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【選挙ウォッチャー】 日野市議選2018・分析レポート。

これまで数々の市長選を追いかけてきましたが、結局、市議選が最も面白いと思います。2018年2月18日、東京都日野市で市議会議員選挙が行われました。日野市とはいえ都市部の選挙ということで、定数24に対して33人が立候補したため、そこそこ激しい選挙になりました。最初は追いかけるつもりがなかったのですが、昨年末の葛飾区議選に続く「情勢のわかる選挙」になりましたので、ちょっと注目してみました。

実は、市長選よりも市議選の方が圧倒的に盛り上がりますし、投票率も高くなります。立候補している人がたくさんいるので、あちこちで街頭演説をしているからです。さらに、いろいろな政党の候補者が出てくるので、泡沫候補も含めて楽しいのです。政党の勢力図なども見て取ることができますので、実は、市長選より市議選の方が地味に見逃せなかったりするのです。


■ 「都民ファーストの会」は戦略を変える

かつて小池百合子さんが熱烈に支持されていた時には「都民ファーストの会」であることをゴリゴリに押していれば選挙に勝てたのですが、前回の衆院選で小池百合子さんの人気が一気に低下し、葛飾区議選で散々な結果に終わってからは、むしろ「都民ファーストの会」であることをアピールしなくなって、小池百合子さんを顔にすることもなくなりました。葛飾区議選では5人の候補者が立候補しましたが、今回の日野市議選で立候補しているのは、33人中たったの1人です。それだけ「都民ファーストの会」に力がなくなってしまったことを示しています。次回の東京都議選があった時にどれだけ当選できるのかは微妙なところでしょう。また、鈴木勝豊さんの選挙ポスターを見ても分かるように、小池百合子さんに3万円払って握手することもなければ、小池百合子さんの画像を使わせてもらうこともなく、地元の都議会議員や長島昭久さんの応援コメントが書かれています。長島昭久さんは希望の党の国会議員ですが、都民ファーストの会が推薦する候補に写真とコメントを載せているのが興味深いところです。ただ、小池百合子さんのカラーを完全に排除し、長島昭久さんを中心とする都民ファーストの会の応援団がコメントをしても、鈴木勝豊さんは落選してしまいました。候補者の中で唯一、「防災」を全面的に前に出したにもかかわらず、あまり興味を持ってもらえなかったので、「都民ファーストの会」「希望の党」もオワコンになっていることを示しているのかもしれません。

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