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わたしのブディズム 5.0


#創作大賞2023 #エッセイ部門 #ブディズム5.0
#帰依システム #ニルバーナ#ダルマの世界#三眼透視#浄土メタバース


はじめに

わたしは科学、工学、数学でガチガチの人間で、コンピュータは何十年来の友達です。

万策が尽きたとき、自責に迷うとき、拠りどころを探します。この世を終えても帰る所が欲しいと思います。

冥府とか地獄には堕ちたくありません。

この世を生き抜く「正しい生き方」は何か、「生きる意義」は何かとも自問します。

ブディズム5.0は、既存仏教から若者を遠ざけている論理の飛躍を科学的、合理的な解釈で克服することを試みたものです。

ネットブディズムとして、ネチズンの心の煩悶を癒すことを専らとし、信者、信徒の信仰を妨げないように配慮しました。

なお、末尾に【キーワード解説】を添えましたので適宜ご参照ください。


ブディズム5.0


ブディズムの変遷

ブディズムにはブッダ以来2500年の歴史があります。ブッダのダルマ発見から小乗ブディズム、大乗ブディズム、中国ブディズム、日本ブディズムと4回大きな変革を遂げています。これを現代風にバージョン表現してみました。

・ブディズム1.0

ブッダの初転法輪から、僧伽の創設、弟子の育成、仏法の興隆がありました。また、ブッダ入滅後、弟子達がブッダの説話を集約し、研究したアビダルマの時代です。さらに、小乗と呼ばれる声聞、縁覚、菩薩の三乗の時代でもあります。

・ブディズム2.0

三乗の時代を脱して、出家者だけでなく全ての救いを目指した大乗ブディズムの時代です。龍樹が中論において従来の二見、二辺を否定し、その「あいだ」にこそ真実があると主張しました。これを因に生まれた「空」の思想から「利他」の価値観が生まれて、般若心経、仏説阿弥陀経、仏説無量寿経などが編纂されました。

・ブディズム3.0


中国では、玄奘三蔵が持ち帰った大乗経典が起爆剤となり、唐及び宋の時代に大乗ブディズムが大発展しました。天台宗、浄土宗、禅宗、密教と次々に大成され、中國ブディズムが成立しました。人々の関心はダルマから心へと移り、ブディズムは新しい段階に入りました。

・ブディズム4.0

中国ブディズムは日本に渡り、浄土宗、浄土真宗、日蓮宗とブディズムの民主化が進み、全てを救うと言うブディズムの理想が実現されました。これを日本ブディズムの時代としました。


ブディズム5.0の必要条件

ネット住民《ネチズン》に向けた「頼よるブディズム」として、ブディズムの智慧海をベースにした、ブディズム5.0を提案します。

帰依と信仰は別物です。

帰依は何処までも説明できる合理ですが、信仰には説明できない非合理があります。

今日、帰依を求めて信仰に入り、妥協を許さぬ絶対服従にはまる悲劇が多く見られます、このような悲劇を無くするために、ブディズム5.0を提案しました。


ブディズム5.0の基本条件は次の通りです。

1)帰依に徹すること
2)常に見えて頼れること
3)死して帰る所があること
4)ネット空間で完結すること
5)財施と寄付の強制がないこと

ブディズムの三眼透視

(1)科学の目で透視する

ブッダが最初の説法で発表した、因縁生起《いんねんしょうき》、諸行無常《しょぎょうむじょう》、諸法無我《しょほうむが》の3つの命題は自然界の原理と言って差し支えないでしょう。

因縁生起は因果律《いんがりつ》です。因果律は4次元時空《じくう》の基本法則でありますが、ブッダは自然界に止まらず因縁生起を発展させて、人間界の十二支縁起《じゅうにしえんぎ》を確立しています。

諸行無常は、全ての存在はことごとく時間と共に変化するという時空の原理です。自然科学が万能の今日でも揺るぎはないブッダによる観察科学の成果です。

諸法無我は、全ての存在と現象はどんなに細分化して見ても実体が無いことを示した4次元時空の原理です。今日、先端科学である量子力学が証明しています。

さらに、涅槃経が説く色即是空、空即是色はエネルギーと物質の等価性を示す相対性理論と同列の理論です。当時、エネルギーや時間の概念はまだ有りませんが的を射ています。アインシュタインに先立つこと2000年です。

(2)数学の目で透視する

龍樹《りゅうじゅう》は有無、善悪などの両極端に基づく論理である二見と二辺の矛盾を論証し、真実はその中間にあることを証明しました。

ブッダの諸法無我と中間論を発展させて「空」の概念が確立されています。色即是空と言う論理はユークリッド空間を想起させますし、ユークリッド空間は数列と結び付いたデカルト座標まで想像します。

現世で覚醒した人は、目覚めた人《ブッダ》と呼ばれ、リスペクトされて来世では仏となって、マンダラ《曼荼羅》のメンバーになります。数学的に表現すれば、リアル空間の目覚めた人の集合はヴァーチャル空間の仏の集合と位相同型の関係と言うことです。

大乗では、六波羅蜜《ろくはらみつ》と言う修行の手順によりニルバーナに到達しますが、心境の進展プロセスに相当する菩薩行52階が開発されています。これは菩薩の心境には52の位相があることを意味します。

また、煩悩を構造化して108個にまとめています。煩悩の弱い方から強い方に並べて他の煩悩との相関を調べることもできます。つまり、煩悩は108次元多様体と言えます。

(3)実践の目で透視する

ブディズムは思想では無く、始めから終わりまで実践です。自分の身体を実験台とした試行錯誤の実践研究です。

ブディズム5.0は、ブディズムの伝統様式をデジタル様式に替えて実践します。

デジタル様式では、仏壇はテレビモニターを使い、聴聞や法事はテレビで完結します。

また、仏壇アプリでマイ仏壇が利用できるようになります。

朝夕の勤行は、4Kテレビのマイ仏壇を前に勤められるでしょう。

(4)三眼透視の成果

三眼透視の結果として、ブディズム5.0にインポートすべき事項をまとめました。

第1に、阿弥陀仏です。
阿弥陀仏はブディズムの、さらには人類の金字塔ですからインポートすべき事項の筆頭に挙げました。

ブッダのダルマを拠り所としながら、人々のために、人々の願いにより、人々の阿弥陀仏として成就されたものです。

第2に、浄土です。
浄土は阿弥陀仏のホームランドです。

人々がいつまでも、何の心配もなく、楽しく修行を続けられる国なのです。

阿弥陀仏の助力により、人々は往生します。


第3に、悟りを開くための実践事項である忍辱《にんにく》と精進《しょうじん》です。

何事でも、目的を定めて実行するときには必ず何らかの障害があります。
試練に耐える心が忍辱であり、精進は実行のエネルギーです。

第4に、仏と往生している家族を前にして行う止観です。

止観は心を一つにして、対象を脳裏に描き出す能力です。
誰でも練習すれば出来るようになります。

浄土や仏などバーチャル空間にあるものを観ることができます。

第5に、経典の読誦です。

ブディズムの経典は読誦用に編纂されて居ます。姿勢を正して、大きな声で読誦して初めて経典を理解することができるでしょう。

内容の理解に加えて、発声時に生じる気道の気柱振動が脳と腸を刺激しますから、有力な老化対策になります。

第6に、朝夕の勤行です。
仏前で礼拝すると、偉い人の前にでて話す時の緊張感が得られます。

生活が規則正しくなり、生活の乱れを防げます。

これらはブディズム実践の大きな効果です。人生100年時代では、とても大きな支えになるのではないでしょうか。

第7に、ニルバーナです。
雑念を払い集中すると、心が澄んできてニルバーナになります。ニルバーナを目指せば、心が鍛えられ、外国人と対峙しても怯むことは少なくな流でしょう。

ニルバーナの到達レベルは修行のレベルや個人差により当然異なります。

生命循環モデル


ブディズムの最重要の課題は死生観としての生命の循環にあります。

親鸞も生涯に亘り「生死出づる道」を探究されたのです。生命が死して元素に還元されるだけなら、大乗ブディズムは存在していないでしょう。

経験則である六道輪廻も生命の循環論ですし、遺伝子も個体を乗り換えながらの生命循環です。

ブディズム5.0での生命循環は如何にして成立するでしょうか。

ブディズム5.0生命循環モデルを図1に示します。なお、ビーリャは後述のロールモデルのひとつです。

図1 生命循環モデル

現世及び来世を、ともにダルマの空間と仮定して、構築されています。生命の状態は6つの位相から成り立っています。

位相1 受精卵期
位相2 成人期
位相3 臨終期
位相4 浄土往生期
位相5 現世還相期
位相6 輪廻(繁殖)期

生命は受精卵として始まり、細胞分裂して細胞、組織、器官を形成して成人となります。この時期に細胞数37兆個ほどに成長します。

臨終を迎えると全ての細胞は消失し、37兆個ある細胞の各集合の境界と人体としての全体集合の境界が形象として残ります。

この状態で、往相回向により浄土に往生します。浄土では、修行を継続します。修行が完了すれば成仏します。

成仏すると還相回向により現世に帰還して、陰ながら人々に菩提心を抱かせ、悟りを目指して精進するよう導きます。

位相6では臨終を迎えた時に、繁殖した場合は遺伝子が子孫に伝えらます。

また因果応報の法則により、現世の行いの良し悪しが来世に生まれる境涯に影響します。


帰依システム:阿弥陀仏と浄土


現代社会には、人間の心を救うシステムが何もないように感じます。
デモクラシーや分析科学は、どんなに発達しても心は救えないのでしょうか。

昨年の元首相暗殺と言う大事件も、子育て時代に苦境に落ちた母親を救えるシステムが何も無いことが遠因でしょう。自分達にも責任があると心情を吐露される僧侶もおられます。

デモクラシーには信教の自由が有ります。しかし、実際には邪教は多くても安全で信頼できる心の拠りどころは少ないのです。

問題は、このような母親ばかりでは無く、社会が必然的に生み出す孤独、孤立、いじめの被害者も頼るところが無く、国レベルの課題になっていることです。

ブディズム5.0では、阿弥陀仏と浄土を基盤とする大乗システムを現代化して、この課題の解決を目指します。現代化のポイントは「帰依+信仰」→「帰依」で、信仰には依存せず帰依に徹することです。

(1)帰依の論理

帰依は、ダルマを拠り所とする人がより優れたダルマを拠り所とする人に、感服して頼ることです。

従って、帰依は同列の人間関係であり、上下関係ではありません。

阿弥陀仏はダルマそのものですから、人々が帰依し、拠り所とする存在です。上下を問う関係ではないのです。


ブディズム5.0では、阿弥陀仏に帰依して、この世を生き抜くことを目指します。

帰依する方法は、心から阿弥陀仏を頼りにすることのみです。


(2)阿弥陀仏の成立

阿弥陀仏は如何にして成立したかを考えてみると、いかにも理論的であり、計画的なことに気づきます。従来の神、仏の成立プロセスとは全く異なります。ブッダのダルマを前提として阿弥陀仏を構想したためではないでしょうか。


仏説無量寿経には阿弥陀仏成立の因である四十八願の内容が詳しく述べられています。
これを基に阿弥陀仏の成立プロセスを逆解析してみました。

1)少なくとも48人の声聞、円覚、菩薩が関与していること
2)法蔵菩薩は取りまとめ役であること
3)阿弥陀仏を諸仏の最高位に位置付けていること
4)阿弥陀仏の形態、ハタラキ、容姿を定義していること

この分析結果を踏まえて阿弥陀仏が成立したプロセスを考えます。
仏説無量寿経には、衆生を救うために法蔵菩薩が仏界に出られ、諸仏の浄土と人々の善し悪しを事前に研究されたとあります。併せて、人々の願いを調べて48項目にまとめられました。これが有名な四十八願です。

法蔵菩薩は、とても長い時間を掛けて実現可能か否かを吟味されています。
実現の確信を得てから、十方の諸仏の満場一致の賛同を得て成仏され、阿弥陀仏となられたのです。

ここで注目すべきは、阿弥陀仏の成立の経緯と極楽浄土の様子が具体的に、かつ詳しく説明されていることです。

現代の我々からみても十分にリアリティがあります。
阿弥陀仏はこの宇宙に存在するダルマの集合体として成立したと推測されます。

阿弥陀仏はとても大きく、慈悲と智慧の光明を放ちます。
浄土はもちろんのこと、4次元時空の隅々まで遍く照らします。
また、この時空のどこからでも見ること、拝むことができます。

阿弥陀仏はああしろこうしろと言う言葉は一言も発せられません。
いつ見ても穏やかなお顔で、優しく受け止められます。

さらに、阿弥陀仏は成仏される前に五劫の永きにわたり、いかにして衆生を救うかを思惟され、とても多くの功徳を積まれました。その功徳を衆生に回向されるのです。


(3)浄土の成立

浄土は菩薩たちの脳裏にあるニルバーナの情景を因とし、四十八願会議を縁として生まれたと考えて良いかも知れません。

ブディズムでは来世の国土として浄土を創造しています。
浄土自体は菩薩たちの脳裏に現前するモデルが有り、これらを統合すれば実現します。
問題は、どこに建設するのかと言うことです。

これまでは、この世の西方にあるとだけ示されていて、それ以上は説明できないのです。

しかし、ここは質量系と呼ばれる質量・時間・ダルマの空間ですから、諸行無常で絶えず移り変わる空間で、常在を重視する浄土の適地では有りません。

では、4次元時空の原点から広がる3次元空間はどうでしょうか。

ミンコフスキーは実在ではなく影のようなものだと言っていますが、ここはダルマ《法》だけの空間です。しかも常在不変ですから浄土の建設に適しています。

浄土の情景はどの様でしょうか。
浄土の構成は後述の浄土メタバースの項で説明していますからそちらをご覧ください。

ここではその特徴やハタラキを述べます。

1)浄土全体は、現世で積み上げた功徳のみで荘厳する、現世では叙勲に与れない人も
  浄土で荘厳として永久に刻印され、人々の称賛を受けます
2)菩薩は往生即成仏しますが、衆生は悟り修行を継続し成仏を目指します
3)輪廻とは異なる新たな転生の道が開かれます
4)往生の様式にはご来迎から蓮の茎まで序列があります

(4)仏説阿弥陀経

仏説阿弥陀経は浄土の公表と阿弥陀仏の成立宣言書であると言えます。
東西南北上下の六方の諸仏が全て、浄土の内容と阿弥陀仏の成立を満場一致で褒め称えて支持しています。

仏説無量寿経が阿弥陀仏と浄土の審議プロセスを述べたものとすれば、仏説阿弥陀経は正式に世間に公表した文書と位置付けられます。

心の故郷《ふるさと》

ブディズム5.0には、心の故郷は三つあります。

第一に、現世の故郷
第二に、来世の故郷
第三に、還相の故郷

何処にいても、懐かしい故郷は存在します。想い描くだけで心が癒されます。

(1)三心《至信・信楽・願心》

阿弥陀仏を心から頼りとし、浄土に往生したいと願う人は誰でも浄土に生まれ変わることができます。これを三心と言います。三心を信心と結びつけると難しくなります。
ネットブディズムでは信心には立ち入りませんから、文字通りに受け止めます。

もともと、ブッダの八正道は理論的に正しい生き方を示したもので、幸せな人生を送ることが目的です。正しい生き方とは明るく幸せな人生です。信心は慮外のことです。

(2)往相回向

本来、自力で浄土に生まれ変わるにはニルバーナの等正覚を得る必要があります。
しかし、一般の人には難しいことなので、阿弥陀仏の功徳を振り向けて頂いて、そのお陰で浄土往生を遂げるのです。これを往相回向と言います。

阿弥陀仏を頼り、礼拝し、名を称えるだけで往相回向に与れるのです。

(3)還相回向

浄土往生を遂げた人は成仏を目指して修行を続けます。
めでたく仏となれば、現世に帰り人々を仏道に導くこともできます。
これは強制ではありません。

心の拠り所《よりどころ》


ブッダは「自らを拠り所とし、ダルマ《法》を拠り所とせよ」と遺言しました。心の拠り所は次の三つです。

第一に、自分《意識》
第二に、ダルマ《法》
第三に、阿弥陀仏《法身》

(1)自分とは

自分は意識の形象です。
自分自身で自分を定義することは出来ませんが、それでも自分は存在します。
自分の行動に対する他人の反応を見て初めて自分を理解します。
同時に、多くの人々の反応から意識の中に良心が生まれます。

「自らをより所とせよ」とは、このような「意識のダルマ」を心得て生きよと言う意味でしょう。古い諺に、「他人の振り見て我が振り直せ」とあります。

ブディズムは出家者の集団であるサンガで発展しました。ブッダは出家者に戒律を課して人間の心をシェイプアップしていますから、ブッダは意識はダルマに従うと、確信していたでしょう。

(2)ダルマ

ここのダルマは自然界で働いている法則と原理を意味します。
観察科学により、このダルマを探求して拠り所とすれば幸せに生きていけるよと諭したのでしょう。

全ての煩悩はこのダルマを知らない無明《むみょう;無知》から生まれます。
現代では科学の進歩に敏感で、ダルマは知識として遍く知られていますが、知識だけでは無明は癒えません。

(3)阿弥陀仏

阿弥陀仏は全てのダルマの総体に名称を与えたものです。
形象は巨大な宝塔であったり、巨大な仏像であったりします。礼拝に便利な絵像や仏像もあります。

ブッダは偶像を作るなと言い残されたにも拘らず、礼拝の効果を高めて多くの人々を救うために阿弥陀仏を生み出したのです。

阿弥陀仏はダルマの集合ですがダルマの領域ごとに専門仏を当て、専門仏の集合として曼荼羅《まんだら》を創り出しています。専門仏の出自は現世て活躍した「ダルマに目覚めた人たち」です。

従って、ここで言うブッダは現代の各分野で活躍している各領域ごとの専門家、研究者、医師、僧侶、教師に相当します。

(4)意識空間

人間の意識は特殊相対性理論の4次元時空に広がっています。その様子を図2に示します。
ミンコフスキー時空を利用して意識空間の説明を試みました。

これまで余り知られていませんが、4次元時空には変わることのない3次元時空が存在するのです。人間の意識の中には常在不変な空間があるのです。


図2 意識空間の構造



ブディズム5.0では、人間の意識に「位相」を導入して構造化し、現代人にも理解し易くしてみました。

意識は神経細胞が作り出す情報要素の集合です。情報要素は有向グラフで可視化できます。このグラフはバス形、星形、リング形とその組み合わせです

時間的に変る位相は五感で認識できる事象で、変わらない位相はダルマだけの位相になります。

ロールモデル

法蔵菩薩大乗の帰依システムの設立には主役がいます、ロールモデルの法蔵菩薩です。

(1)法蔵菩薩

仏説無量寿経では、法蔵菩薩が阿弥陀如来誕生において大活躍をします。
法蔵菩薩は阿弥陀仏と浄土の具体策について、師の世自在王仏に問いかけて丗自在王仏から具体策が示されています。

法蔵菩薩は諸仏の賛同が得られ易くなるように配慮し、注意深く独断を避けています。
四十八願は言わばマニフェストであり成仏したのちに実行する内容ですが、どのような仏になるのかを丗自在王仏を讃える形で説明しています。

また、自身が成仏してどの様な仏になるのかを説明して、目指す阿弥陀仏の威容を詳しく述べています。

さらに、讃仏偈の最後では、ご自身の長年に亘る修行と精進が苦毒のうちに終えたとしても、これを忍んで悔むことはありませんと述べ覚悟の程を世自在王仏に吐露しているのです。

これこそ讃仏偈の圧巻です。師の前に額ずき切々と訴える法蔵菩薩の姿を眼前に思い描くことができます。

我々も革新や創造を願うなら、法蔵菩薩のこの覚悟が必要なのでは無いかと思います。
この覚悟無しに創造・独創はあり得ないですから。

この法蔵菩薩の振る舞いを知れば、ブディズムを頼りにする我々のロールモデルとしても働いていることが分かります。

(1)マイロールモデル

現代では、人に教えることはとても難しいことです。
どこに危険が潜んでいるか分からず、傷つき易いので、みんなたこ壷に入ってガードを固めます。他人の言葉に耳を傾けることは少ないのです。従って、人生は自分1人で切り拓かねばなりません。

良く考えてみると、いいなと思える他人を見習うことは危険が無く容易です。先輩なり先生なり身近に見習える人が存在すれば幸せです。

しかし、実際には見習える人に出会えないことが多いでしょう。
その場合には、法蔵菩薩のようバーチャルなロールモデルを自分の好みに従って創造しては如何でしょうか。人生のガードレールとなり、目標になるでしょう。

図3 ロールモデル

このように、自分のロールモデルを創造することをお勧めします。
自分の目指す所をロールモデルとして形にすることに意味があります。わたしはビーリャ《精進》と名付けたロールモデルを創作していますが、座右に置いていつも眺め、ビーリャの生きざまを見習い、心を研いでいます。

浄土メタバース


ブディズム5.0を実現するために浄土メタバァースを建設する計画です。
その概要を紹介します。

1)京都に世界軸の原点を置き、彼岸正午の西方3万kmの位置に浄土を建設します。

2)浄土の広さは、幅2万km長さ4万kmで地球表面程度てす。

3)浄土の配置は、中央部にシティがあり、シティの南側が化身土、北側に真仏土を配置 
  します。これらの外周には、七重の防塁を巡らせます。

4)シティの中心部に台上伽藍を設け、阿弥陀堂、釈迦堂、法蔵堂を設けます。
  台上伽藍の四方に階道を設けて、シティにつながります。

5)それぞれの階道の登り口には白蓮華池を配置します。

6)シティには、礼拝受付センター、人生相談センター、バージョン1.0〜4.0のブディズム博物館、ブディズム美術館などを配置します。

7)浄土の東側には、門前都市を配置して次のような施設を建設できるようにします
  ・各教団寺院、一般寺院、ブディズム修行施設、
  ・ブディズム研究所、礼拝・観光施設
  ・そのた施設

8)浄土と京都を繋ぐ「銀河リニア」を建設して、浄土拝礼と地球観光の用に供します。
  始発駅は京都の宇治に設け、終着駅は浄土の入り口に設けます。

浄土メタバースの建設は3次元CGで計画していますので、巨費が掛かります。浄財を集めながら一つづつ建設します。サグラダファミリヤのように時間が掛かるでしょうが、必要だから建設するので時間は厭いません。


おわりに

ブディズムの真髄は三宝《さんぼう;仏法僧》を拠り所とする三帰依文《さんきえもん》にあります。しかし、現在では僧は後退していますから、今風に改めて見ました。

ブディズム5.0では、新たに四帰依文を提案します。

第1に、ダルマを拠り所とする限り、阿弥陀仏に見守られる
第2に、ダルマを拠り所とする限り、阿弥陀仏に頼れる
第3に、ダルマを拠り所とする限り、阿弥陀仏に智慧を授かる
第4に、ダルマを拠り所にする限り、阿弥陀仏の慈悲に与る

最後までお読み頂きありがとうございました

【キーワード解説】


1)三眼透視

ブディズムはブッダ以来2500年に及ぶ人間の知的活動の集合体で智慧海《智慧集合》と呼ばれます。これを理解することは容易ではありません。
ネットブディズムにインポートすべきブディズムの智慧は何かを調べるために、科学の目、数学の目、ブディズム実践による観察の目の3つの目で、透視してみました。言わば三眼透視です。

2)帰依システム

阿弥陀仏と浄土を生み出した大乗ブディズムは、人々の願いを因として合理的に生まれた帰依システムです。阿弥陀仏はダルマの集合に仏の形相を与えたものでしょう。拝すれば智慧を得る拠り所となり、何時でも頼れる大きな親のようです。
人のために尽くす功徳を大切にします。

3)ダルマ《法》

ブッダは卓越した人生経験を踏まえて、苦行し瞑想してニルバーナに到達しました。そこでこの世のもののハタラキを観察し、ハタラキの法則と原理を発見したと考えられます。これがダルマです。
ダルマは自然界のみならず、人間界にも存在しており、おきてや法律としてハタラキます。この世はダルマの集合であり空間であると言っても良いでしょう。なお、ブッダは「ダルマに目覚めた人」です。

4)観察科学

科学には、解析学をベースにした分析科学と集合論をベースにした観察科学の2つがあります。現代は分析科学が全盛ですが、ブディズムは観察科学です。生命のように分割できない存在の名称、形態、行動を観察して洞察し、真理に迫ります。
また、観察科学では現在時点での実践と観察が大切です。精進→悟り→ニルバーナの実践プロセスから、自然の摂理、法則を見つけます。
過去、未来は観察できません。

以上


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