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【選挙ウォッチャー】 甲府市長選2019・分析レポート。

山梨県知事選と同日に行われた甲府市長選は、「自民党推薦の現職vs共産党推薦の新人ジジィ」という、全国のあらゆるところで見ている「あるあるの構図」になりました。共産党がダメだと言うつもりは全然ありません。しかし、「共産党以外に立候補する奴はおらんのかい!」とツッコまないことには始まりません。現職の樋口雄一市長は、それほど悪い市長ではなさそうな感じがします。やる気に溢れていて、個人演説会での訴えを聞いても、ちゃんと街のことを考えていることは伝わってきました。甲府の街を発展させるためにどうしたらいいのか、知恵を絞ろうとしていることは確かであり、ろくすっぽ仕事をしないクソみたいな市長とは違います。とはいえ、良い市長がいて、さらに自分の方が良い仕事をできると訴える人がいてこそ、街というのは発展するものだと思います。共産党の爺ちゃんしか立候補しないというのは、それだけ市長になりたい人がいないということです。市長が臭くないだけマシですが、これで市長が臭かったら終わっています。

樋口 雄一 59 現 隠れ自民系
野尻 正樹 70 新 共産党

甲府市は、ドイツのイーダー・オーバーシュタイン市と並ぶ宝石加工の街であり、世界各国から宝飾が集積する街として知られています。そのため、山梨県の庁舎より甲府市の庁舎の方が豪華絢爛で、甲府市はそれなりに財政の豊かな街ではあります。しかし、ジュエリー関係の仕事をしている人はごく一部。甲府市に住みながら全然違う仕事をしている人の方が多いわけで、甲府市は非常に住みやすくて環境は良いけれど、東京に出て行く人も多いそうなのです。なので、街の発展ということになると、まだまだ力を入れなければならないため、市長の手腕が問われるところなのです。


■ 甲府の街そのものは活気が徐々に薄れている

今回は山梨県知事選も追いかけていたので、甲府には3回入っているのですが、現地の人に話を聞いてみると、甲府の街は少しずつ活気が薄れており、大阪や沖縄はあれだけインバウンド効果で潤っているのに、甲府にはほとんど外国人観光客の姿もなく、まったく活気が感じられないそうです。特急列車に乗れば約1時間半で甲府に着くことを考えると、もう少し外国人観光客をターゲットに人を集めても良さそうなもの。山梨県はワインもあるし、宝石もあるし、温泉もあるし、外国人ウケをするポテンシャルは秘めているはずです。これを生かし切れていないのは、知事や市長の力不足であると言わざるを得ません。そういう観点から言うと、日本に何度も遊びに来てもらわなければならないのですから「出国税」のような観光客を減らしかねないクソみたいな税金を取るのではなく、もっと外国人観光客を集めるためにどうしたらいいのかを考えるべきではないでしょうか。本当は山梨市の市長のような人たちが政府に抗議をしなければならないのですが、すべてが後手に回っています。


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