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【選挙ウォッチャー】 参院選2019・N国党は選挙区で全滅する。

「選挙」というのは、「この人が議員になったらいいな」という人がいて、その人を議員にするために頑張るものであり、「この人に1票入れてください」とお願いして回るものです。しかし、現代のニッポンは、議員になってほしいと思う人よりも「この人を議員にしてはいけない」という人の方が多いかもしれず、そんな人たちがたくさんいるせいで、人々の「選挙」に対するモチベーションが低下しているのだと思います。そんな時代だからこそ、ちょっと面白そうな人がいると、思わず投票したくなる。しかし、そいつらもまた議員にしてはいけない人たちだったのです。

この参院選の期間中は、一人でも多くの方に「NHKから国民を守る党」に投票してはいけないということを伝えるため、ファクトチェックに全力を尽くしたいと思います。立花孝志のYouTubeや政見放送を見る人と比べると、このレポートを読む人はものすごく少ないかもしれませんが、宗教とつながっていたり、過激な思想を持つ人たちとつながっているのではないかと言われるような、ありとあらゆる政党よりも「NHKから国民を守る党」の方がヤバいです。理由は「反知性派カルト集団」だからです。法治国家である日本で「法律に従わなくて良い」と主張しているのは、NHKから国民を守る党だけであり、「今こそ暴力革命が必要だ!」と言っているぐらいにヤバいことは認識していただきたいです。


■ 事務所襲撃を予告する大橋昌信

東京都選挙区から立候補している大橋昌信は、YouTubeの動画で、参院選挑戦のための上納金130万円を払わずに除名処分になった江東区議の二瓶文隆事務所を襲撃すると予告をしました。大橋昌信は、NHKから国民を守る党が今ほど大きくなる前から、当選のハードルが低かった埼玉県朝霞市で市議になり、最近まで副代表を務めていた人物です。立花孝志の古くからの友達らしく、実質的にナンバー2のポジションに立っており、今回、各選挙区に37人が立候補していますが、その中で「東京都選挙区」という最も華々しい選挙区から立候補しています。まさに今、参院選に立候補している最中であるにもかかわらず、大橋昌信は江東区議の二瓶文隆、中央区議の二瓶文徳親子を攻撃対象としています。

以前のレポートにも書きましたが、130万円を払わずに離党したのは、豊島区の沓沢亮治、杉並区の佐々木千夏など、これまでに8人います。お金を払わないことを「悪」とするならば、大田区の植田智一の方が悪質だというのに、二瓶文隆や二瓶文徳を攻撃対象とするのは、立花孝志が最も弱そうな二瓶文徳にターゲットを絞って攻撃しているからです。そもそも大橋昌信に二瓶親子をこれだけ攻撃するだけの理由なんてないだろうに、わざわざ選挙期間中に攻撃を宣言するのは、荒くれ者キャラがカッコイイと思っているからでしょう。44歳にもなって痛いのです。しかも、YouTubeでは完全にアウトな発言をしています。

「予告させていただいております、えー、中央区、えー、二瓶文隆事務所がある中央区の所にね、行かせていただこうと思っています。時間はだいたいたぶん3時から4時のね、あ、違うわ、2時から3時かな、ちょっと予告しておきます。2時から3時までの間にね、えー、二瓶文隆事務所の税理士事務所のね、付近でね、えー、付近行ってやろうと思っています。さすがにね、あのー、事務所の中まで乗り込ん、乗り込んで行っちゃうと、さすがにね、公職選挙法違反、いわゆるその個別訪問っていう扱いにされたら困るんでね、えー、二瓶文隆、あえー、税理士事務所に行って、どやしつけられるようであれば、どやしつけてやろうと思ってます

おそらく大橋昌信は「どやす」の意味をあんまり知らずに使っていると思うのですが、「どやす」という言葉を辞書で引くと、最初に出てくるのは「殴る」です。奈良の方言で「怒る」「叱る」という意味にもなるのですが、基本的には「殴る」という意味で使われます。つまり、これは明らかな脅迫行為です。イキがって怖そうな単語をチョイスするから一線を越えることになるのです。「怒鳴ってやる」で良かったのに、それでは怖い感じが伝わらないので、ぶん殴る意味の言葉を使いました。さらに、大橋昌信の脅迫行為は続きます。

「必ず行きますから、明日、二瓶事務所。で、選挙っていうのは、今日終わってあと16日間ありますんで、1回で終わりだと思うなよ。なあ、1回で終わりだと思うなよ、オマエらをディスるのは

僕も比較的よく使う「ディスる」という言葉なのですが、選挙期間中であることを良いことに、街宣車のマイクを使って、わざわざ事務所の前に行って「この裏切り者が!」などと「どやしつける行為」は、もう「ディスる」の枠の中には入りません。この人たちは選挙期間中に何をやっているのでしょうか。こんなことをしている人が国会議員になったら「国民を守る」と言っているのです。守れるはずがありません。

何がそんなに面白いんだか分かりませんが、一人で爆笑しています。ちなみに、悪口を言っていたというのはマイクを使って言っていたようで、NHKから国民を守る党のコールセンターに「大橋さんが怖い」という電話がかかってきたそうです。もはやNHKの集金人ではなく、テメエん所の党の議員が怖いという電話がかかっているんですから、何のためのコールセンターなのでしょうか。


■ 予告通りに実行されるもヘタレ演説

翌日、予告通りに二瓶文隆事務所の前に行き、マイクを使って街頭演説という名の「ディスり」を始めた大橋昌信なのですが、YouTubeで見せるような「1回で終わりだと思うなよ」みたいなチンピラっぽさはなく、党のアピールをしながら二瓶親子が国民を裏切って離党したという話をしてしまったので、単なる内輪揉めにしか見えず、二瓶親子にダメージを与えるというより「オマエら、大丈夫か?」と心配になる内容になっていました。それにしても通行人もそんなにいないし、立ち止まって聞く人もいなそうだし、この演説は何のためにやっているのでしょうか。立花孝志は「東京都選挙区で大橋昌信が議席を獲る確率は5%」と言っていましたが、実際には皆無に等しいので、どんな演説をしたところで関係ありません。しかし、誰もいない月島の端っこで離党した人間がどれだけ自分たちを裏切ったのかという話をしても、まったく票にはなりません。要するに、自分は事務所の前でやる人間だということをアピールしたいだけなのでしょう。議員になる前からこの状態です。いくら他の政党に期待できないからって、NHKから国民を守る党に期待するのは間違いなのです。


■ 時代の変化に対応していない社会に対する不満

立花孝志の動画を熱心に見ているのは40代~50代のB層の男性たちですが、どうやらNHKから国民を守る党に投票しているのは10代や20代など、若ければ若いほど割合が増える傾向にあるようです。若い人たちにとって、時代の変化に対応していない社会に対する不満は大きくなっています。その最たる例がNHKの受信料問題であり、昔のようにNHKの放送をそれほど大事には思っていない世代にとっては、テレビを持っているだけで半ば強制的に払わされるNHKの受信料は「時代に合っていない」と思っています。そして、こうした問題に取り組んでくれるのは、重鎮のジジィたちがふんぞり返っている既存政党ではなく、新しく勢いのある立花孝志を中心とした「NHKから国民を守る党」なのではないかと思うわけです。しかし、もっとまともな人がやってくれていれば期待ができるのですが、NHKから国民を守る党は「無能のニート集団」です。今回の参院選で、青森県選挙区から立候補している自称・国会議員秘書の小山ひなこという人物を見てみてください。

見た瞬間に「近づいてはいけないオーラ」が出ています。たまたま政見放送を見た青森の友人が「めちゃくちゃヤベェ奴がいる!」とわざわざ電話をかけてきたほどです。NHKから国民を守る党は、一見、まともな主張をしていそうなのに、中身はろくなものではないので、そんな反知性派カルト集団から立候補する人は、ざっくりこんな感じになります。三重県から立候補している門田節代という女性も、これまた全身からカルト臭がしているのですが、こんな感じの人たちで構成されているのが「NHKから国民を守る党」であると思っていただいたら、およそ投票して良い人たちではないことは一目瞭然ではないでしょうか。もしお時間があるようであれば、各都道府県で立候補している人間たちを一通りチェックしてみてはいかがでしょうか。どいつもこいつもイケてない感が満載。こんな奴が国会議員になるかもしれない時点で世も末だと思うことでしょう。本当に世も末なんです。だから、もっと選挙に関心を持たないといけないという話です。


■ 東京都選挙区で大橋昌信が5位の怪情報

新聞で公表されている選挙情勢とは大きくズレるのですが、立花孝志によれば、東京都選挙区から立候補している大橋昌信が、現在5位という情報が入っているそうです。東京都選挙区は定数6で、れいわ新選組の山本太郎さんが全国比例から立候補したことで、当落ラインにいた候補たちに大きなチャンスが巡ってくることになりました。ここまでのところ、新聞などの情勢調査では、自民党の丸川珠代さん、公明党の山口那津男さん、共産党の吉良佳子さんまでは安定の強さ。残る3つの議席を巡り、自民党の武見敬三さん、立憲民主党の塩村文夏さん、山岸一生さんがやや優勢、少し遅れて日本維新の会の音喜多駿さん、国民民主党の水野素子さんと続いているようです。そこに大橋昌信の文字はまったくないのですが、立花孝志によると、現時点で5位につけており、このまま行けば当選が見えているそうです。

これはまったく非現実的な数字です。これまでの各統一地方選で「NHKから国民を守る党」に投票した人の合計は、東京23区だけを足しても5万票ほどにしかならず、これに立川市や西東京市、八王子市など当選している地域の票を足しても、せいぜい6万票ほどにしかならず、最低でも50万票以上は必要な東京都選挙区で大橋昌信が当選する可能性は、99.99999999%ありません。これは選挙の取材をしている時に偶然出くわしたホラン千秋が、汗をかいてハゲ散らかしている僕の姿を見て一目惚れをした末、いきなり僕にプロポーズしてくる可能性よりも低いです。ちなみに、ホラン千秋から突然プロポーズされた時に用意している僕の答えは「そんなに僕のことを好きだったら仕方ないから結婚してあげてもいいよ」です。今、コイツの脳味噌は完全にヤラれていると思った皆さん、それより可能性の低いことを言って喜んでいるのが、NHKから国民を守る党の立花孝志をはじめ、N国信者の猛者たちです。よろしくお願いします。


■ 朝日新聞が無慈悲な情勢調査を発表する

朝日新聞の情勢調査によれば、NHKから国民を守る党を含む「諸派」が全国比例で獲得する議席は、最小で0議席、最大で0議席であると発表しました。あくまで選挙序盤の情勢なので、17日間の選挙期間を通して情勢が変わってくる可能性は否定できませんが、最大にブレても0議席だということは、まったく可能性がないということになります。N国信者の一部はネトウヨのため、キリッとした顔で「反日パヨク新聞など信用できん!」とおっしゃっていますが、情勢調査のクオリティーは朝日新聞だろうと産経新聞だろうと共同通信だろうと、それほど大きな差はなく、新聞や通信社に限らず、おおむね信用できるデータになっています。沖縄ではNHKから国民を守る党に投票しようという人が2.0%もいるそうですが、沖縄の貧困率を考えれば、これくらいの数値が出ることも想定の範囲内です。もしかすると、これで味をしめ、NHKから国民を守る党が沖縄進出を目指してくるかもしれません。NHKから国民を守る党が反知性派カルト政治団体であることを一人でも多くの人に伝えてあげることが大切です。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

僕も参院選ということで、今は日本全国を飛び回って取材しているのです。今回の参院選では「NHKから国民を守る党」が議席を獲得するのかどうかは、一つのエンターテイメントではあるのですが、もっと大事なことがたくさんあるため、NHKから国民を守る党の動向をチェックしている場合でもないのです。でも、どこぞの若者たちが「なんかおもしれぇ!」と言って、うっかり投票することのないように、この選挙期間中にもしっかり情報を発信していかなければなりません。皆さんも忙しいと思うので、N国対策は孤軍奮闘している感があるのですが、気がついたらツイートやリツイートをして、反知性派カルト団体が野放しにならないように気を付けてください。ぜひご協力ください。

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