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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#68)。

僕はかねてから「NHKから国民を守る党」「反知性派カルト団体」であると言ってきました。そうは言っても、NHKの受信料問題をやってくれそうなのが彼らしかいないので、彼らに期待せざるを得ないのだという人もいるようなのですが、問題に取り組んでくれるならオウム真理教でも良いというわけではないと思います。今日から参院選がスタートしますが、全国各地に「NHKから国民を守る党」の候補者が立ちますし、全国比例でも立候補してきますが、少しでも彼らに投票しようと思ったのなら、一度、立ち止まって考えた方がいいと思います。またしても「NHKから国民を守る党」が問題を起こしていますので、二瓶文徳脅迫騒動について、まとめたいと思います。


■ 事の発端は二瓶親子の離党

事の発端は、「NHKから国民を守る党」に所属していた江東区議の二瓶文隆、中央区議の二瓶文徳の親子が6月29日の党臨時総会に欠席し、この日までに納めるように支持されていた参院選挑戦のための資金130万円(親子で合計260万円)を払わずに離党したことです。当初、「NHKから国民を守る党」は比例2人、東京都選挙区に7人、埼玉県選挙区に1名の合計10名を擁立する予定でした。この挑戦にかかる供託金は、合計で3600万円。ポスター代やら何やらで5000万円ぐらいは必要だということで、当時は議員が39名いましたので、1人130万円×39人=5070万円を集める予定でした。ところが、130万円の支払いを命じた瞬間に反旗を翻した豊島区の沓沢亮治、杉並区の佐々木千夏、西東京市の冨永雄二、八王子市の若林修などが続々と除名処分に。そして、6月29日の支払い期限になり、大田区の植田智一、渋谷区の金子快之、江東区議の二瓶文隆、中央区議の二瓶文徳の4名が130万円の支払いに応じずに除名処分となっています。なので、東京23区では19人の議員が当選をしていたのですが、相次ぐ離党で今はどうなっているのかと言うと・・・。

千代田区:牧原慶一郎[落選]
 中央区:二瓶文徳[除名]
  港区:大須賀優[落選]
 新宿区:松田美樹
 文京区:野口健太郎[離党]
 台東区:掛川暁成
 墨田区:神足重治
 江東区:二瓶文隆[除名]
 品川区:国場雄大
 目黒区:川端慎二
 大田区:植田智一[除名]
世田谷区:栗原博之
 渋谷区:金子快之[除名]
 中野区:竹村明広
 杉並区:佐々木千夏[除名]
 豊島区:沓沢亮治[除名]
  北区:光木慎太郎
 荒川区:夏目亜季
 練馬区:松田亘
 足立区:加陽麻里布[落選]
 葛飾区:立花孝志[失職]
江戸川区:山口正樹[落選]

落選しているのが4名、除名処分が6名、離党したのが1名、立花孝志は堺市長選に立候補したために自動失職となり、東京23区の議員は10人になってしまいました。統一地方選から2ヶ月ほどしか経っていないのに、早くも7人が党を離れているのですから、普通に考えてヤバい政治団体なのですが、この政治団体で独裁を振るっている代表の立花孝志は、除名処分となった6名の中でも、なぜか中央区議の二瓶文徳にターゲットを絞り、尋常ならざる脅迫動画を公開し、そんな立花孝志に苦言を呈す議員がいないという地獄絵図です。


■ N国信者に嫌がらせを仕向ける動画

立花孝志は、つい最近まで党員だったはずの議員に対して「裏切り者」だと言い出し、動画のタイトルで二瓶文徳の住所や電話番号を公開。同党を支持するB層の皆さんに嫌がらせを仕向けるかのごとく、議員なので厳密には個人情報とは言い難いものの、住所や電話番号を晒し、脅迫動画をアップしています。詳しくは、かとさよさんが公開している記事も参考にしていただきたいと思いますが、かなりアウトな発言を繰り返しています。

「この親子はですね、最初からNHKから国民を守る党からですね、立候補して当選を目的にして、当選したら知らん顔しようと決めてたんですよね。何らかの言い訳をつけてですね、何だろう、正当な理由をつけたフリをして、うちの党から辞めようとしていたことはもう明らかで、でも、この親父の方はバカすぎてですね、こんなんもうどうでもいいですわ。親父の二瓶文隆、こんなのはどうでもいいですわ、これ。あの、これはね、もうどうせオッサン、歳も歳やし、こんなの仕事できへんようにしてやるだけなんで、えー、とことんかかってこいよ、二瓶タカフミ。文隆、それはもういいわ。で、この息子の方、25歳。えー、コイツの方が将来があるんで、徹底的に潰しに行きます。こんなものね、あの親父の言いなりなんで、コイツはべつにあの税理士でも何でもなくて、あの親父の言いなりになっている操り人形でね、で、一言も何のですね、えー、お世話になりましたとか一言もなく無視して出て行くんですよ。あのね、何だろう、本当にそういう言いたいことがあるんだったら言うべきですよ、コイツ、政治家なんだから。お世話になりました、ふくりすることに対して、ね、立花のオマエのこういう所が気に入らないんだとか言やぁいいじゃん。何も言わずに、選挙で当選をね、NHKから国民を守る党で当選だけして、で、当選したら知らん顔して、俺もう許さないですからね。親父の方は先がないからアレだけど、これ25歳の二瓶文徳は、これからもね、徹底的に叩き続けますから。俺、奥さん、この子のお母さんも彼女も知ってますよ。徹底的にコイツの人生、僕は潰していきますからね。二瓶親子、特に息子。覚悟しとけ。許さんぞ、ボケ。俺、どんだけ怒ってるかわかってるか?」

「俺、どんだけ怒っているか分かってるか?」と言って、自分にカメラを向けた立花孝志なんですが、ただ顔がめちゃくちゃ脂ぎっているオッサンが出てきただけで、「おこ感」は全然伝わってきません。それより速水もこみちに調理されたオリーブオイルまみれのニンニクみたいな顔でコッチを見つめられて、どうリアクションしたらいいのかが分かりません。

「あのな、ほんまにどれだけ怒ってるか分かってるか、こら、二瓶親子。オマエら。二人揃ってな、ええ加減にせえよ。何が保守じゃ、ボケ、こら。文句あんだったらいつでもかかってこい。国民騙してな、中央区民や江東区民を騙くらかしてな、NHKから国民を守る党でNHKの被害者守る言うといて、それをせんとやな、わけのわからん理由こいて、何が保守やねん。徹底的にシバくからな、以上や。NHKをぶっ壊す、そして、二瓶ふみ・・・なり、文徳か。名前も忘れたが、二瓶文徳か。中央区。親父はもうどうでもええ。こんなん来ても相手せえへん。親父から電話かかって来ても俺は出えへんぞ。息子、二瓶文徳。なあ、オマエもな、25になって、親父の言う通りにやるんやったらな、オマエが謝罪して来んのやったら俺はオマエの攻撃はやめたる。以上や。二瓶文徳をぶっ壊す!

裏切られたも何も、そもそも公認したのは他ならぬ立花孝志本人ですし、この130万円だって「あくまで任意であって強制ではない」という話をしていたはずです。130万円を納めてから離党した文京区議の野口健太郎には何も言わず、払わない人にはこの仕打ちです。しかも、先程ご覧いただいたように除名処分になっている人は6人いるわけですが、立花孝志が「徹底的に潰す」と宣言しているのは、この中で一番弱そうな二瓶文徳だけ。ボンクラ息子のニオイがプンプンするので「コイツには勝てる」と踏んだのでしょうけど、マンガに登場するようなスラム街のヤンキー学校で思春期を過ごしたばっかりに「危険センサー」だけが超ハイスペックになってしまった僕に言わせると、二瓶文徳を攻撃するのが一番面倒臭いです。なにしろ、親父の二瓶文隆は「日本創新党」にいたぐらいの筋金入りのゴリウヨです。その政策は、日本国憲法の破棄と自主憲法の制定、自衛隊を日本国軍にする、日米同盟が外交の主軸、議員定数の大幅削減、法人税と相続税の大幅引き下げ、消費税の引き上げ、累進課税を撤廃してフラット税制にする、TPPやFTAの推進、原発推進、同一労働同一賃金で正規と非正規の違いをなくす、生活保護の支給額減額、初等教育における道徳教育と歴史教育の強化で愛国心を育む、高卒後の自衛隊等の社会貢献活動の義務化、道州制の導入。ファシズムと新自由主義の融合というキワキワの政党に所属していたのですから、その時の仲間が集まってきて、あらゆる手段で対抗してくることでしょう。だいたい議員になったら130万円を上納しなければならないなんて、NHKの集金人よりタチが悪いと思うのですが、N国信者の皆さんは何も思わないようです。だいたい信者とはそういうものです。


■ なぜ「アンチN国」になったのか

このレポートは、アンチN国党の人間が書いているので、ただ嫌いだと言いたいだけに違いない。そう思う人もいるかもしれません。しかし、さすがの僕も、最初からNHKから国民を守る党のことを批判していたわけではありません。どちらかと言えば、最初は「なかなかユニークな政党ができたものだ」ぐらいに思っていたほどです。ところが、昨年4月に「この政治団体はおかしい」と思うに至る決定的な事件が起こりました。それは、当時、安倍昭恵夫人とFacebookで友達になったと自慢していた立花孝志が、突然、森友学園の土地問題は「部落の利権だ」と言い出し、わざわざ著述家の菅野完さんに電話をかけ、「これには部落を利用して金を儲けている人間が関わっている」と発言したのです。菅野完さんは立花孝志に「証拠は?」と質問したのですが、証拠はまったくありませんでした。つまり、証拠もなく憶測だけで「部落の人間の仕業だ」と言っていたわけです。きょうび、この時代に地方議員が部落差別をするなんて、よほど頭がイカれていると思うのです。特定のアジア地域の人たちを差別しているような人たちもいますが、部落差別となるとターゲットは日本人です。日本人を攻撃する日本人がいる現実。これは明らかな人権侵害です。もしも立花孝志がそこらへんの一般人だったら「そんな奴もいる」ということで終わったかもしれませんが、立花孝志は当時、葛飾区議だったのです。そして、葛飾区という場所は、昔から都内の中でも人権問題にはナイーブな地域であり、葛飾区議ともあろう者が「部落の人間の仕業だ」と言ってしまうのは、完全にアウトだったのです。

それだけではありません。最近もNGT48の山口真帆さんに対し、議員という立場でありながらセカンドレイプをするという最悪の愚行を晒したのは記憶に新しいです。まさに山口真帆さんが男性たちに襲われた時、立花孝志は「山口真帆のハメ撮り動画を見つけた」と言って、それをYouTube上にアップしたのです。もちろん、この動画はとっくの昔に「まったくハメ撮りではない」ということで、ファンの間でも決着している話なのですが、わざわざ掘り起こしてきて、「こんなことをしている女が襲われるのは自業自得である」と言い出したのです。まさに今、こんな奴が国会議員になろうとしているんだということを多くの方に知っていただきたい。こんな奴が国会議員で良いのでしょうか。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

立花孝志のYouTubeから広告が消え、とうとうYouTubeが問題視して広告を取り下げたのかと思ったのですが、実際には政見放送で「詳しくはYouTubeを見てください」と言ってしまったばっかりに、政見放送を使ってお金を儲ける利益誘導の疑いをかけられる恐れがあるということで、広告を切っていたことが明らかになりました。YouTube側から制裁を受けていたわけではないので、またすぐに復活することでしょう。立花孝志は「もうYouTubeの広告は必要ない」と断言していました。これから巨額の政党助成金が入ってくるので、ちまちました広告収入に頼る必要がないというのです。立花孝志いわく、参院選には99.9%当選するそうなので、政党助成金でウマウマするつもりなのでしょう。今、NHKで政見放送が流れ、「NHKから国民を守る党」と紹介されることが「ジワる」と若者たちの間で評判になっていますが、ただ「面白いから」という理由で反知性派カルト団体に議席を与えてしまうと、僕たちの税金がどんどん無駄に使われてしまうのだということを一人でも多くの方に知っていただきたいと思います。

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