2018-2019セリエA第22節 エンポリ2-2キエーヴォ

キエーヴォのゲーム展開からしたら非常に勿体ないゲーム…。
アウェイの地で2点先制するも
追いつかれてしまう最悪の展開。
またしても勝ち点3を失ってしまった。
ただし、ゲームの内容的には、どちらも勝ち点3にふさわしいかと聞かれたら
疑問符が出てしまうゲームだったが…。

何故かと言うとこのゲームの得点はすべて双方のミスによるもので
これからすべて解説していこうと思う。

キエーヴォの1点目は
エンポリの自陣のビルドアップのミスを突いたものだった。
CBのSilvestreから左CBのRasmussenに渡るも
Rasmussenがパスミスし、Djordjevicに渡ってしまい
Giaccheriniがペナルティーエリアの外から右足を振りぬき先制。
Rasmussenが犯してしまったこの位置でのミスは、大体ピンチになってしまう。
エンポリはこれ以外にも3バックでビルドアップのミスが目立ってしまった。

前半終了間際にはショートコーナーからGiaccheriniのクロスから
Silvestreの中途半端なタッチがStepinskiの前にこぼれ
右足を振り抜きリードを2点に広げる。
ここまではアウェイで2点リードできて最高の気持ちでしたね。

前半の序盤こそ センターハーフのKrunic、チーム得点王9ゴールのCaputoを中心とした
エンポリの攻撃に押されるも、凌いで2得点と言うゲームの流れは
サッカーの試合としては最高の流れだと思った。

ただし、2点目の直後 Krunic→Di Lorenzoと右で繋がれ
グラウンダーのクロスが上がり
誰も触れないままCaputoに渡り
ダイレクトでシュートを許し失点。

何故このような失点が出てしまったかと言うと
RWBに入ったKiyineがずいぶん中に絞っていて
Di Lorenzoのクロスボールに対して
中にいたせいかついていかず
キエーヴォの右サイドを開けてしまった。  
勿論、そんな状況ではCaputoは見逃してくれるはずもない。
しっかりライトウイングバックのポジションについて
CaputoにKiyneがついていけば防げた失点だっただけに
怪我で欠場したDe Paoliの穴を痛感してしまった。

そもそも、Kiyneは本職センターハーフだから
多少の守備軽視は仕方がないものもあるが……。

エンポリの2点目はHetemajの判断ミスによって生まれた。
Provedelがボールパーソンに早くボールを要求し
クイックリスタートとなったゴールキックが
セットプレーにより上がっていて
陣形の整っていないキエーヴォCB陣の不在を突いた。
残っていたHetemajが目測を誤り、慌てて触るも
またしてもCaputoに渡ってしまい
Sorrentinoも追いつけず
同点に追いつかれてしまう。

エンポリGKのProvedelのクイックリスタートを褒めるべきでもあるが
CBのカバーに入っていたHetemajはもう少しなんとかならなかったのか…。
この日のHetemajはコンディションが悪いのかキレを欠き
マッチアップしたKrunicにちぎられるシーンがあった。

この試合で生まれた全4ゴールをすべて振り返ったが
すべてミスから生まれた失点と証明できる。
流れのなかでもビルドアップのミスが多く
大事な局面の中でも
試合の流れを遮ってしまうことも多々あり
残留争いしても仕方がないクオリティのゲームと言いざる負えない。

キエーヴォの新加入選手で早くも出番があった選手がいた。
フランスのサンテティエンヌから加入した
セネガル出身のレフティーボランチ、Assane Diousséだ。
Diousséはエンポリのプリマヴェーラ出身で
イタリア帰還の初戦が奇しくも古巣との対戦となった。

3-4-1-2から4-3-1-2にシステムチェンジし
Diousséは3のアンカーの位置に入った。

今まではRadovanovićがこのポジションに入っていたが
ジェノアに完全移籍が決定。
ただ、Radovanovićは今シーズンのパフォーマンスに関して言えば
やや低調気味であり
横の守備範囲が狭く
機動力に欠きピンチを摘めないシーンが目立った。

そんな中、Diousséは前任者の穴を埋める期待をしてくれる働きをした。
アンカーの位置で得意の左足からサイドへうまく展開するシーンが多く
守備面でもしっかり相手の攻撃の芽を潰すシーンも見られ
とても期待できるパフォーマンスだったと言える。

出番はなかったが
ブライトンからレンタルでキエーヴォに復帰した
RBのEzequiel Schelotto チェルシーからやってきた
アタッカーのLucas Piazon
この2名は早速ベンチ入りを果たした。

Schelottoに関しては
Cacciatoreがカリアリへ移籍してしまい
De Paoliしか本職がいない状況の中での加入なので
すぐに出番がやってくると思う。
エンポリ戦も、Pellissierが序盤に負傷退場しなければ
出番があったかもしれなかった。

Lucas Piazonに関しては
最大のサプライズであり
早速見てみたかったが
またしてもPellissierが序盤に負傷退場があり
カードが1枚減ってしまった。

既存の選手で期待をかけるとしたら
昨年の冬からセンターバックのレギュラーをつかみ取った
イタリア人センターバック、Mattia Baniだ。
22試合中18試合に出場し(1試合出場停止)
エンポリ戦も良い働きをしていたと思う。
ギリギリの局面で足を出し
何かと取り上げられがちな守護神Sorrentinoの大きい負担も
少なからず軽減できていると思う。  

序盤は相当叩かれた
ポーランド人レフトバックPaweł Jaroszyńskiにも期待したい。
Jaroszyńskiがいると
左サイドは常に不安に襲われ
右から左に流れるクロスは大体失点していた今シーズンだったが
Di Carlo体制になってからはくだらないミスはなくなり
まだまだ合格点は上げられないものの
それなりの働きを見せるようになった。
特にエンポリ戦は持前のスピードを発揮し
エンポリの右サイドを切り裂くシーンもあった。
レフトバックを本職とするただ1人の選手なだけに
Jaroszyńskiにかかる期待は大きい。  

3試合連続勝利なし。
ここ2試合で6失点。
残る残留圏内と勝ち点差9。
不安材料のほうが大きいのは間違いないが
我々Clivensiは最後まで信じ
Chievo Animaを魅せる選手たちを遠い日本から後押ししたい。

次節は強豪ローマをホームベンテゴディに迎える。
相手がどこであろうともう勝ち点は取りこぼせない。

ローマ戦もレビュー記事書く予定です。
よろしくお願いします。