薄れていく伝統

画像1 この1年でアメリカの物価はまた上がった。それでもインディアン達は今だトレーディングポストへ出向き、自分が作った作品と現金を交換しにここへやって来る。 ここのトレーディングポストは老舗だが、物凄い数のターコイズはまるで博物館のようだった。値段も店員にいちいち聞かなくちゃ分からない。ダーッと並べられいつ来るか分からない買い手を待つのも飽きたように見える。プロ以外なかなかこの街には立ち寄らないだろう。
画像2 面白いのがこんなに立派な店のすぐ横に偽物を置く店がいくつも隣接していること。偽物を置く店内にはイスラム音楽が鳴り響く。敢えて‘‘これ本物?誰が作ったの?’’と聞くと‘‘もちろん本物よ!ナバホだよ’’と平気で言う。よく周りのナバホ族の職人に怒られないもんだな、と。どーなってるんだろう。※写真は本物。
画像3 サンタフェでも偽物ばかりがメインに並ぶ。どう見ても違う。いつもは観光スポットに出向かないけれどたまたま寄ったらこんな具合だった。きっと中国などから大量に仕入れ、浮かれた観光客に売っていると思われる。ラグも同様に思いっきりmade in indiaと書かれたラグばかりだった。これはマズイな、、と。こうして彼等の伝統は崩れていく。既にバランスが取れなくなっているようにも見える。
画像4 インディアンの土地。そうは言ってもきちんと店を構えているのは結局のところ白人で、露店を出すのはインディアンだ。彼等は生活の為に偽物を売る。仕方ないことなのかもしれない。 私は彼等が大好きだから自分勝手に伝統は正しく守り抜いて欲しいと思うけれど、伝統は薄れて行くばかりで‘‘インディアン’’というある種ブランド化してしまうと もう止まらないのかもしれない。伝統文化が薄れていくのはどの国でも同じなんだね。