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【選挙ウォッチャー】 横浜市議選2019・鶴見区レポート。

横浜市鶴見区は大激戦です。市民派の候補者たちが乱立しており、自民党や公明党のレギュラー陣に勝てるのかどうかが注目されています。ハマ弁や教科書問題に揺れる横浜市ですが、もしも今度の選挙で市長が変わったとしても、市議が変わらなければ否決されてしまいます。横浜市の腐った政治を糺すためには、まず市議選でちゃんとした候補者を勝たせることが大切なのですが、果たして、どのような結果になるでしょうか。横浜市の中でも特に注目の鶴見区を追いかけ、取材しました。

山田 一誠 42 新 自民党
井上 桜  54 現 無所属
青島 正晴 63 新 無所属
渡辺 忠則 54 現 自民党
山本 義隆 58 新 日本維新の会
松本 典子 58 新 国民民主党
加藤 正法 50 新 無所属
谷地 伸次 72 元 無所属
古谷 靖彦 47 現 共産党
東 美智代 53 新 自民党
有村 俊彦 49 現 立憲民主党
柏原 傑  33 新 あたらしい党
尾崎 太  53 現 公明党
小森 克己 44 新 立憲民主党

今年から定数が1増えて「定数7」になったことで、いつにも増して大激戦になってしまった鶴見区。現職5人、元職1人、新人8人の14人が立候補し、横浜の全エリアで最も激しい戦いになっていると言っても過言ではありません。地元で言われていることは、おそらく現職の5人は固いだろう。残る2枠をかけて誰が当選するのかという戦いになっています。自民党3人、立憲民主党2人、共産党1人、公明党1人、国民民主党1人、日本維新の会1人、あたらしい党1人、無所属が4人。こうなってくると政党のバックアップがあった方が強いと思いますが、果たして、どのような結果になるでしょうか。


■ あたらしい党の初陣は大惨敗

実はこの選挙、僕が最も注目していたのは「あたらしい党」が当選するのかどうかでした。「あたらしい党」は、渋谷区議選に「仮面女子」というアイドルグループに所属し、東大卒のアイドルとして「みのもんたのよるバズ」などにも出演していた桜雪(選挙では「橋本ゆき」名義で立候補)さんを擁立するなど、今年の統一地方選から登場した、まさに新しい政党です。党首である音喜多駿センセイは、北区長選に立候補することを正式表明。既にコンサルタント会社を経由して情勢調査を終えているとの情報もあり、現職が非常に高齢であることもあって、高い確率で勝てると踏んで立候補することを決意したようです。人間性としては最悪レベルのクソ加減であるものの、多くの人はどれくらいクソなのかを知らないので、北区議、東京都議、そして北区長と若くしてキャリアの階段を着実にステップアップしています。その音喜多駿センセイが挑む「あたらしい党」の初陣が、この横浜市議選になるわけです。果たして、どれくらいの票を取るのでしょうか。

音喜多駿センセイも北区長選の準備があるはずですが、僕が取材した日は、朝から夕方までほぼ一日中、柏原傑さんの応援に入っていたようです。僕がこれまでに見てきた選挙では「着ぐるみ」が出てきた陣営はだいぶ票を減らしているのですが、柏原傑さんの選挙でも「あたらしい党」のマスコットキャラクターの鳥がたびたび出てきていたようです。常に一緒にいる感じではなかったので、ダメージは少なかったのではないかと思いますが、それでも選挙戦略上はマイナスになることをしており、どこまで票を伸ばすのかが気になるところでした。柏原傑さんは、33歳の若さに加え、キリッとした受け答えをする人物なので、けっして好感度の低い人物ではありませんが、結果から言うと、約8000票が当落ラインと言われる中で、わずか1643票しか取れず、全14候補中13位という成績でした。柏原傑さんは3児の父ということもあり、なかなか選挙に専念できなかったというツイートをしていたと思いますが、この数字を見る限り、選挙に集中できていたとしても当落ラインに届かなかっただろうと思います。4月21日の統一地方選の後半の北区長選で党代表の音喜多駿センセイが落選しているところを見ても、初陣の横浜市議選でまったく票を取れていないことを見ても、音喜多駿センセイには「数字がない」ということになり、ポスターの下に「おときた駿推薦!」と書いていますが、残念ながら「音喜多駿」というネームブランドはそれほど高いものではないと言えます。音喜多駿センセイに関しては、北区長選の敗退を受け、今度の参院選で日本維新の会の推薦を受けて東京都選挙区から立候補してくるという噂もあり、もしそんな動きをするのだとすると「あたらしい党はどうなったんだよ!」という話になります。音喜多駿センセイはこの選挙期間中も柏原傑さんのことを熱心に応援するわけでもなく、大阪ダブル選挙で維新の候補に投票するように呼び掛けていたほど。自分が立ち上げた政党の選挙にすら一生懸命になれないのですから、こんな政党から立候補しても勝負になりません。統一地方選の後半では当選者も出ているのですが、それらは候補者のポテンシャルが高かったということでしょう。


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