2018-2019 キエーヴォ通信簿 選手編

キエーヴォの2018-2019シーズンの通信簿です。
今回は選手編で、背番号順に振り返りたいと思います。
監督・フロント編と2回に分けてお届けする予定です。
それでは早速、背番号1のŠemperからお届けします。
ちなみに非常に非常に長いです……。

1 アドリアン・シェンペル Adrian Šemper
GK
21歳
クロアチアU-21代表
1年目(ディナモ・ザグレブからローン)
セリエA 6試合8失点 コパ・イタリア 1試合2失点
6.0 来季に期待

クロアチアの年代別代表の常連で、今季21歳でセリエAデビューを飾った。
序盤こそベンチだったか、第33節から最終節まで6試合連続で出場し
最終盤2試合でクリーンシートを達成したのは非常に自信になったはず。
194cmと大柄ながら俊敏性を兼ね備え、大きな体を活かしたセービングが持ち味。
チームの大黒柱、Stefano Sorrentinoの契約更新しなかったのは
Adrian Šemperの買い取りオプションを行使するためだと信じたい。
Šemperの潜在能力は来季Bで厳しい戦いが待っているキエーヴォに不可欠だ。

2 エセキエル・スケロット Ezequiel Schelotto
DF(ライトバック)
30歳
元イタリア代表
1年目(ブライトンからローン)
セリエA 4試合
採点不能 退団濃厚

かつてはチェゼーナで長友佑都とチームメイトで
古巣キエーヴォの窮地を救うために強い決意を持ち帰ってきた。

しかし、4試合出場しただけで、膝を手術してしまい
ローンで復帰した意味がはっきり言ってなかった。
今シーズン、ブライトンで1試合も出番なかった選手で、
しっかりメディカルチェックして獲得したのか?
買い取りオプションはついていない上、来季のコンディションが保障できないため
今季限りでローンバックが濃厚だろう。

3 ストラヒンヤ・タナシイェヴィッチ Strahinja Tanasijević
DF(センターバック)
22歳
セルビア
2年目(ラド(セルビア)から買い取りオプション行使)
セリエA 1試合 コパ・イタリア 1試合
4 来季は?

昨シーズンの冬のメルカートで、セルビアのラドから
買い取りオプション付きのローン移籍で加入も、出場機会はなかった。
買い取りオプションを行使し、今年からキエーヴォに完全移籍を果たしたセンターバック。

しかしリーグ戦で1度も先発出場はなく、唯一出場した11節のサッスオーロ戦は
途中出場ながら、2枚目のイエローカードで退場と
非常に残念なセリエAデビューを飾ってしまった。
彼は5年間でセルビア1部で9試合、2部で8試合の実績のみで
一応U-19セルビア代表の合宿に参加したことはあるが、出場記録はなく、
大した実績とは言えない。案の定、多くの出場機会を得ることはなかった。
現段階ではセンターバック陣の去就が流動的なため
何とも言えないが、下部リーグでレンタル修行がベターな気がする。

4 ニコラ・リゴーニ Nicola Rigoni
MF(ボランチ)
29歳
元U-22イタリア代表
4年目
セリエA 24試合 コパ・イタリア 2試合1得点
5.5 来季も残ってほしいが…。

Lucas Castroが、Maranを追ってカリアリに移籍し
キエーヴォの中盤の顔として活躍が求められた今シーズンも
相次ぐ監督交代や、自身のコンディション不良が響き
強烈なミドルシュートは影をひそめ、本領発揮とはいかなかった。
今年のボランチはキエーヴォの弱点で、軸となれなかったRigoniの責任は大きい。

ただし、Bではずば抜けたボランチであることは間違いなく
今年で契約満了を迎えるRigoniの去就は非常に気になるところ。
昇格組が手をあげそうだが、今季のパフォーマンスを考慮しても
移籍か、残留か、微妙なところではある。

5 フェデリコ・バルバ Federico Barba
DF(センターバック、レフトバック)
25歳
元U-21イタリア代表
1年目(ヒホンから完全移籍)
セリエA 30試合
6.0 来季も残ってほしいが…。

昨シーズン、スペイン2部のヒホンで結果を出し
イタリア帰還を果たした左利きの守備者。
今シーズン、リーグ最多失点を喫したキエーヴォだが、
Barbaがいなかったら、もっと酷いことになっていただろう。
左サイドの本職がPaweł Jaroszyńskiしかいない編成上
本職のセンターバックだけではなく、レフトバックとして出場することも多かった。

さすがに攻撃センスはセンターバック相応と言ったところだったが
高さと左足のフィード力を武器に、キエーヴォの守備陣を牽引した。
来季Bで戦うキエーヴォだが、勿論Barbaは必要不可欠な存在だ。
昨冬のメルカートではウディネーゼからオファーと言う噂もあり
今回のメルカートでも、キヴェンシ(Clivensi、キエーヴォ人)は
Barbaの移籍を怯えながら、過ごさなければならない。

6 ニコラ・フレイ Nicolas Frey
DF(ライトバック、レフトバック)
35歳
フランス
11年目(ヴェネツィアからローンバック)
セリエA 5試合
採点不可 退団濃厚

チームで2番目に古株であるNicolas Freyは不遇な扱いを受けている。
昨年は登録すらされず、冬にヴェネツィアにローン移籍し、Bで12試合出場。
今季もやはりシーズン当初は登録されないものの、サイドバックの層の薄さを受け
22節から登録され、このような扱いを受けてもキエーヴォのために戦ってくれた。
ただし、ベテランであり、多くの運動量は見込めず
出場した試合で結果は出なかったのが正直なところ。
今季で契約満了を迎え、メルカートがうまくいかない限り
このまま退団が濃厚で、一気に大ベテランの2人がいなくなることになる。

7 ルーカス・ピアゾン Lucas Piazon
MF FW(アタッカー)
25歳
元U-23ブラジル代表1年目(チェルシーからローン)
セリエA 4試合
採点不可 流動的

U-17ブラジル代表として、大活躍を果たし
2011年に弱冠18歳でチェルシーに引き抜かれ、早くも約8年経過。
目立った活躍は2013-2014シーズン、オランダのフィテッセで11ゴールのみ。
そこからはフランクフルト、レディング、フラムと渡り歩き
今季は降格の危機に瀕したキエーヴォに、冬のメルカートの時期にやってきた。

多くの期待をかけられたが、終わってみれば1度も先発出場がなく
4試合ノーゴールと言う結果に終わり、キエーヴォも降格。
コンディション、守備面などに問題があったのは安易に想像ができるものの
何故Di Calroのリクエストにそぐわない選手を獲得するのか?
Piazonの潜在能力の高さは日本のキヴェンシは認めている。
買い取りオプションはついているし、来季の監督の構想に入るならば
迷わずオプションを行使し、セリエBの舞台でどこまでできるか見てみたい。

8 アッサン・ディウセ Assane Dioussé
MF(ボランチ・アンカー)
21歳
セネガル代表
1年目(サンテティエンヌからローン)
セリエA 14試合
5.5 来季も残ってほしいが…  

セネガル国籍ながら、元々はエンポリのプリマヴェーラ出身で
冬のメルカートの時期に、2年ぶりにセリエAの舞台に帰ってきた。
左足の展開力に大きな自信を持つ若者も、キエーヴォの窮地を救うことはできなかった。
ただし、4-3-1-2のアンカー、3-4-1-2のダブルボランチの一角
どちらも適正を見せ、能力の高さは疑いようがない。
買い取りオプションはついていない状況で、残留が難しいのが残念なところ。
アジリティと展開力どちらも兼ね備え、試合経験重ねるだけで面白い選手になる。
セリエAに個人残留してもおかしくない選手だ。

9 マリウス・ステピンスキ Mariusz Stepinski
FW(ストライカー)
24歳
ポーランド代表
2年目(ナントから完全移籍)
セリエA 35試合6ゴール1アシスト コパ・イタリア 2試合
6.0 残留は不可能

昨シーズン、ナントから買い取りオプション付きのローンで加入し
序盤こそ実力を発揮できなかったが、怪我のRoberto Ingleseの穴を埋める活躍を見せ
途中出場中心ながら6ゴールを挙げ、今シーズンは買い取りオプションを行使。

今季のStepinskiは数字だけ見れば5ゴールに終わった。
ただし、中盤を助けるポストプレー、セリエの屈強な戦士に立ち向かうフィジカル
ゴールへの執念はいかんなく発揮できたシーズンなのは間違いない。
何故6得点で終わったか?キエーヴォの中盤と最終ラインが不安定だったからだ。
ボランチが穴だった挙句、攻撃を創るValter Birsaが移籍してしまった。
形作れるチームであれば、間違いなく二桁ゴールをマークできるストライカーだ。
ブレシアなどの獲得報道があるが、中位~上位でも通用するはず。
StepinskiにセリエBは相応しくはない。

10 マヌエル・プッチャレッリ Manuel Pucciarelli
FW(セカンドトップ・アタッカー)
27歳
イタリア
2年目(エンポリからローン)  
セリエA 10試合
5 来季に期待

昨シーズンはMaran政権時に重用され、2ゴールあげるものの
D'Anna政権なってからは出場機会を失い、Di Calro政権でも印象は薄かった。
スピードとテクニックに溢れながら、90分走り切れるスタミナが特徴も
D'AnnaとDi Calroからは重用されることはなかった。
ただし、2年間のローンが満了も、来季に向けて買い取りオプションが行使され
フロントの期待は大きい選手で、筆者としてもPucciarelliの爆発に期待したい。

今年は指揮官のセレクトする選手と、フロントがセレクトする選手の志向に差があるようにしか思えない…。

11 メディ・レリス Mehdi Léris
MF(ボランチ・ウイングバック)
21歳
フランス
2年目
セリエA 23試合1アシスト コパ・イタリア 1試合1ゴール
5.5 来季に期待

キエーヴォのプリマヴェーラから昇格して2シーズン目を迎え
今シーズンは自己最多の23試合に出場し、充実のシーズンとなった。
低迷したキエーヴォにおいて、Lérisの成長は数少ない希望だった。

本職はウィンガーも、今季は4-3-1-2のボランチ、3-5-2のウイングバックなど
多くのポジションをこなし、若手とは思えないポリバレントさを発揮した。
来シーズンは残留して、定位置を確保してもらうだけでも
キエーヴォの光となるのは間違いない。
最終盤サンプ戦で魅せた幻のゴールは大器の片りんを魅せた。
Lérisの闘争心に目を見張るものがあり、来季も果敢に前線に飛び込んでほしい。

12 ボストヤン・チェサル Boštjan Cesar
DF(センターバック)
36歳 元スロベニア代表
9年目
セリエA 14試合1ゴール コパ・イタリア 1試合
5.0 来季に期待?

CesarはCapitano Pellissierに次いで古株の選手である。
今季はD'Annaの構想外になっていて、当初は登録されていなかった。
D'Anna解任後10節のカリアリ戦で登録後即初スタメンも、2失点敗戦を喫し
そこからしばらく先発の出番がなく、Cesarの引退説が流れた。

しかし28節からスタメンに返り咲き、29節を除き最終節まで
10試合連続で出場し、来季の構想に入っていることがわかった。
最終盤の2試合連続クリーンシートはCesarによるものが大きい。

レフティーのCBで、3バックの中央をこなすベテランの存在は
Bで戦う来季でも力になることに間違いない。
同じタイプのBarbaの去就が不透明な中、Cesarにかかる期待は大きい。
ただし、来季で37歳を迎えるファイターの後継者が欲しいのも本音だ。

13 ソフィアン・キイネ Sofian Kiyine
MF(ボランチ・ウイングバック・レフトハーフ)
21歳
U-21モロッコ代表(ベルギー・モロッコ・イタリア3重国籍)
2年目(サレルニターナからレンタルバック)
セリエA 23試合1アシスト コパ・イタリア 2試合
5.5 来季も残ってほしいが…。

今季、セリエBのサレルノから帰還したU-21モロッコ代表MF。
モロッコ人の父とイタリア人の母からベルギーで生まれた為
3重国籍と言う形で、EUパスポートを所持している。
キエーヴォのプリマヴェーラ出身でもある。

リスクを考えない思い切ったプレーが長所であり、短所でもあり
ウイングバックで起用された時は失点の要因となってしまうことがあった。 最終盤は1度もスタメン出場がなく、ジョーカーにとどまった。
それでもkiyneは非常に魅力的な選手であることに変わりはない。
アフリカンっぽくはないが、アフリカンらしい力強さと
イタリア人っぽいタッチのしなやかさで勝負するタイプの選手で
数的不利でもゴールを目指すことが出来る思い切りの良さは素晴らしいものがある。  

前途の通り、最終盤は先発出場がなく
それほど現場の評価が高くないのかもしれない。
それに加え、パルマ、トリノなどが獲得調査をしていて、換金できる選手な為
来季の残留の見込みはあまり期待できないものになっているが
筆者イチオシのプレイヤーなので、是非残ってほしい…。

14 マッティア・バニ Mattia Bani
DF(センターバック)
25歳
元イタリアB代表
2年目
セリエA 30試合 コパ・イタリア 1試合
6.0 残留は不可能

ジェノアの下部組織出身。セリエBのプロ・ヴェルチェッリで名を挙げ
昨シーズンからキエーヴォでプレーする右利きの長身CB。

Maran政権の昨冬からレギュラーポジションを掴み
昨年は安定感に欠けるプレーが目立ったものの
今季はDFリーダーとして通年出場を果たし、大きく成長したCB。
長身ながら守備範囲が広く、ロングボールの落下地点の入るスピードが速く
守備者として優秀な資質を兼ね備える。

トリノが獲得調査しており、こちらも残留が難しい。
リーグ最多失点を喫したキエーヴォだが、BaniとBarbaの責任と言うよりも
シーズン頭から終盤まで機能しなかった中盤のフィルターのせいだ。
その中でも奮闘したから、他のチームからオファーがある。
BaniもBに相応しくない選手だが、やはりいなくなってしまうと寂しさもある。

15 ルカ・ロッセッティーニ Luca Rossettini
DF(センターバック)
34歳
元U-21イタリア代表
1年目(ジェノアからローン)
セリエA 21試合 コパ・イタリア 2試合
4.5 期待外れ

セリエA通算253試合出場の経歴を持った百戦錬磨のイタリア人CB。
カルチョを知り尽くしたCBのキエーヴォ加入は大いに期待されていたが
奮闘したBaniやBarbaと違い、期待通りのパフォーマンスではなかった。
特に3失点を喫して完敗したローマ戦のラインコントロールは酷いもので
Dainelliを放出してRossettiniを獲得したのは失敗と言いざる負えない。

来季は保有しているジェノアと契約が切れ、フリー移籍が濃厚だが
今シーズンのパフォーマンスで手を上げるAのチームがあるか疑問。
キエーヴォとしても、CesarとTomovic残るのであれば
残留の優先順位は非常に低い。

16 アンドレア・セクリン Andrea Seculin
GK
28歳
元U-21イタリア代表
5年目
セリエA 2試合7失点 コパ・イタリア 21試合0失点
4.5 3rdGKに降格

フィオレンティーナのプリマヴェーラ出身で、5年目を迎えたGK。
2シーズン前は名手Sorrentinoの不調で出番を得たが、アピール出来ず
昨シーズンは1試合も出場がなく、Sorrentinoの牙城を崩すことが出来なかった。

今シーズンも、開幕節のC.Ronaldoとの交通事故で負傷退場した
Sorrentinoに代わり、2試合出場したが7失点喫しアピール出来ず
最序盤以降出場機会を失ってしまった。
今年加入した若いŠemperに序列抜かれてしまい、3rdGKの待遇に降格してしまった。

契約は2021年まで残っているが、本人が移籍志願する可能性が高い。
来季のキエーヴォの1stGKはŠemperであることに間違いなく
今シーズンセリエCのレッジーナで33試合35失点11CSと結果を出した
元U-19イタリア代表GK、Alessandro Confente(21)がレンタルバック決まっており
Seculinの立場は非常に微妙なところである。

17 エマヌエレ・ジャッケリーニ Emanuele Giaccherini
MF(アタッカー)
34歳
元イタリア代表
2年目(ナポリから完全移籍)
セリエA 26試合3ゴール1アシスト コパ・イタリア 2試合
6.0 残ってほしいが…。

昨シーズン、ナポリからローンで加入し
価値ある3ゴールを挙げ、見事残留の立役者になった。
今シーズンは買い取りオプションを行使し、完全移籍を果たした。

3ゴール1アシストと言う結果は物足りなく聞こえてしまうが
Giacがいなかったら、キエーヴォは攻撃の形すら作れなかった。
機能しないボランチの守備のカバーなど、献身的な守備に加え
カウンター時には攻撃の軸になり、34歳ながら攻守に渡り貢献した。

筆者的にも来季残ってほしいが、本人が個人残留を希望している情報も。
今季のGiacの年齢を感じさせないパフォーマンスを考えれば、極めて打倒である。
1年半の在籍ながら、苦しいときのキエーヴォを支えた名プレイヤーだ。
また、来季苦しい戦い強いられるキエーヴォの軸になってほしいが…。

18 イブラヒム・カラモコ Ibrahim Karamoko
MF(ボランチ・ライトハーフ)
17歳
フランス・コートジボワール
1年目(キエーヴォ・プリマヴェーラ)
セリエA 2試合
採点不能 来季に期待

キエーヴォのプリマヴェーラ出身で、17歳でデビュー果たした右利きのボランチ。
ユース年代の代表歴は特にないが、キエーヴォのプリマヴェーラで22試合出場。
その上、イエローカードが7枚とファイタータイプのボランチで
来季のキエーヴォになかなかないタイプで、楽しみな選手だ。

19 ムサ・ジュワラ Musa Juwara
MF・FW(レフトハーフ・アタッカー・ストライカー)
17歳
ガンビア
1年目(キエーヴォ・プリマヴェーラ)
セリエA 1試合
採点不能 来季に期待

ガンビアで生まれだが、2016年にイタリアへ難民として渡り
キエーヴォ・プリマヴェーラ出身の左利きの左ウインガー。
プリマヴェーラでは28試合5ゴール2アシストと結果を出している。
左利きのウインガーは希少種で、来季はキエーヴォのアクセントになれるか。

20 フィリップ・ジョルジェビッチ Filip Đorđević
FW(ストライカー)
31歳
元セルビア代表
1年目(ラツィオからフリー移籍)
セリエA 13試合1ゴール1アシスト コパ・イタリア 1試合
4.5 期待外れ

フランス・リーグアンのナントで20ゴールマークした実績と
14-15シーズンラツィオ1年目のとき、8ゴールあげた実績があり
大きな期待を持って加入した元セルビア代表FW。

昨シーズンはラツィオで出番が1試合もなく、復活を目指すシーズンだったが
キエーヴォでの挑戦は1ゴール止まりで、チームも降格してしまった。
怪我しがちで、本領発揮とは言い難いシーズンだった。

契約は2021年まで残っているが、高給取りで
来シーズンの構想には入っていない模様。
かと言って、今年のパフォーマンスで移籍金を払って獲得したいチームが
現れるとはとても思えないため、消去法で残留する可能性もある。
ポストプレーは錆びついていないので、残留に反対なわけではない。

21 マウロ・ブルチャガ Mauro Burruchaga
MF(ボランチ・サイドハーフ)
20歳
アルゼンチン
1年目(リーベル・プレートBからフリー移籍)
セリエA 1試合 コパ・アメリカ 1試合
採点不能 来季に期待

アルゼンチンをW杯優勝に導いた名手、Jorge Burruchagaの息子。
息子のMauroはリーベルBの選手で、今季からキエーヴォにやってきた。
世代別の代表歴は特になく、リーベルBでベンチだった。

案の上、出場機会に恵まれず
最終節にやっと途中出場でデビューする程度の実力。
契約は今季終了までで、このまま契約満了もあるかと思われた。
ただし、最終節に出場すると言うことは
来季の構想から外れていない可能性もある。
その中で想像以上のプレーを魅せており、来季に期待したいところ。

25 セルジオ・グルバッチ Sergej Grubač
FW(ストライカー)
19歳
U-19モンテネグロ代表
1年目(アポエルから完全移籍)
セリエA 3試合 コパ・イタリア 1試合
採点不能 来季に期待

ギリシャのアポエル・ユース出身で、モンテネグロの世代別代表ストライカー。
父も旧ユーゴ圏で有名な選手で、Burruchagaと同じ2世選手である。

今季セリエAデビューを果たし、先発出場も2試合ある。
190cmと体格に恵まれながら、柔らかいポストプレーが持ち味。
来季は今季以上に出番はありそうなため、爆発に期待したい。

27 ファビオ・デパオリ Fabio Depaoli
DF・MF(ライトバック・ライトハーフ)
22歳
U-21イタリア代表
3年目
セリエA 33試合4アシスト コパ・イタリア 1試合
6.0 残留は不可能

キエーヴォ・プリマヴェーラ出身で期待のライトバックも
早くも3年目を迎え、今季は飛躍を期待された。

今季Cacciatoreからポジションを奪い、通年で出場を果たした。
90分走れるスタミナとスピードが持ち味だが、クロスの精度に改善が見られ
4アシストも記録したのはとても大きい成長が目に見えてわかる。
大物選手相手でも、臆せず削りに行けるメンタルも光る。
その結果、イエローカード12枚も喫しているのもご愛嬌か?

そんなDepaoliはキエーヴォが降格決まってから
ベシクタシュ、サンプドリア、パルマ、ジェノアなど
各チームが熱い視線を送る為、残留は不可能と思われる。
Bに相応しくない選手で、個人的にも来季はAで勝負してほしい。

31 セルジオ・ペッリッシエル Sergio Pellissier
FW(ストライカー)
40歳
元イタリア代表
18年目
セリエA 19試合4ゴール1アシスト
6 

キエーヴォのレジェンド、Pellissierは今シーズン復活を遂げた。
昨シーズンは1ゴールで終わったものの、Di Carlo政権になってから
4ゴールあげ、冬場もゴール量産の機運が高まった。
しかし、トップ下でラストパスを供給するBirsaをカリアリに放出してから
流れの中のゴールは途絶えてしまった。(ヴィオラ戦のゴールはPK)
怪我もあり、最終的には1月にPKであげたヴィオラ戦以降
ゴールから遠ざかってしまい、ゴール数も4から伸びなかった。

キエーヴォで18年、496試合で134ゴールを積み上げた。
内約はAで112ゴール、Bで22ゴール。
プロヴィンチャ中のプロヴィンチャと言えるキエーヴォで
Aで100ゴール超えは間違いなく誇れる事実だ。
175cmと決して恵まれてるとは言えない体格で、若い頃はスピードが武器だったが
年齢重ねてからはポジショニングとゴールセンスで勝負するタイプの選手になり   相手に体をぶつけて、潰れ役も厭わないフォアザチームの精神を持ち
ストライカーならば誰もがお手本にするべき選手。
パルマのRoberto Inglese、キエーヴォのStępińskiは
Pellissierのスピリットから学んだようなプレーが多い。  

来季からはキエーヴォのフロント入りが確実視されている。
ありがとう、Capitano。
ただ、まだまだPellissierとChievoの冒険は続く。

Grazie,Capitano.  

33 マルコ・アンドレオッリ Marco Andreolli
DF(センターバック)
33歳
元U-21イタリア代表
4年目(カリアリからローン)
セリエA 8試合
5 期待外れだが来季も?

2010年から2013年まで3年間キエーヴォで戦った経験豊富のファイターが
6シーズン振りに失点の多さに悩むキエーヴォにカリアリからレンタルで加入した。  

しかし、期待通りのパフォーマンスはなかなか発揮することができなかった。
今シーズン怪我しがちで、カリアリで3試合しか出番がなく
冬が終わってもなかなかコンディションが上がってこなかった。

カリアリと契約が2019年までで、このままフリー移籍するのが確実。
最終盤でもキエーヴォで出場しているため、減俸を飲めば残留もある。
もっとも、昇格組が手を挙げてもおかしくない実力者だ。

40 ネナド・トモヴィッチ Nenad Tomović
DF(センターバック、ライトバック)
31歳
元セルビア代表
2年目
セリエA 10試合1ゴール コパ・イタリア 1試合
4.5 期待外れだが来季に期待

昨シーズン、ヴィオラからレンタル移籍で加入し
1年間キエーヴォのために体を張り続け、残留に貢献した。
今シーズンからキエーヴォへ完全移籍を果たし、キヴェンシを沸かした。

ただし、今シーズンはコンディション不良や怪我で欠場することが多く
10試合の出場にとどまり、後半戦も4試合しか出番がなかった。
Di Carloのファーストチョイスになりえず、不完全燃焼のシーズンだろう。

契約は2021年まで残っていて、来季はA復帰のDFリーダーに指名する見込み。
コンディションが整って、フル稼働できるのであれば心強い。
来季は32歳だが、まだまだ老け込む年齢ではない。  

43 アンジェロ・エンドレッカ Angelo Ndrecka
DF(レフトバック)
17歳
U-21アルバニア代表
(キエーヴォ・プリマヴェーラ)
セリエA 1試合
採点不能 来季に期待

Ndreckaは35節のSPALで17歳ながら、セリエAデビューを飾った。
アルバニア人の両親を持つが、出身はイタリアのためEUパスポート所持。
世代別代表はアルバニアを選び、飛び級でU-21世代に招集されてる。
キエーヴォ・プリマヴェーラで、23試合1ゴール1アシストの結果を残した。

レフトバックは人材難に苦しんだシーズンであり、Ndreckaがあてになれば
来季レギュラーをつとめる見込みのJaroszyńskiの負担を減らすことが出来るだろう。
ただし、来季で18歳の選手なため、過度な期待は禁物。
ちなみに、契約できる年齢が未だにプロ契約を締結していない。

44 パヴェル・ヤロジンスキ Paweł Jaroszyński
DF(レフトバック)
24歳
元U-21ポーランド代表
2年目
セリエA 19試合 コパ・イタリア 1試合
5 期待外れも来季に期待

ポーランドのクラコビアから加入し、2シーズン目を迎えた。
大ベテランのMassimo Gobbiが契約満了を伴うフリー移籍でパルマに去ったものの
レフトバックの補強に失敗してしまい、本職はJaroszyńskiのみと言う事態に。

その状況にも関わらず、開幕当初のレフトバックのファーストチョイスは
元々右サイドのCacciatoreで、D'Annaの信頼を得ることが出来ていなかったのは
一目瞭然のシーズンの入り方で、日本のキヴェンシ2人を不安視させた。

Ventula政権になってから、3-5-2の5のレフトバックで使われたが
この時期のJaroszyńskiは悪い意味で凄まじかった。
右から左に流れるクロスに対してほぼ毎回ボールウォッチャーになり
右から入るクロスはほとんど失点に繋がると言う恐ろしい時期があった。
ビルドアップにも難があり、ただ左足でボール蹴れるだけの選手と化していた。

Di Calro政権になってからはボールウォッチャーの悪い癖がすぐ治り
いったいVentulaは何を教えてたんだ…と疑問になることも。
貴重な左利きのサイドプレイヤーということで、試合を重ねるにつれ良くなり
序盤のような酷いプレーを見ることはほとんどなくなった。

ただし、攻撃面は落第点と言いざる負えない。
得点の起点になったプレーはほとんどなく、左足のクロス精度には難がある。
それでも、来季のキエーヴォの左サイドはJaroszyńskiにかかっている。

55 エマヌエレ・ビニャート Emanuel Vignato
FW(アタッカー・トップ下)
18歳
U-19イタリア代表(元U-17ブラジル代表)
2年目
セリエA 10試合1ゴール1アシスト
5.5 来季に期待

イタリア人の父親とブラジル人の母親を持つU-19イタリア代表アタッカー。
キエーヴォ・プリマヴェーラ出身で、将来を嘱望されている。

優れたドリブルセンスを軸にゴールに迫るVignatoの才能は絶大で
33節のラツィオ戦で、18歳ながらセリエA初ゴールを決めており
最終盤では8試合連続で先発出場を果たし、レギュラーポジションを掴んだ。

バルセロナなど様々なチームから興味を持たれている存在で
来季も残留するか非常に怪しいところであるが、来季も手元で観たい選手で
更に市場価値上がることに間違いがない。そのため、まだ売り時ではない。

56 ペルパリム・ヘテマイ Përparim Hetemaj
MF(ボランチ)
32歳
フィンランド代表
8年目
セリエA 30試合2ゴール コパ・イタリア 1試合
5 残留は不可能

キエーヴォで8シーズン目を迎え、キャプテンマーク巻く機会も多い。
Lucas Castroがカリアリに去り、Hetemajにかかる期待も増えた。
しかし、今シーズンのHetemajはとても体が重そうだった。

Castroの代わりにはトリノからObiがやってきたが、コンディションが整わず
リーベルBからやってきたBurruchagaも明らかな実力不足で
Hetemajをはじめとするレギュラークラスに負担が重くのしかかった。
そのため、Hetemajの運動量は影をひそめてしまった。

ブレシアやヴェローナなどが熱心戦を送るが
Hetemajが連戦で戦える体力に疑問符がつくシーズンだったし
来季33歳で今季以上のパフォーマンス期待できるかと言われた疑問符が付く。
若い才能を確保することができれば、別に移籍してしまっても構わないと思う。

ただし、8年間キエーヴォで戦った事実はリスペクトしたい。
239試合6ゴールと言う結果を残し、苦しいときもチームのために走り回った。
彼の後継者をこれから探すキエーヴォにとって、難しい難題だ。

69 リッカルド・メッジョリーニ Riccardo Meggiorini
FW(ストライカー)
33歳
元U-20イタリア代表
5年目
セリエA 24試合3ゴール コパ・イタリア 1試合
5 最初から期待していなかった。

昨年は15試合ノーゴールに終わり、ベテランに期待しろと言うのが無理な話。
活躍した2,3シーズン前に比べると物足りない出来。    

今季は久々にゴールをあげたが、3ゴールと言う物足りない結果。
案の定D'Anna政権では出場機会に恵まれず、ほとんど出番がなかった。
トリノで一緒だったVentulaやDi Calroになってから出番が増えた。
Meggioriniを使わざる負えない編成だった時点で、厳しいと言いざる負えない。

契約は2020年まで残っており、キエーヴォはMeggioriniを構想に残す考え。
来季は34歳になるが、果たして復活するか…。

70 ステファノ・ソレンティーノ Stefano Sorrentino
GK
40歳
イタリア
8年目
セリエA 31試合
6 退団濃厚

今シーズンで40歳を迎えたものの、崩壊したデュフェンス陣で奮闘し続けた。
Sorrentinoでなければ、更に崩壊していただろう。
キエーヴォに再加入してから3シーズン、ベテランながらレギュラーであり続けた。

年齢離れしたレスポンスの速さ、味方を鼓舞する声
そしてセービングしたら必ず飛び出す大きいリアクション。
これまた年齢離れしたファイティングスピピットの熱さが魅力的な選手だ。
Sorrentinoは単なるゴールキーパーではない。

年代別代表の経験はなく、決して目立つ存在ではなかったはずだが
この歳までプレーするとは誰もが思わなかったはずだ。
今季で契約満了が濃厚で、トリノやブレシアなどが興味を示している。

筆者が観てきたキエーヴォのゴールキーパーはSorrentinoしか知らない。
来季は初めてSorrentino以外のゴールキーパーをキエーヴォで通年見ることになる。
そして、彼ほど熱いゴールキーパーを見たことがない。
彼の魅せたキエーヴォ・アニマ(スピリッツ)には学ぶところがとても多かった。   また、キエーヴォに帰ってくることをいつまでも待っている。  Grazie,Stefano.  

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1万文字を超える内容で、執筆に多大な時間がかかってしまった…。
もう6月も半ばを過ぎてしまい、非常に遅れてしまい申し訳ないです。
キエーヴォの新監督もその間に決まり、古巣復帰となるMichele Marcolini氏。
もちろん、Marcoliniの記事も執筆予定です。
来季はBで戦うことになるので、色々と考えることがたくさんです。