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◇日記(-2020)

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日記のほか、考えごとを綴ったりしています。2日に1回くらいのペースで更新中。
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#言葉

◇「空ろ」と「虚ろ」に抱く差異

これは個人的な感覚なのですが……。

「空ろ」は文字通りからっぽのイメージ。
「虚ろ」は透明なもので満たされているような感覚を抱きます。

この“透明なもの”というのがまた、説明しがたい。
透明なもの、ではあるけれどどこか歪んで屈折しているような、明瞭な像を結べずに、薄らぼんやり微かに何か滲んでいるような、淡く儚くけれど重苦しいような……。

あと、「空ろ」はからからに乾いているけれど。
「虚ろ」

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◇愛、という漢字

どうも、昔から「愛」という言葉には苦手意識があります。自分ではまず用いません。ただ、これが「恋愛」「愛情」といった熟語になればそうでもないんですよね。単体の「愛」だけが、どうもむずむずする。不思議。

でも、「愛しい」「愛でる」「愛らしい」「愛しむ」といった言葉はしばしば使います。音の響きや雰囲気が好きなんだろうな。中でも「愛しい」は頻繁なほう。その気持ちが強いと「愛おしい」を用いたりもします。こ

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◇記憶で一番古い本

人生で初めて読んだ本って何だっただろう。
ふと思い立ち、記憶を辿ってみました。たぶん、保育園で教材として使われていた、ことわざの絵本です。
わたしは家でも、それを熱心に読んでいました。鬼のイラストとともに、「おにのめにもなみだ」と書かれた裏表紙をよく覚えている。
他にも保育園にあった本、家にあった本を読んでいた記憶はあるので、小さなころから本が好きだったんだと思います。

おそらく、わたしは「言葉

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◇不味い、とは、まず言わない

「××の新商品食べたんだけどさ、不味くって不味くって」

コーヒーをお供にしての、談笑のひととき。ふいに飛び出したその言葉に、わたしはギョッとしました。
さらに、食べたことがない人に念押しするように「あんな不味いもの、食べちゃダメだよ」と続けるのを聞いて、口を挟まずにはいられなかった。

「わたしは好きだけどな。でも珍しい組み合わせだから、オーソドックスなものがいいひとには、合わないかもね」

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