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一目一千寺 祈りの遺跡群

バガン遺跡とは

ミャンマーにはバガン遺跡という絶景があります。

約40平方メートルの広大な草原に
人の背ほどの低い仏塔から、50m級の大寺院まで
大小3000以上の仏塔や寺院が並ぶ遺跡があります。

天を刺すように無数の尖塔が並ぶ景色は
ここでしか見ることのできない唯一無二の情景です。

特に夕暮れは素晴らしく、
夕陽を背にしたオレンジ色の空に
寺院の影が漆黒に浮かびあがります。


バガンの夕景

後ろを見るを
夕陽を受けた仏塔群が真っ赤に輝いています。

次第に辺りが暗くなってくると
いくつかの寺院はライトアップされ
妖しく光を放ちます。

刻々と色を変えるバガンのマジックアワーは
見る者を別世界へと誘います。


仏塔と寺院の違いは

仏塔はバゴタやパヤーとも呼ばれ、
お釈迦様の分身とされています。
それ自身が祈りの対象であるため、入り口は無く、
基本的には 中に入いることはできません。

これに対し、
寺院は中に入ることができる比較的大きな建物で
建物の内部には、
仏像が安置されていたり、壁画が描かれていたりします。

手のひらサイズの小さな仏像や 見上げるような金色の仏像、
緻密に描かれた壁のフレスコ画など
時を超えた魅力が残されています。

数千の仏塔が並ぶ景観だけでなく、
この内部の魅力にも圧倒されます。

ある寺院にて

なぜ仏塔や寺院が建てられたのか

日本や中国の大乗仏教徒と異なり、
ミャンマーは 
より戒律の厳しい上座部仏教を信仰している国です。

上座部仏教では、男性は皆人生で1度は出家をします。
事情があって出家できない在家信者は、
托鉢のお坊さんにお布施をしたり
生き物を自由にして功徳を積みます。

そしてその最大の功徳が
「仏塔を建立すること」であり
「仏像を寄進すること」なのです。

各時代の王族や権力者は、寺院を作り、仏塔を建て
仏像を寄進して功徳を積みました。

バガンの遺跡群は、一人の王が作った建物ではなく
この地に暮らした多くの人々が長い年月をかけて作り出した
「祈りの遺跡群」なのです。