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【選挙ウォッチャー】 台東区議選2019・分析レポート。

おそらく、4月21日に立候補する予定の各区議候補たちは、台東区議選の結果を受けて戦々恐々としているのではないでしょうか。統一地方選の行方を占う意味で、とっても重要な台東区議選が行われ、かなり興味深い結果になったのです。今、無党派層が求めているものは何なのか。風を読む上でも重要な選挙なっています。定数32に対して、41人が立候補した選挙になりますが、これを見るだけで統一地方選の景色が少し見えるようになります。立候補する皆さん、応援したい候補がいる皆さん、ぜひ参考にしてみてください。

今回の台東区議選は、結論から言うと、けっこう衝撃的です。というのも、立憲民主党、国民民主党、公明党、共産党、都民ファーストの会までもが無事に当選を果たしているのに、自民党と日本維新の会が惨敗しているからです。一方で、ろくすっぽ仕事をしない「NHKから国民を守る党」も当選を果たしてしまいました。自民党の超大物ルーキーが負けているのに、議員を生み出したところで税金の無駄でしかない「NHKから国民を守る党」が勝ってしまう「民度の低さ」は、日本の課題だと言っていいかもしれません。


■ 自民党の傲りが大惨敗につながった

4年前の台東区議選で、自民党は10議席を獲得していましたが、今回は14議席を狙って候補者を大量擁立してきました。台東区議会の定数は32ですが、公明党の5議席と合わせて過半数を取ることが目標で、最低でも12人が当選すれば、自民・公明連立で17議席となり、あらゆる問題をスムーズに進めることができるようになります。ところが、前回1978票の10位で当選を果たしている小島智史さんが落選してしまっているように、公明党のような票割りができているわけでもなく、戦略らしい戦略がないまま選挙に突入したことによって、得票数を減らして落選するという事故が発生したのです。

小島智史さんの場合は、自民党同士でカニバってしまったことが原因です。というのも、小島智史さんは鶯谷駅のホテル街に出るための改札口の目の前に事務所を構えていたのですが、その目と鼻の先には新人で立候補している大浦美鈴さんの選挙事務所があったのです。

大浦美鈴さんは地元のチャーシュー屋を間借りする形で選挙事務所を構えていたのですが、選挙カーで訴えていたのは鶯谷や入谷周辺。小島智史さんとほぼ同じエリアで訴えていました。それまで小島智史さんを応援していた人たちの中にも、新人で票を持っていない大浦美鈴さんに投票してあげようと思った人もいたはずで、相乗効果による票の上積みがほとんどなかったために両方とも落選するという悲惨な結果になったのでした。


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