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【選挙ウォッチャー】 尾張旭市長選2019・分析レポート。

日頃からネトウヨのカルト化を心配している僕たちですが、この尾張旭市長選は、前代未聞の「愛国選挙」になってしまいました。尾張旭市は立憲民主党に入った山尾志桜里さんの地盤で、初の女性市長が誕生か、それとも、ゴリゴリの自民党市長の誕生か。政局を見つめている人たちの間でも大注目の選挙だったわけなのですが、蓋を開けてみれば、実にカルト臭の強い選挙になってしまいました。稲田朋美さんをはじめ、「愛国」を謳う人たちが集まった特殊な尾張旭市長選。想像以上にネトウヨをこじらせた選挙になっていて、痛々しさ全開です。同じ愛知県の選挙でも、こんなにバラエティーに富んでいると、僕のレポートにも価値が出ます。

森 和実  69 新 自民・公明推薦
大島 もえ 42 新 立憲・国民推薦

選挙をやる前は五分五分の戦いだと言われていましたが、僕は両陣営を見た瞬間、森和実さんが勝つことを察知しました。それは組織票が大きいこと、「愛国」のもとに一致団結していること、政策の争点らしいものが何もないこと。さまざまな条件が重なり、森和実さんに有利な選挙になっていたのです。小牧市長選のように「正義」が勝つかどうかが問われている選挙ではなく、愛国カルトがどれだけ強いかを証明する選挙となっていて、なかなかキッツいことになっています。森和実さんの陣営は、天皇陛下を敬愛しているように見せておきながら、実際は天皇陛下を選挙に利用しています。国旗や国家を大切にするべきだと主張する愛国オジサンや愛国オバサンが幅を利かせているのは、愛国がすべての免罪符になっているからです。しかし、祖国に愛のない人間なんて、そう滅多にいるものではありません。「愛国」を武器に戦ってくる人たちの中にはニセモノが混ざっているので、本当に愛国心があるのかどうかを慎重に見極める必要があります。


■ SDカードを紛失する事故

せっかく尾張旭市長選を取材し、ものすごく良い写真をたくさん撮影したのですが、この選挙の写真データが入った大事な大事なSDカードを紛失してしまいました。データがなくなったのは、尾張旭市長選、愛知県知事選、安城市長選、潮来市長選の4つです。このうち安城市長選はそもそも取材が不十分だったところに、写真データも紛失してしまったので、お伝えすることを断念せざるを得ません。尾張旭市長選はいくつか写真素材が残っていましたので、それを使ってレポートをお届けします。


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