◇缶コーヒーが苦手な話

コーヒーが好きです。日に二杯は確実に飲んでる。基本的には砂糖もミルクも入れません。ホットでもアイスでも、ブラックを選ぶ。
でも子どものころは全く飲めませんでした。両親がインスタントコーヒーをすする横で、砂糖を入れた紅茶や、はちみつを入れたレモネードなんかを飲んでいた。コーヒー牛乳は飲めたと思うんだけど、あれは牛乳にコーヒーの風味がついてるようなものだし……。
いつからブラックコーヒーが苦手でなくなり、好んで口にするようになったのか、はっきり覚えてないんです。高校生か、大学生か、それくらいだと思うのだけど……きっかけも、正直分からない。でも、家にコーヒーメーカーが置かれて、インスタントでなくなってからだとは思います。両親に頼まれてコーヒーメーカーをセットするとき、豆の香ばしい香りを心地よく感じていた。ぽつり、ぽつり、上品な色合いのしずくが落ちていくのを、側でじっと見つめていた。
ブラックコーヒーが飲めたら大人に近づくような、そんな気持ちも抱いていたのかもしれない。

コーヒーは好むようになりましたが、缶コーヒーはわりと苦手です。特に、ブラック。ホットでもアイスでも、頂いたときは飲みますが、自分ではまず購入しません。ミルクや砂糖が入っているほうがまだ飲める。
なんだろう、缶コーヒーの後味や香りが、あまり好きではないのかもしれません。妙に何か残る気がする。
コーヒーは飲めるけど缶コーヒーは苦手、という方には何人かお会いしたことがあるので、一定数存在するものなのかもしれません。