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【選挙ウォッチャー】 黒川敦彦&宏洋と幸福の科学のバトルが地獄味に溢れていた件。

 日本人にとって「特別な日」とも言える3月11日、「幸福の科学」の教祖・大川隆法氏の長男・宏洋(ひろし)と、「政治家女子48党」というクソダサい名前の国政政党の幹事長である黒川敦彦が、五反田にある「幸福の科学」の総合本部前で、迷惑な街頭デモを繰り広げました。

黒川敦彦や大川宏洋に抗議をする「幸福の科学」の職員や信者の皆さん

 この様子は、「幸福の科学」の総合本部前で行われたこともあり、「やや日刊カルト新聞」などが報じられると思いますが、僕はあくまで「選挙ウォッチャー」なので、「幸福の科学」の宗教的な問題点については、他の専門家に任せるとして、今回は「政治家女子48党」がやっている行為が、どれだけ「民主主義の破壊」につながる行為なのかを、一人でも多くの方に知っていただきたいと思い、このたび、無料記事を書きました。


■ 「信仰の自由」を否定する国政政党の幹事長

 まず大前提として、この国には「信仰の自由」が存在します。
 UFOを信じていようと、オバケを信じていようと、誰がどんなことを信じていても自由だという大原則があり、仮に大川隆法さんのことを「神」だと信じていたとしても、「んなわけあるかいな!」という話は別にして、これはこれで自由だということを忘れてはなりません。
 もちろん、かつての「ライフスペース」のように、宗教行為によって人を死なせてしまうようなことがあってはなりませんし、昨今の「統一教会」のように、過度な献金をさせて家族を不幸にするようなことがあってはならないので、被害者が出ないように法を整備する必要はあるし、被害の実態などを調べて対策をする必要はあるのですが、それでも「何を信じるか」は自由ということです。

政治が「大川隆法の霊言」を否定することはできない(引用元リンク

 しかし、黒川敦彦は「政治家女子48党」というウンコみたいな政党ではあるものの、政治の側に立つ人間のくせに、「大川隆法は地球の至高神ではない」「信仰の部分」を否定しています。
 そりゃ「幸福の科学」の信者でもない我々にとっては、「大川隆法が地球の至高神なわけあるかいな!」という話ではありますが、黒川敦彦が致命的にダメなのは、これを「政治家女子48党」という「国政政党の幹事長」という立場で、宗教の「内容的な部分」を否定していることです。
 しょせん、「NHK党」改め「政治家女子48党」というのは、とてつもなく頭の悪い集団なので、「信仰の自由って何?」なんてことを考えたこともありゃせんのでしょう。クマのぬいぐるみを神様だと言っても、亀の甲羅を神様だと言っても、はたまた、チンコを神様だと言っても、一般ピープルがガタガタ言うのはともかく、政治の側が「それは神様ではありません」なんて言ってはいけないのです。

国政政党の幹事長という立場で、信教の自由を脅かしてしまう黒川敦彦

 しかし、黒川敦彦にその線引きはできません。理由は、バカだからです。
 そもそも黒川敦彦は「国政政党の幹事長」という立場の「政治家」です。もし「幸福の科学」という宗教法人に「統一教会」と似たような集金構造の問題があるというのなら、まさに政治の力でどうにかするべきで、もし本当に「被害者を救いたい」と言うのであれば、まずは「被害者を救うための法律や仕組みを作ること」がオマエの仕事で、ただ迷惑なデモをして騒音を撒き散らし、「幸福の科学」の信者の方々を煽るだけ煽って満足して帰ることが「政治家」の仕事ではありません。
 尊師・立花孝志率いる「NHKから国民を守る党」が、イギリスのように政治を動かしてBBCの受信料を廃止しようという動きをせず、集金人と呼ばれるスタッフに嫌がらせをしたり、追いかけ回したりする様子を動画配信して人気になっているのと本質的には何も変わらず、これでは何一つ解決には向かいません。単なる迷惑行為です。

「デスノート」のデュークみたいな感じで登場する大川宏洋

 この日は、4月23日の渋谷区議選に立候補する大川宏洋の政治資金を集めることも目的としており、このデモに参加した人たちから集めたお金を黒川敦彦と宏洋で折半すると宣言していました。
 宗教法人「幸福の科学」の内部の話は知りませんが、宏洋は「破門者」と扱われているようで、けっして「後継者」とは認められていないし、残念ながら「幸福の科学」が持っている莫大な資産を引き継ぐことはできないと思います。

幸福の科学のスタンスは「カルトは宏洋だ!」で、それはまさにその通りである

 幸福の科学は、「幸福実現党」という政党を持っています。
 政治家女子48党幹事長の黒川敦彦は頭が悪いので、宗教法人が政治団体を持つのは「政教分離の原則に反する」と考えているようですが、宗教法人が政治団体を持つことは、これはこれで危険ではあるけれど、「政教分離ができていない」わけではありません。やがて「日本人はエル・カンターレを信じるべき」と言い出したらおかしなことになりますが、「大川隆法氏を神様だと信じている人間は政治に参加をしてはいけない」ということになってしまうと、何かの宗教を信じたら政治に参加できなくなり、政治に参加できる人が「無神論者」に限られてしまうからです。
 それに、「幸福実現党に投票したら、やがてエル・カンターレを信じろと言われてしまうのではないか」と心配になるなら、「幸福実現党の候補に投票しなければいいじゃん!」という話で、「誰を議員にするか」は僕たち有権者に委ねられています。

「幸福実現党」の党首・釈量子さんが、宏洋と黒川敦彦に抗議をしに来た

 幸福実現党の党首・釈量子さんは、宏洋と黒川敦彦に「抗議したいことがあるなら話を聞くから対談しよう」と申し出ました。しかし、黒川敦彦も宏洋も話し合いは望んでおらず、「幸福の科学」に対する嫌がらせをすることによって、YouTubeの視聴者を満足させたいだけなので、話を聞かず、この騒動をより大きくするため、大川隆法氏から継承したと自称する「霊言」のパフォーマンスを繰り広げることになりました。

大川隆法の霊を降ろしたテイで、あることないこと言う宏洋

 いまや「幸福の科学」の名物と言えば、大川隆法氏による「霊言」というパフォーマンスです。死んだ人のみならず、生きている人の守護霊まで体に入れ、言いたい放題に適当なことを語るというものですが、かねてからサブカル界隈では「鉄板のネタ」になっており、これを見て笑わないのは無理という伝統芸能になっていました。
 大川隆法氏が生きていた頃は、宏洋も黒川敦彦も「霊言」を小バカにしてきたはずですが、いざ大川隆法氏が亡くなると、宏洋が「自分は霊言を継承している」「いまや霊言をできるのは自分だけ」と言い出し、今度は大川隆法氏の霊を体に入れ、同じようにパフォーマンスをかましたのです。
 黒川敦彦が「幸福の科学」のことを「カルト」として扱っているのは、こうした「霊言」がインチキで、インチキをやってお金を稼いでいることが問題だという主張ですが、今度は「霊はある」とか「霊言は本当だ」などと言い出し、「幸福の科学」の前で「こっちが本物だ、教祖の声を聞け!」と叫んでパフォーマンスをしているのですから、どっちが「カルト」なんだかわかったもんじゃないという話になります。

宏洋の霊言を聞いて、一生懸命泣こうとする黒川敦彦

 宗教法人「幸福の科学」にとって、この『霊言』というのは、この宗教の肝と言える部分のため、破門者である宏洋の『霊言』がYouTubeに出回るのは阻止したいということで、「幸福の科学」が取って来た戦法は、めちゃくちゃ斬新です。なんと、ビートルズの「Let it be」を爆音で流すという形の対抗策を取って来たのです。
 こうすることで、大川宏洋の「霊言」をYouTubeに流そうとすると、著作権違反を喰らってしまい、場合によってはチャンネルを失ってしまう可能性があるというわけです。しかし、いろんな曲がある中で、どうしてビートルズの「Let it be」なのか。

「幸福の科学」の総合本部の柱に貼ってある今年5月公開予定の映画のポスター
最新の映画タイトルが、まさかの「レット・イット・ビー」であった

 なんでも5月12日から「幸福の科学」が、大川隆法が監督総指揮の最新映画を公開するそうですが、そのタイトルが「レット・イット・ビー」だったのです。総指揮をするつもりが葬式をすることになってしまったというのは何とも皮肉な話ですが、宏洋の「霊言」対策に、ちゃっかり宣伝をぶち込んでくるあたりは侮れません。

宏洋や黒川敦彦の「エセ霊言」に対する抗議に加わる七海ひろこさん

 宏洋や黒川敦彦の迷惑街宣は「政治活動」なので、宗教法人として対応するというより、政治団体「幸福実現党」として対応するべきだという考えなのか、この抗議には党首の釈量子さんをはじめ、各地の選挙に立候補している七海ひろこさんもマイクを握りました。

 選挙ウォッチャーとしては、大川隆法氏が亡くなって、これから「幸福実現党」がどうなっていくのかということも気になりますが、それより問題なのは、宏洋や黒川敦彦です。
 宏洋や黒川敦彦のロジックでは、インチキな霊言なるもので、信者からお金を巻き上げているのが問題だという話なのですが、自分たちが「大川隆法の霊を降ろす」と言って、インチキな霊言をかまし、デモの最後に何を言い出したかと言えば、「カンパをしてください」です。

頭のおかしい国民の運動「あたこく」という概念的な団体を作り、集金をする黒川敦彦

 実は、ここで集められるお金は「つばさの党」「政治家女子48党」とは別で、頭のおかしい国民の運動、通称「あたこく」と呼ばれる概念的な団体に集められ、ちゃんと税務的な申告がなされているのかも不明なまま、黒川敦彦らの活動に使われています。黒川敦彦は「デモ暮らしモンスター」と呼ばれ、こうしたパフォーマンスのカンパとYouTubeの収益、さらには政治家女子48党から支払われる政党交付金の分け前が、彼らの収入源となっています。

宏洋や黒川敦彦の呼びかけで参加した人たちが、封筒にお金を入れていく

 結局、インチキな霊言をやってお金を集めていることを「カルト」だと言うならば、「オマエらこそ、インチキな霊言をやってお金を集めてるんじゃねぇ!」という話にしかならず、どの口で「カルト宗教をぶっ壊す」と言っているのかという話にしかなりません。

黒川敦彦率いる「つばさの党」の事務局長をしている落合均
創価学会前でのデモと異なり、今回は小銭程度しかお金が集まっていないようである

 そもそも「幸福の科学」『霊言』なるものが問題だとしても、自分たちが『霊言』をかましてお金を集める頭の悪さには、いくら黒川敦彦に賛同する奴らがアホとはいえ、ナオ・ライオンという「つばさの党」の中心的メンバーであるはずのラスタカラーのオジサンが反対意見を述べたように、賛同しているのは「カルトをぶっ壊す」と言いながら、自分たちが新しいカルトに足を踏み入れてしまうような極限のアホしかいないため、思ったほどお金が集まっている様子はありませんでした。

4月23日の江東区議選に立候補する「政治家女子48党」の丸吉孝文
4月23日の八王子市議選に立候補する「政治家女子48党」の片岡将志

 また、黒川敦彦のイベントには「政治家女子48党」「討伐隊」なる集団から丸吉孝文と片岡将志が参加していましたが、菊竹進の姿はありませんでした。黒川敦彦のイベントより「自分の選挙の方が大事」という雰囲気になっていて、損得を考えるメンバーも出始めています。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

今回のデモは「デモ暮らしモンスター」の資金調達としては、やや失敗に終わった模様

 大川隆法氏が亡くなったタイミングで、長男の宏洋が「イタコ芸」を見せれば、世間から注目され、たくさんの人が集まり、そこそこ金が儲かると計算していたはずの黒川敦彦ですが、集まった参加者は早々に解散し、お金を入れてくれる人も1000円ぐらいで、「幸福の科学」に物を申したくて来たとみられる僧侶まで小銭を入れる始末。その後の飲み会に参加しようという人がどれだけいたかは不明ですが、100人ぐらい入れるスペースを用意したと言いながら、せいぜい数十名だとみられ、今回のイベントは、本人いわく「楽しかった」ということですが、金銭的には成功とは言い難い結果になったのではないかと思われます。
 なお、初詣に「平将門の首塚」を参拝して、不敬を連発し、平将門様に祟られ、何をやってもうまく行かない運命を背負っている黒川敦彦。「NHK党」改め「政治家女子48党」なるものが鬼スベっていますが、その凋落ぶりを楽しむためのマガジンが発売されています。3本保証で480円。絶賛発売中です。


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