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【選挙ウォッチャー】 東久留米市長選2021・分析レポート。

12月19日告示、12月26日投開票で、東京都の東久留米市長選が行われました。これまで2期務めた並木克巳市長が体調不良を理由に不出馬を表明したため、今年は新人同士の戦いです。今年は270以上の選挙を見てまいりましたが、これが今年最後の「選挙ウォッチ」です。選挙レポートは年末年始も休まずにリリースしてまいりますが、取材は来年1月16日投開票の大多喜町長選、長南町長選までお休みです。

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細谷 祥子 67 新 都民ファーストの会推薦
富田 竜馬 44 新 自民・公明推薦
篠原 重信 70 新 共産・社民推薦

実はこの選挙、事前の予測では「細谷祥子さんが勝つ」でした。その理由は初日から小池百合子都知事が応援に入り、駅前の一等地に事務所を構え、力の入れ方が半端ではなかったからです。細谷祥子さんは、今年7月の東京都議選には落選してしまいましたが、地元選出の都議として活躍した経験もあって、知名度は高く、まさに王道を行く選挙を展開していたからです。自民や公明が推薦する富田竜馬さんは、かつては民主党に所属していた人物。こういった観点からしても、選対本部の熱気を見ても、あまり強そうには見えなかったので、これは勝負があったと思っていたのでした。ところが、蓋を開けてビックリ。久しぶりに予測が完全に外れました。


■ 篠原重信候補の主張

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当選する気があるんだかないんだか分からないような、ゆるすぎるデザインのポスターを貼っていた篠原重信さん。電車で移動できず、取材時間に限りがある関係で、直接の取材は断念したのですが、街頭演説は意外とホゲホゲした感じではなく、しっかりとした雰囲気のお爺ちゃんという感じで、いかにも東久留米市という感じです。前回も社民党の桜木善生さんが立候補していて、非常に良いベテランの政治家だったのですが、おそらく篠原重信さんもその系譜で、このあたりに住んでいるリベラル系の理知的なお爺さんの一人なのだと思います。公約は「コロナ対策に全力」「温かい中学校全員給食の実施」「公立保育園全園廃止計画の見直し」となっており、これはとても重要な政策だと思いますが、残念ながら、支持されることはありませんでした。とても市民目線の良い公約を掲げ、行政経験も豊富であっても、社民党や共産党というだけで戦力外になってしまうのは、とても残念です。


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