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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#100)。

昨日は「NHKから国民を守る党」の立花孝志と「日本第一党」の桜井誠が対談をしました。「竹島の領有権は韓国にある」と失言して以来、ネトウヨから売国奴扱いされるようになってしまった立花孝志は、すぐさま失言を報じたデイリースポーツに電凸し、「そういう意見もあると説明しただけ」と取り繕ったものの、これくらいのことではネトウヨの信用は回復せず、「うるせぇ、売国奴!」と言われるようになってしまいました。しかし、いちいちファクトチェックをしないネトウヨは「NHKから国民を守る党」にとって大事な大事な支持者層。どれだけ一般の人に嫌われようと、ネトウヨに嫌われるのだけは避けたいとあって、立花孝志は桜井誠に「竹島のことを教えてください」というスタンスで対談に臨んだのでした。炎上もすべて計算だという自称「天才」の立花孝志なのですが、あまりにネトウヨに媚びすぎるあまり、「竹島の領有権は韓国」どころの騒ぎではない失言を連発。これは検証しないわけにはいかないということで、さっそく二人の対談をチェックします。


■ 立花孝志vs桜井誠

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対談する部屋に入るなり、「いろいろとすみません」と謝罪から入った立花孝志は、桜井誠に「ちょっと勉強させていただきに、すみません、ちょっと本当に」と言いました。高須院長にはあんなに上から目線だったのに、どうして桜井誠にはこんなに低姿勢なんでしょうか。いくら日本第一党を支持しているようなネトウヨを敵に回したくないからって、こんなに汗をかきながら平身低頭になれるんですから、基本的に弱そうな奴にしか強く出られないということなのでしょう。究極にダサいです。なにしろ、開始2分で桜井誠がストレートにぶっこみます。

桜井:「今回の件ね、簡単に言えばあの、竹島問題の発言でしょ」

立花:「そうですね、ちょっと」

桜井:「で、これ、あの、どう考えてもあなたの、何っていうの、失言だよね、あれ」

立花:「うん、あの、そこに関しては、あの、否定はしません。失言っていう、まあ、そう取られるっていう発言をね、していることについて、あの、僕自身も、そのまあ、冒頭の小池さんの話を出してるところからして、僕自身はあの、まあ、党の代表としてあんまりこの竹島の問題を、こう正直に自分個人の意見として出すのは、ちょっと控えてたっていうか避けてたっていう部分がありまして、で、まあ、丸山穂高、うちの所属の議員が相当、まあ、激しいことを言っているために」

桜井:「竹島を取り返すのは戦争しかない。あの意見は私と同じなんですよ」

立花:「あはは」

桜井:「そこであなたはね、余計なことを言うもんだから、だからネットでね、大勢の人たちが、あの『NHKをぶっ壊す』とは何なんだってなったんでしょ。だから、はっきり言って、これ、火消しでしょう」

立花:「いや、火消しというか、僕はあのご存知の通り、炎上させるのが僕の役割なんで、火を消そうって気はなくて」

桜井誠の「失言だよね」に関しては「否定しません」と言うものの、何かウダウダ言っているんですが、書き起こしてみると、何を言っているんだか全然わかりません。そして、桜井誠には「火消しのために来たんだろう?」と鋭くツッコまれてタジタジです。立花孝志は、自分たちは直接民主主義を掲げているもんだから、両方の意見を紹介しなければならない立場なんだってなことを言っているのですが、ネトウヨが一番喜ぶのは共産党をディスることだということで、突然、何の前触れもなく共産党をディスり始めます。

立花:「僕自身は2つの側面を持っていると思ってて、党の代表と、一個人立花っていうのを持っているというふうに思ってるんですね。で、あの、党の代表としては、うちは直接民主主義っていうのを言っているので、あの、あんまり右にも左にもっていうかね、こういう問題については結論出さないと。で、あの、まさに共産党が、簡単に言えば、これは逃げてるわけですよ。で、10日間もほったらかしにして、ちょっといい加減にしろよ、共産党と。で、共産党はこういう考えがあってね、そういう竹島を、あの日本の領、領土ではないみたいな考えを共産党が持っているんだったら、こういう考えもあるから出てきたらいいんじゃないのっていうことを僕は一例を紹介したつもりなんですよ。まあ、言い訳にしかならないかもしれないですけど。でも、僕はそのつもりだし、あの、最終的に僕は竹島を武力で取り返すっていうのは、僕個人的には反対なんです」

こんなにデタラメを言っているんですから、共産党が相手にするはずがありません。立花孝志は「共産党が逃げている」と言いますが、正しくは「共産党が相手にしてくれない」です。共産党は一度も竹島の領有権が韓国にあるとは言っていません。共産党の主張は「当時の大日本帝国が韓国に何をしたのかを認めないと、日本固有の領土である竹島が返ってこないでしょう」です。日本と韓国がお互いに冷静な状態でテーブルにつくべきだと言っていますが、共産党は「竹島は紛れもなく日本の領土」だと言っているので、竹島の領有権が韓国にあるなんて言っているのは、ガチで立花孝志しかいないのです。自分の言ったことを共産党のせいにするのは頭がおかしいです。以前にも言いましたが、領土問題に関しては、自民党よりよっぽどハードボイルドなことを言っているのが共産党です。「共産党は何でも売国する」と思っているのは、ファクトチェックをしないアホのネトウヨだけなのです。なぜ共産党のホームページの一つも読まないのでしょうか。そういう人が立花孝志や桜井誠の信者になるのですが。

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この表は関」がリリースしているデータです。立花孝志は、国会議員のくせに韓国と国交を断絶する意味を知りません。桜井誠がアホなのは一般人だからどうでもいいとして、現役国会議員がアホだというのは致命的です。もし日本が韓国と国交を断絶することになったら9兆3430億円の経済が飛びます。リーマンショックどころの騒ぎではありません。また、日本はさまざまな部品を組み立てることで利益を立てている工業立国ですが、韓国から部品が手に入らなくなったら、ありとあらゆる日本製品が生産できなくなり、他の国から一生懸命輸入しようにも国際競争力は大きく失われることになるでしょう。どれだけ安倍晋三や桜井誠のようなネトウヨが韓国のことを嫌いでも、残念ながら、日本の経済は韓国なくして成り立たなくなっているわけですから、今、この状態で韓国と国交を断絶すると言っている国会議員は200%アホです。では、ここで立花孝志のコメントを見てみましょう。

立花:「それとは別に僕は韓国との、その交渉をね、まあ、これだけ、あの、ムチャクチャなことを韓国が言ってきている状態の中でね、どっかでそのいわゆる貿易を停止するなり、断交っていうね、日韓国交断交ってことも含めてですね」

桜井:「あのね、あなたともう、かなりね、意見が一致してるんですよ。ただね、今回の件があったから、はっきり言いますけれども、後付けにしか聞こえないんですよ」

ネトウヨに媚びまくりの立花孝志は、日韓の貿易を停止したらいいと言い出したのですが、これこそまさにアホの印です。しかも、せっかくネトウヨに媚びて「日韓国交断絶」と言ったのに、桜井誠からは「後付けにしか聞こえない」と切って捨てられる始末。こんなに頭の悪い国会議員を見たことがありません。立花孝志は桜井誠との共通の友人はいるけど、「左」の友達はいないと言い、「韓国の日本企業を撤退させる」「飛行機をもう飛ばさない」など、アホアホ発言を繰り出しました。立花孝志の頭の中には、日本にはいろいろな企業があって、みんなが一生懸命働いているという感覚がありません。無責任なアホアホ発言をする頭の悪い国会議員が、NHKをぶっ壊す前に、一生懸命頑張っている優良な日本企業を潰そうとしています。

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ここから桜井誠のネトウヨ講釈が長々と始まるのですが、割愛します。僕はかねてから「NHKから国民を守る党」を支持している人たちを「信者」だと表現していますが、実際、立花孝志が桜井誠との対談の中で、同党の支持者のことを「信者」と表現していますので、その部分を証拠として書き起こしておきましょう。

桜井:「そもそも国会議員の仕事というのは、全体の奉仕者ですからね。全体の奉仕者として、どうやって日本国民を守るかであって、外国人を守るなんて国会議員の仕事に入ってないはずなんですよ」

立花:「まあ、僕は全体を守るというより僕の支持者だけを守ろうとしか思ってないですけどね、申し訳ないけど」

桜井:「でも、その支持者は怒ってるでしょう、今回の竹島の件で、誤解はそうかもしれないけど」

立花:「まあ、べつに支持者の中で僕のことを理解できない人はべつにどうでもいいと思ってるんで。あの、いわゆる信者さんだけついてきてくれたらいいと思ってるんで

桜井:「信者切り捨てない? アンタんところの信者、酷いよ」

立花孝志は明確に「支持者の中で理解できない人はどうでもいい」と言い、「信者だけついてきてくれたらいい」とまで言っています。つまり、立花孝志の言動に違和感を持ちながら支持しているような人たちはどうでもよく、必要なのは「信者」なのです。これは立花孝志自身が言っているお言葉なので、「信者」は差別用語でも何でもありません。これからは堂々と「N国信者」と言ってやりましょう。そして、韓国についてはいろんな部分で脳味噌がアハアハになっている桜井誠なんですが、NHK問題に関してだけは、めちゃくちゃストレートな正論を言い、立花孝志はとんでもない爆弾発言をかまします。

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桜井:「ただ、あの、あなたの政党はNHKをぶっ潰す政党であって、竹島問題を取り上げてくれるのは本当にありがたいんですよ。どんどん取り上げてもらいたいけれども、まず、まあその信者と言ったらまた怒られる」

立花:「僕はまあ、支持者ね」

桜井:「支持者、支持者の皆さんは、NHKをぶっ壊すことに、それに期待してるんですよ。それはそうよ、あなたの名前だってNHKをぶっ壊す党なんだから」

立花:「そのために党勢を拡大しようとしてるの、僕は。だって、このままだったらどうやったって支持率1%、2%のままなんですよ。だから、NHKを壊すためにやるというよりも政治勢力を保たなきゃいけないから、僕は裾野を広げようとしているんですね。だから、それは目標が変わってるとか、手段が変わってるとか、ブレてるとか言われるんですけど、僕は後にも先にもNHKのスクランブル放送の実現をして辞めたい、辞めるということは何もブレてない。ただ、こ、国会に入った時に、じゃあ他の問題どうするんですかって、いつも責められるし、その責められるのはいいんだけど、じゃあこの先、うちの議員を増やさなけりゃ、結局は1議席だけだったらね、そんなの誰も振り返、振り向いてこないわけですよ」

桜井:「私ね、いつも生放送で言ってるんだけども、ワンイシューじゃ無理です」

立花:「うん。だから、無理だってわかってるので」

桜井:「無理、絶対無理なんですよ。でも、ワンイシューを掲げた以上は、そのNHKをぶっ壊すことに全力を尽くすべきなんです。だから今回もあのほら、何ですか、安倍晋三率いる内閣は、NHKと受信契約を結んだ者は受信料を払う義務があるっていうのを出しましたよね。あれに噛みつかなきゃダメなんですよ」

立花:「ああぁぁぁ」

桜井:「で、あなたはもうNHKの番組に、あの、国会議員として口を挟むのは差し控えるって発言したでしょう。あれ、違いますからね。あなたはいろんな人、いろんなこと言われるけれども、いろんな人たちから付託を受けて国会議員なんだから、当然その国会議員として、NHKの番組一つであっても、これはおかしいんじゃないかっていう権利はあるんですよ」

立花:「いや、だから、もちろんね、検閲とまた番組に対して言えるのは違うのはわかってるんですよ。ただ僕は、もうNHKに対しては諦めているので、もういちいち諦めてるところに対して言うことを言う気はないんですよ。あなたたちはいなくても、アメリカに公共放送はないし、YouTubeもあるし、ね、これだけいろんなもう情報があるんだから、もう諦めてるからもう何も言わないです。言っても仕方ないから。だから、そんなこと言うよりもスクランブル放送やってしまえと。で、それを実現するためには政治勢力を拡大せざるを得ないなっていうことで、今、そっちに舵を切ってるんですけどね。だから、NHKのことだけやっとけって言う人が大勢いるのは事実ですよ。でも、それしか言わない人っていうのは、僕はもうそれこそ切り捨てていいと思ってるんです。本当にやろうとしてるの、だって、NHKの集金人が来たらすぐ電話もらう、裁判あったら、こっちは裁判の手続きをしてる、もうあのやれることは思いついたのは既にやってるわけですよ。当選してからやってるんじゃない、その前からやってるから、じゃあ、うちの党に本当にね、うちがやるって言ったサービスができてないんだったら、それは甘えて批判を受けますけど、じゃあ、今、NHKのこと、何をしたらスクランブル放送実現できますかって言われたら、議員数増やす以外の方法ないと僕は思ってるんですね

これこそ「竹島の領有権は韓国にある」以上に、NHKから国民を守る党に議席を与えた有権者を最大限に裏切っている発言だと思います。NHKに対しては「諦めている」と言っています。マツコ・デラックスやMXテレビにはあれだけのパフォーマンスをしているのに、NHKに対しては「諦めている」と言い、噛みつくことさえ「やる気がない」と言っているのです。そして、他の政党の議員が既に書いていますが、質問主意書を提出することだってできるだろうに、ろくすっぽ仕事をせず、高市総務大臣の発言に噛みつくこともなく、青汁王子と酒を飲み、DJ社長と写真を撮り、二瓶文徳を脅迫し、YouTubeタレントとしてホリエモンや玉木雄一郎のアクセス数アップに貢献しているぐらいで、肝心の「NHKをぶっ壊す」ことは何もせず、「議席を増やす以外の方法はない」と言い出す始末です。そうです、立花孝志が1人議員になったぐらいでは何もできないと無能極まりない発言をしているのです。だから言ったじゃないか、立花孝志はそういう奴なんだ! それでも立花孝志を信じる奴はマジで「信者だけ」です。思考停止に陥った信者の皆さんは、もう救いようがありません。いつまで立花孝志なんぞに期待しているのでしょうか。これで目覚めなかったら、もう終わりです。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

僕はさんざん言っていますけど、NHKの受信料問題に取り組むことは大切だと思います。しかし、立花孝志のようなデタラメばっかり言って有権者を騙しているような無能野郎に、この大事な問題を任せるのは間違いだと言っているのです。まさか、これほど決定的な発言を引き出すのが桜井誠だったとは予想もしませんでしたが、「立花孝志はNHKを諦めている」。これ以上の説明は必要ないのではないでしょうか。100回目にふさわしい内容になりました。さようなら、立花孝志!

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