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【選挙ウォッチャー】 沖縄県民投票・現地レポート(#5)。

皆さんから温かいご支援をいただき、2月24日に実施された「沖縄県民投票」についての声を拾ってまいりましたが、いよいよ無料レポートは本日が最終日となりました。あとは明日にも「沖縄県民投票」について有料の分析レポートをお届けしようと思っているところです。このレポートがアップされる頃には、泣いても笑っても結果を見守るのみとなっているはずで、世論調査の結果から「反対」が多そうであることは明らかであるものの、具体的な投票数や投票率については、明日の分析レポートにて解説させていただきます。

ネトウヨはアホなので、すぐに「公職選挙法違反だ!」と言いたがるのですが、住民投票は「選挙」ではありませんので、さまざまな違いがあります。例えば、選挙では投票日に「○○さんに1票を!」と呼びかけることは公職選挙法違反になりますが、住民投票では当日に「基地反対に○を!」と呼びかけたとしても、それは公職選挙法違反にはなりません。理由は簡単で、これは「選挙」ではなく「住民投票」だからです。ちょっと調べればわかるものを調べないので、ネトウヨがデタラメをベースに騒いでいる状態なのですが、投票日当日もさまざまな動きがありましたので、今回はそちらを取材しております。


■ 投票日当日も反対派は訴えを続ける

何度も言いますが、これは住民投票なので、投票日当日に活動していても公職選挙法に違反することはありません。むしろ、賛成派の皆さんも「やってはいけない」と言われているわけではないのですから、街に出て積極的に賛成を呼びかけたらいいと思うのです。しかし、今回の沖縄取材の間、賛成派の方々が活動しているのを一度も見ることはありませんでした。街の看板や幟も反対一色といった雰囲気で、賛成は沖縄4区の幟ぐらいではないでしょうか。辺野古基地建設の反対を呼びかける国会議員たちは、忙しいスケジュールの合間をぬって県民投票の投票日当日にも選挙カーに乗り込み、マイクを使って街の方々に「反対」に投じるように呼びかけていました。赤嶺政賢さんと糸数慶子さんは、なんだかんだで沖縄のために働いています。

どうやら投票率が50%前後になるのではないかという予想がある中で、少しでも投票に行く人を増やすためにギリギリまで努力をしていました。賛成派は県民投票を価値の低いものにするために、さまざまな選挙に行かせないための工作を展開していました。SNSで投票に行くことが無駄であるかのような印象操作を熱心にやっていたほどです。一方、反対派は少しでも投票率を上げて、人々に基地問題について考えてもらおうと必死でした。この思いが沖縄県民にちゃんと伝わっていたのかどうかは微妙なところですが、少しでも投票に行く人が増えていたらいいなといいと思います。


■ March on Okinawa Project

故・翁長雄志知事の息子で那覇市議の翁長雄治さんは、2月23日から24日にかけ、糸満市から名護市辺野古までの約70km以上の道を歩き、人々に投票を呼びかけていました。投票日となった24日は天候も悪く、歩く人たちの体力を奪ったことと思いますが、SNSなどで拡散し、良いプロモーションができていたと思います。こうした楽しい動きをして人々に訴えられる政治家がもっと増えたら良いと思いますが、クソみたいな議員ばかりなので困っています。今のところ、「3択ならやってもいい」と言った自民党や公明党の地元議員たちが動いている様子は見られません。


■ この県民投票にはどんな意味があるのか

よく言われることですが、県民投票の結果には法的拘束力はありません。つまり、県民の意思を示したとしても、強行される工事を法的に止めることはできず、菅義偉官房長官は「県民投票の結果に関係なく、工事は継続する」と宣言しています。ということは、県民投票でどれだけ反対が多かったとしても、辺野古の埋め立て工事は続けられてしまうということになります。県民投票で意思を示しても工事が継続されてしまうのだとすると、この県民投票にはどんな意味があるのか。果たして、本当に県民投票をやる意味はあったのか。実は、基地賛成派のみならず、基地反対派の人たちも、どうして県民投票をやるのかをあまりわかっていない人が多かったです。そこで、県民投票をやることにどんな意味があるのかを明らかにしておこうと思います。

① 県民の公式なエビデンスを持てるようになる

沖縄県民に辺野古基地に反対している人は多いということは、これまでの世論調査や選挙の結果を見ても分かることではあったのですが、実際にどれくらいの人が反対しているのかという公式のデータは存在しませんでした。どれだけ琉球新報や沖縄タイムスが調査会社と共同で数字を出そうと、あくまで参考値でしかなく、公的な価値のあるデータではありませんでした。しかし、住民投票の結果ということになれば、確固たる数字で示すことができるようになります。当然、今回の県民投票の結果も時間が経てば古くなってしまうので、これから数年はエビデンスとして使用することができるようになると思いますが、20年後、30年後ということになると、かつて投票した人がお亡くなりになり、この世にいないかもしれないので、エビデンスとしての効果は発揮しなくなってしまいます。なので、ある程度の有限性はあるものの、それでも県民のどれだけの人が反対しているのかということを公的に示せるようになるというのは、今後の話し合いにも大きく役立つのではないかと思います。

② 民意を無視する安倍政権を可視化できる

沖縄県民のほとんどの人が「反対」を示しているにもかかわらず、それでも工事を強行しているということになると、それだけ安倍政権が沖縄の民意を無視しているということを示すことになります。それまでは数字が出ていなかったのですから、「賛成の人もたくさんいる」という前提のもと、だったら工事を進めてもいいじゃないかということになっていたのですが、反対している人が明らかに多いというデータが出てきてしまいますので、これだけの民意を無視して工事が進められているということは可視化されます。安倍政権がどれだけ民意を無視する政権なのかが「具体的に見える」ということになるのです。これは安倍政権が国民のために仕事をしていないということを示すものであり、こんなことぐらいで安倍政権が倒れることにはならないと思いますが、「安倍政権、なんかおかしいぞ!」と気付く人は増えるかもしれません。

その他にも、この県民投票をキッカケに辺野古基地問題を考えることになったり、意見の合う人たちとの絆が深まったりといったメリットが期待できます。一方で、デメリットはないのかと言うと、デメリットはデメリットでそれなりにあります。というのは、この県民投票は「賛成派」も利用し、民意を歪んだ解釈で発信してくることが予想されるからです。今回の県民投票は「賛成」「反対」の2択ではなく、「どちらでもない」を含む3択になってしまったことで、実は「賛成」「反対」「どちらでもない」「自動的にどちらでもない」の4択になっていることに、県民投票を望んだ人たちも気付いていません。投票用紙の上では3択になっているのですが、「どちらでもない」は実質的に最も大きな選択肢になっているのです。というのは、わざわざ県民投票に出向いて「どちらでもない」に投票する人も「どちらでもない」ですが、県民投票に行くのが面倒臭くて投票しなかった人もまた、自動的に「どちらでもない」になってしまいます。つまり、今回の県民投票における「どちらでもない」は、投票率が50%だとしても、どちらでもないに投票した人が10%いたとすると、合計で60%となってしまい、反対に投じた人を超えてしまうと解釈しそうです。もちろん、本来は選挙に行かなかった人は完全なるノーカウントにするのが正しい統計だと思いますが、基地賛成派はデータを歪めることなど日常茶飯事。なにしろ「基地反対派は日当をもらっている」というデマが、まるで事実のように広まっているのですから、本当は正しくない解釈であっても鬼のように拡散してくる可能性があるわけです。そこまでのことを事前に想定し、何か手を打っているのかと言うと、何か手を打っていそうな様子も見られず、「県民音楽祭」みたいなものに一生懸命なわけです。若さゆえに仕方のないことなのかもしれませんが、日本の未来を背負う非常に大きなことをしているという「重み」をもう少し理解するべきかもしれません。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

2月20日から沖縄入りをして思ったことは、やはり「ネトウヨは徹底的に撲滅しなければならない」ということでした。ネトウヨは「中国が攻めてくる」と言って、やがて中国人が土地を買い荒し、中国からたくさんの中国人がやってきて、選挙で中国に有利な公約を掲げてくれる政治家を生み出すと主張していますが、実際のところはどうなっているかと言うと、ナイチャーからカルト宗教の信者がやってきて土地を買い、カルト宗教の思想にピッタリの政治家を生み出し、基地利権でウマウマしたい人たちを支えている。我那覇真子氏が幸福の科学や統一教会と非常に親しい間柄であることは一部の方々に知られていますが、今、沖縄は中国が攻めてくる以前に日本のカルト宗教が攻め込んでおり、沖縄の豊かな自然を壊そうとしています。みんなが「中国が攻めてくる」と思っているのも、「反対派は日当をもらっている」と思っているのも、すべてはカルト宗教と密接なオバサンやデマゴークのオジサンの承認欲求によるもの。本来はこんなものに世論が左右されている方がおかしいわけですが、多くの一般人がデマゴークたちと戦っていかない時代に突入していると考えています。そのツイートの物理的な量でネトウヨを圧倒しなければならないのです。

これは有料レポートにでも書こうと思いますが、最終的にアメリカや日本政府に沖縄県民の民意を伝えることには成功したものの、約50%と予想される投票率に満足できない人はいるかもしれません。結果として「3択」になってしまったことについても賛否があるかもしれません。もともと県民投票を実施すること自体にも賛否があったわけですから、終わった後になってグダグダ言ってくる人は、これからたくさん現れることでしょう。しかし、終わってしまったことにグダグダ言っても始まらないのだし、数々の反省については次につなげていくしかありません。また数年後や数十年後に別の住民投票があるかもしれませんし、少なくとも大阪では今年中に都構想をめぐる住民投票が実施される計画になっています。こうなった時に、住民投票をどのように盛り上げていくべきなのか、ボイコットを呼びかけるような人たちがいた時にどう対処すればいいのか、反省の材料はたくさんあります。今回の県民投票は、どうやらネトウヨの皆さんが墓穴を掘った結果になったようですが、当初の想定よりもやや盛り上がりに欠けるものになってしまったのではないかと思います。なので、このあたりはしっかり検証していただきたいと思います。ちょっと心配なのは約10日間の投票期間中、盛り上がりに欠けてしまったことに対する修正がまったく行われず、修正しようという動きも確認できなかったことです。となると、投げっぱなしジャーマン状態で「あの県民投票は一体、何だったんだ?」ということで終わる可能性があります。そうならないように、次なる道筋をどのようにつけるのか。沖縄県民全員を巻き込んでしまったわけですから、これからのプランを真剣に考えなければなりません。


■ 500円以上のサポートでパスワードをお届け

日頃からサポートしていただき、ありがとうございます。このレポートは無料でお届けさせていただいているため、本日から2月28日までの間、500円以上のサポートをいただいた方に、3月3日(日)18時から新宿・歌舞伎町のROCK CAFE LOFT is your roomで行われる「第6回・ドッキドキ選挙報告会」の限定配信パスワードをお届けさせていただきます。当日イベントにお越しになる方も、あの熱狂をもう一度振り返りたい方も、アーカイブも楽しめるようになります。この機会にぜひご支援くださると助かります。よろしくお願いします。[了]













































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