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【選挙ウォッチャー】 那覇市議補選2022・分析レポート。

 10月16日告示、10月23日投票で、沖縄市議補選が行われ、欠員1に対して4人が立候補しました。欠員1が発生したのは、先日の沖縄県議補選に、那覇市議だった上原快佐さんが立候補したからで、この欠員を埋めるための選挙が行われたというわけです。
 この選挙では、けっこう泡沫候補同士の戦いみたいな構図なので、あまり盛り上がりませんでした。市長選と合わせて行われるため、投票しないわけにはいかないということで、ほとんどの人は、誰に投票したらいいのかがわからないまま、なんとなく投票したと思います。

永山 盛太郎 58 元 無所属(オール沖縄)
川満 昇治  57 新 無所属(ゆるやか自民党)
上地 健司  42 新 無所属(自称・ど真ん中)
屋 辰夫   70 新 官と民が命がけで助け合えば貧困はなくせます党

 一応、永山盛太郎さんは元職ですが、それ以外の人たちは、かなりホゲホゲした雰囲気をしていて、組織もなく、ほとんど個人で戦っていたも同然です。なので、那覇市長選こそ自民党が勝ちましたが、那覇市議補選ではオール沖縄の候補が圧勝するという現象が起こりました。


■ 屋辰夫候補の主張

 屋辰夫さんは、芸名です。本名は「屋」ではなく、このたびは「官と民が命がけで助け合えば貧困はなくせます党」という政治団体を立ち上げて立候補してまいりました。
 選挙ポスターにはいろいろと書いてあるのですが、すべてを書き起こして紹介するのは大変ですし、書き起こすほどの内容でもありませんので、簡単にギュッと要約します。
 屋辰夫さんは、かつて県の職員として働いていたそうですが、パワハラなどを受け、不当に解雇されたそうです。しかし、これは不当解雇だということを訴え、長期の裁判を戦い、やっとの思いで勝利を勝ち取ったものの、こうした戦いの末に家族が貧乏になって離散。このような苦しい思いをする人がいなくなるように、50人単位の村を作り、菅と民が助け合って貧困に困っている人たちに手を差し伸べれば、すべてはうまくいくと考えています。
 ただ、かなり極端なことも言っていて、那覇からパチンコ屋を排除するとか、家族からスマホを排除するとか、車の任意保険を解約するべきだとか言っていて、だいぶキテいます。
 しかし、こんな人であっても4977票を獲得しており、世の中にはヤバそうな奴に投票する人が、みんなが思っている以上にたくさんいるということがよくわかります。そりゃ「ガーツー」と書く奴が28万人ぐらいいるという話です。


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