白の時代 第1話

あたしには白の時代と呼んでいる時代があります。


それは高校2、3年の頃。16、17歳。いまが33歳だから17、16年前。そう思うとあれから半分以上生きられたらならいいじゃないと思ってしまう。

そんな白い世界のことをぽつりぽつりと。第1話なんて大層なことを言っているけれど、きっとあたしはこれを小説仕立てなんかにはできないし、そこまですべてを覚えているわけはない。それでも、あたしにはあたしの物語があるから書こうと思います。

あたしは私立の中高一貫の女子校に通っていました。いわゆるお嬢様学校です。あたしは自分自身をお嬢様とは思わないけれど、恵まれている環境にいるのはわかっていました。そうじゃないと、そんな学校には行けない。でもどちらかという花男の牧野つくしのようで、少しアウェイなかんじはありました。周りには根っからのお嬢様が多かったし、港区とか田園調布におうちがあって、学校行事の旅行ではルイヴィトンのボストンバッグを持ってくる子もちらほら。お家に何台、車があるかわからないっていう猛者もいました。

六本木にあるその学校はまるでホテルのような建築物で、高級感溢れた花園でした。キリスト教ならではの礼拝堂にはパイプオルガン。学費は都内の私立学校のトップ3に入っていたようです。当時ね。今はわからない。あたしは中学受験をしてその学校に入り、思春期の6年間をそこで過ごしました。今のあたしのベースはここで形成されました。でもその前にも話さなければいけないこともある。ということで、白の時代に入るまでの幼少期の話もちらほらと。名前は何に致しましょう。

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