◇発売日の高揚感

今日は、ずっと楽しみにしていた小説の発売日でした。職場から書店までは車で5分とかからない。でもその距離すらもどかしくって。
仕事中はふだんと何ら変わりなかったんですが、終業のベルが鳴ったとたんに鼓動が早まるのを感じました。

書店に着き、走らないように、でも急いで。本は逃げないけれど、わたしが早く会いたいから。
お目当ての、キャラクター文芸新刊のコーナーをざっと見渡して、金色の帯を探す緊張感。平積みされているだろうと分かっていて、でもあえて背表紙が並ぶ小さな棚からじっくり眺めていく。そして辿りつく、最前列のど真ん中。

あった。

その瞬間って、どうしても震えます。サイトや告知でなんども見た表紙なのに、実物を見るとぐっと気分が高まる。そうっと触れて、やさしく持ち上げて、裏返してみたりする。

それから店内をあちこち見て回るのだけど、新刊コーナーの側を通りかかるたび、にっこりしてしまいます。本が形になっている、それ自体も嬉しいし、それが書店に並んでいるという事実もまた、嬉しいからでしょうね。

でも、いちばん嬉しいのは。

会計を済ませて、物を受け取ったときに感じる重みだと思います。ずしり、とはっきり聞こえる気がする。実際はそうでもないはずなのだけど。

さて、これからじっくり楽しみたいと思います。言葉のひとつひとつ、噛みしめるように。