカーの位置を整えたり、コードを取りに行ったりするようなユルいヤツでなければ、より拡散されるようになると思います。


■ ポテンシャルを最大限に引き出すことを考える選挙

今回の東松山市長選は、新潟県知事選のような戦略と戦略のぶつかり合いみたいな選挙ではありません。安冨歩さんは現職のマイナス面を口にして票を削るような戦いをせず、ただ自分の主張を訴えていく選挙を展開しており、現職の選挙カーが駅前に来た時には「あと○分で終わりにします」と宣言して、場所を譲って、違う場所で街頭演説を始めるほどです。これほど理想的な選挙を展開する人は初めて見ましたし、こういう精神は見習いたいもの。まさに「人間力」みたいなところで言えば、僕が見た中でも過去最高の候補と言えるかもしれません。なので、せっかくこのような素晴らしい人間力を持った候補が立候補しているのに、応援しているスタッフが悪口を言っている場合ではないし、内輪でモメている場合でもありません。やはり考えるべきベクトルは、どうしたら安冨歩さんの魅力を多くの人に伝えられるかという一点に絞ってもいいのではないでしょうか。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

これは東松山市長選に限った話ではありませんが、現職に勝つためには前々から地域のトピックスを市民と共有していることが大切です。先日の中野区長選で言うならば、桜並木の伐採問題、平和の森公園の破壊、中野サンプラザの再開発など、選挙の前から「現職は判断を間違えている」ということが話題になっていました。つまり、選挙の時だけ「あれがおかしい」と言ったところで、そのおかしい部分を市民と共有ができていないので、実績のある現職と、政治経験のない新人を比較した時に、安定を求めて現職に投票するのは極めて当たり前の投票行動です。なので、当選するためには日頃から東松山市の問題点を市民たちと話し合っている必要があるのですが、安冨歩さんが立候補を決める前から市民と情報を共有できていたかと言われたら、けっしてそんなわけではないと思います。ということは、もともと新人が勝つには難しい選挙ということになります。しかし、そんな中でもなるべく善戦をしてほしいという願いは変わらないわけですから、そのためにできることは何かと言ったら、とっても当たり前のことなのですが、安冨歩さんの魅力を伝えることではないかと思うのです。一人でも多くの人に安冨歩さんの言葉を届けることが大事です。なので、安冨歩さんの言葉をどんどん発信していくべきでしょう。この共鳴を東松山市だけでなく、全国に広げることが選挙のポイントになると思います。ご健闘をお祈りいたします。[了]

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