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【選挙ウォッチャー】 須賀川市議選2023・分析レポート。

 7月30日告示、8月6日投票で、福島県の須賀川市議選が行われ、定数24に対して25人が立候補しました。たったの1人しか落選しない選挙なので、見どころがまったくありませんが、福島県議選が11月2日告示、11月12日投票で行われることになり、須賀川市からはネトウヨにして非科学的な思考の持ち主であるアホが、これからの福島を担う自民党のオジサンとして君臨しそうなので、そういう意味でも、緩やかに須賀川市議選の動向を追いかけることにしました。

 これぞ日本の地方選挙の縮図と言えるかもしれませんが、女性の候補者は共産党の2人しかおらず、ほとんどがオジサンでした。そして、これだけ女性が少ないにもかかわらず、女性が上位当選しているかと言うと、けっしてそんなことはありません。40歳でママさん世代の堂脇明奈さんは半分より下の順位で当選。女性が票を取らないこともまた、女性が政治進出できない原因でもあります。



■ 須賀川市議選・選挙ボード解説動画


■ 汚染水の海洋放出は実害を生む

 須賀川市選出の渡辺康平県議もデマに加わり、とうとう福島第一原発事故の汚染水が海洋放出されることになりました。トリチウム以外の放射性物質は取り除いたとして、トリチウムだけしか検査をせず、挙句、検査をしたところで濃度が高ければ希釈をして海洋放出をする。この状態で安全だと言い張り、批判するものをすべて「風評被害」と言ってしまうのは、はっきり言って、だいぶ頭がおかしいです。
 岸田政権は、最終的に地元の漁協の同意を取ることなく、海洋放出を勝手に決めました。それまで「地元の関係者が納得するまでは海洋放出に踏み切らない」と約束してきたはずですが、福島第一原発事故から12年が経ったため、なんとなく約束をなかったことにして、とにかく反対する者は「風評被害を作り出している者」として扱うことで、反対の声を黙らせ、強引に海洋放出を決めたのです。
 しかし、どんなにIAEAからお墨付きをもらったと言っても、世界から白い目で見られることは避けられません。ましてや、日本近海で獲れた魚を海外で売るという「漁業の発展」は完全に潰えたと言えます。当たり前の話ですが、日本政府が主張する「トリチウム以外の検査をしていない汚染水を海に流しても安全だ」と言う理屈は、海外では通用しません。普通に考えてください。プーチン大統領だって「ウクライナが悪いから戦争をせざるを得なくなった」と言っているし、タリバンだって「我々は女性の権利を一切侵害していない」と言っています。この手の話を聞いて、僕たちだって「そうか、ウクライナが悪いのか!」とか「タリバンは男女平等だ!」とは思わないことでしょう。イカれた野郎どもが何を言ったところで、相手にするはずがありません。これは汚染水の海洋放出においても同様です。トリチウム以外の核種を一切検査しない日本政府が「海洋放出しても安全なんです」と言ったところで、まともに話を聞いてくれるはずがありません。
 そして、このように検査をしていない国の魚を、あえて外国人が食べる必要はありません。ましてや、福島近海で獲れた魚を千葉や和歌山に持って行けば、千葉産や和歌山産になるというのが日本のシステムです。そうなってしまうと、もはや「日本のどこで獲れたのか」という話にこだわることに何の意味もなくなります。「日本で獲れたものは全部アウト」と扱う国がますます増えるに違いありません。輸入を禁止しなくても、日本で獲れた魚が高く取引されることはないでしょうから、ブランド魚を海外展開するという夢もなくなることになります。
 農作物と違って、魚の場合は個体差が大きいです。なので、すべての魚が安全であるとは約束できません。米や野菜であれば、同じ畑で採れたものをサンプル検査をして、「他のものも安全です」と言うことができるかもしれませんが、魚の場合にはそれが言えないので、「日本の漁業の海外展開は終わってしまった」ということになります。福島沖の漁業関係者はもちろんのこと、日本全国の漁業関係者たちが泣くことになります。
 そもそも「希釈をすれば海に流せる」というシステムそのものが、だいぶ頭がおかしいのです。例えば、高血圧のため、5gしか塩を取ってはいけないと言われている人が、薄めれば10gまで取っていいことになるでしょうか。100mlの水で薄めようが、200mlの水で薄めようが、10gであることには変わりがない。どれだけ薄めたところで減塩にはならないということです。これと同じ理屈がトリチウムにも言え、どれだけ希釈をしたところで、放出しているトリチウムの量は変わらないということになり、「希釈をするから大丈夫だ」と言っている奴は、極限のアホです。100万円の借金を一括返済にしても、10回ローンにしても、返済しなければならない金額が変わらないのと同じ。ドヤでデタラメを語る詐欺師のような議員たちを、いつまでも議員として認めていてはいけないということです。


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