◇「最初の一文」と「最後の一文」

小説を買うとき、何を決め手にしますか。
タイトルに惹かれた、表紙が好みだった、帯の文句が印象的だった等、まず手に取るきっかけがありますよね。ではそれを買うかどうか、どこで判断しますか?

そういう時、わたしが必ずといっていいほど確認するものがあります。それが、「最初の一文」と「最後の一文」。時には「冒頭の段落」と「末尾の段落」だったりもしますが、つまりは「始まり」と「終わり」です。

たぶん、「始まり」を見るという方は結構いらっしゃると思います。出版社の公式サイト等では冒頭から何割か、試し読みとして掲載されている場合もありますね。
でも、「終わり」までも買う前に見るという方は、どれくらいなのでしょう。案外いらっしゃるのかしら。珍しいのかな。ネタバレやオチバレを避ける動きも配慮も見られるわけですし、やはり少ないのでしょうか。

わたしが「最初の一文」と「最後の一文」を確認するようになった時期も、きっかけも、全く記憶にありません。去年の今ごろ、数年ぶりに書店で小説を買ったときには、当たり前のように「最後の一文」を確認していました。
だから随分と前から根付いている習慣なんじゃないかと思うのですが……。
理由にしても不確かで、結末=終着点を確認して道中を楽しみたいのか、読後感や余韻の良さそうなものを選びたいのか、はたまた他に何かあるのか。ううん、どうなんでしょう。

さて、この辺でおしまいにしたいと思いますが、巧い最後の一文がまったく浮かびません。今日に限らず、日記でも、感想でも、締めをどうするかは非常に悩むところです。
……ああ、だからこそ、物語を締めくくる一文についても、強く関心を寄せてしまうのかもしれませんね。