見出し画像

流行性胃腸炎と医療及び傷病休暇事情@バルセロナ

ここバルセロナでも日本同様ウィルス性の胃腸炎が流行っている12月、本日は医療及び傷病休暇事情について書いてみようと思います。

甲状腺疾患、出産前後のケア、その後何度も乳腺炎を煩ったこともあり私はここバルセロナの公的医療機関にもう相当お世話になっております。

今回はこの冬流行の胃腸炎に息子(12か月)と同時感染してしまいました。貰って来たのは夫。夫が全回復しないうちに息子と私にも症状が出始め、加えて私は乳腺炎も同時発症、熱が39度を上回りまともに歩くこともできない感じになってしまい、夫の実家に助けを求めたのですが、またこれが後日更なる悲劇を招くことに、、。

ひとまず義家族と息子と私で近所の診療所へ。

緊急外来で診てもらおうとしたところ、私が数カ月前から働き始めていたので以前の夫の扶養家族保険証が使えないというトラブルが発生。どうやら被保険者番号が新しいものに変わっているそうで。結局書類手続きは後日指定の場所で行ってくださいということでその日は診てもらうことができました。こういうのが後手に回るのがスペイン。日本だったら会社と保険事務所の間でこういう事務処理片付けてくれるのになあ。

私は急患専門の医師に、息子は小児科医にそれぞれ診療してもらい、胃腸炎様に飲む点滴と解熱剤、乳腺炎用に抗生物質と消炎症剤を処方してもらいました。被保険者であれば公的医療機関での診療費は無料、薬代は日本に比べ破格に安いスペインですが、薬がとにかくでかい。それぞれ大きさは日本のものの4倍くらいあります。そういえば日本でバファリン効かないレベルのすごい腹痛に襲われた時、スペインの薬飲んだら一発で痛みが消えましたがやはり量も違うのだろうか、、、夫はそんな訳ないよと笑うけど、日本に帰ったら日本の薬が自分には効かなくなるんではと心配です。

さて、仕事をしている場合の傷病休暇、日本ではこの程度の病気だと有給から引かれてしまいますが、スペインではBaja(傷病休暇取得命令)とAlta(復帰命令)は医師が出し、有給からは引かれません。会社に医師の証明書を持って行くとその効力は法的に保証されています。私は今回医師の判断で1週間のBajaをいただきました。(通常胃腸炎だと三日らしいのですが乳腺炎併発だった為。)ちなみに一年の有給休暇は、私の勤務している会社の場合全22日ですがこれは夏や年末年始を全て含めた休暇日数。夏休みや冬休みとは別に有給を取ることができる日本の大企業に比べると少ないですが、有給どころか代休消化すらままならない日本の中小企業に比べるとマシかも知れません。ヨーロッパで夏休み冬休み一ヶ月とれるなんて噂はどこの国の話なのか。

さて家族の結束が半端なく強いここスペイン、孫が病気とあらば近所に住む義理両親、果ては田舎からバルセロナに来ていた義祖母(息子の曾祖母85歳)までが病院に着いて来てくれました。伝染するから子供にあまり近づかないでね、と言っているのに「可哀想に、私のチビちゃん!」とか言いながら顔にキスとかしまくってるので絶対やばいぞと思っていたのですが、案の定、翌日義父と祖母にも感染。義母(もはやヒーロー)を残し、一家全滅となりました。

おかげさまで私も完治とまではいかないもののほぼ回復してきたのであと数日の辛抱です。

そんなこんな、医療制度に関しては日本、スペインそれぞれいいところ悪いところありますが、個人的にはスペインの方がいいかなと感じております。ってかんだか病院ネタばかりなので以前もこんなこと書いた気がしないでもないですが。さすが数年前まで保険証のない移民や旅行者にも無料医療を提供してきた博愛の国。

ちなみにスペインの医療や研究のレベルは悪くないそうです。日本で許可が降りにくい新薬なども積極的に取り入れるそうですし。そういえばかかりつけの医師曰く日本で花粉症の薬としてよく使われているエバステルはスペインで研究開発された薬だそうです。私達の知らないところで意外なスペイン産プロダクツが日本にもあるかもですね〜。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?