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ソーラーシェアリング【エコファームのビジョン #4】



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 エコファームには2020年1月、農作物の生産と発電を両立する「ソーラーシェアリング」用のソーラーパネルが設置されました。エコファームのビジョンに掲げられる地域資源を生かす食の地産地消に続く、電気の地産地消の新しい形を示すモデルです。

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 ソーラーシェアリングは、農作物の多くが太陽光の60%程度の日当たりでも十分に育つという植物生理の知見を生かした事業です。東日本大震災と福島の原発事故後、自然エネルギーの一つである太陽光発電を増やすために農地を生かす手法として、導入する動きが広がりました。降り注ぐ太陽の光の約3割を発電に、約7割は農地に届くよう、畑の上空にソーラーパネルが設置された新しい風景が全国各地に出現しています。

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 1300平方メートルの畑にソーラーパネルが間隔をあけて並べられ、太陽の移動とともに、日が当たる場所も移っていきます。発電能力は年間約9万5千キロワット時。一般家庭約30軒分の消費電力に相当するそうです。畑で生まれた電気は、コープこうべが家庭向けに供給する電力「コープでんき」の電源になっています。

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 最初に栽培されたジャガイモは目標の収穫量を上回りました。いまはタマネギを栽培しています。
 ソーラーシェアリングを実践してみて分かった課題の一つは、強い雨が降った際に傾斜のあるパネルから畑に落ちる水で穴ができること。「土の上にマルチをかけて育てる野菜には問題ないですが、マルチを使わないタマネギなどは植え付ける場所を変えるとか工夫が必要ですね」と生産者。
 パネルに雨樋をつけて雨水をため、作業の大変な真夏などはパネルの電気で自動散水できれるようになれば、より地球温暖化に対応した農業技術になるのではないかと思いました。

(『エコファームのビジョン』終わり)

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