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音楽家の「営業」って何だろう

ここ最近、「どうやって営業してる?」的なことを聞かれることがある。

最近は自分は営業とか苦手意識があってあまりやってなかった気がするな。

でも、以前は営業って何してたんだろう。

僕は、名刺を持ち歩いて飲み会に顔を出して一緒になった人に名刺を渡して「機会があったらお願いします」って言って顔を覚えてもらうのが営業だと思ってた時があった。

大学を卒業した年、吹奏楽指導の仕事に関わりたくてバイトで貯めたお金で吹奏楽指導者クリニックへ勉強しに行った。

全国から指導者が集まるクリニックだと聞いて「ここで営業もすれば、自分を売り込めば」と思い込んで大量の名刺を用意してホテルを予約して出発。クリニックでは自分が興味のある講座を聞き、夜は交流会で名刺を配り歩いた。

「コントラバスを弾いてます井口です。もし何か機会があったらよろしくお願いします。」名刺はどんどんなくなりついには全て配りきった。

これだけ配れば夏はきっと忙しくなるぞと思ってた。

そして、その年の夏。仕事はひとつもこなかった。

当たり前だ、お前がやってるのは一方通行の自己紹介だ。

いきなり来て名刺を出して「機会があれば」なんて相手に失礼極まりないし、何者かもわからないやつに機会なんてあるのか。

営業をやめた話

最近、何人かと営業について話をしてた中で、数年前に「営業はやめた」という話をしていたのを思い出した。

でも、相変わらず名刺は持ち歩いているし、交換させていただく機会も多くある。ブログも始めたしインターネットを活用しまくってる。

やっていることは変わらないのかもしれないけど、今は営業というより自分をプレゼンできるように意識している。

それがいいか悪いかはわからないけど、自分はこの方が心地よい。

この心地よさというのは「営業、売り込み」という意識が「プレゼン」という考え方に変わったからだと思う。

神社でプレゼンしてみる

「今何やってるの?」という質問に「えーっと、オケとかブラスとかで弾いたり…あとは吹奏楽の指導をしたり、いろいろやってます。あ、でもたまにバイトとかしながら…」とかそんなことを言ってたので、まずはそこをちゃんと伝えられるようにしようと痛感した。

今でも曖昧な返答をしてしまう時があるけど、まずはそこからだと思って誰かのラジオで耳にした「神社でプレゼンをする」というアイディアを取り入れて仕事に行く前に神社に行くようにした。

神社へ行けばお参りをして何かしらお願い事をする。

そのお願い事をする時間は長くても1分くらい。だったら、この1分をお願い事をする時間ではなく自分をプレゼンする時間にしてみる。

1分でいきなり自分のことを話すのは難しく、一度やってみるといかに自分が自分のことを伝えられていないかよくわかった。

プレゼンをして導線を作る

きっと、やっていることは変わらないのかもしれないけど、自分をプレゼンすると意識するようになったからの方が、ご依頼をいただくことが多くなったきがする。

それから、ブログやツイッターで発信をしているので名刺にブログのQLコードを貼って、名刺を手に取ってくれた方が自分のページにアクセスしやすいような導線を作るようにした。

名刺を交換させていただいたあと、相手が後日名刺を手に取って見てくれたときにすぐ自分のページへ飛べるような導線を作っておいた方が、名前を入力して検索するような手間を省けるし、相手の時間を奪わなくて済む。

あとはツイッターのヘッダー画像をチェキ風にして、お話しさせていただいた軸となる活動を可視化できるようにしてみた。

とは言っても、これが正しいわけではないし正解もないだろう。

いろんな場所にガンガン売り込んでいる友達を尊敬するし、こうした話で同世代の音楽家と意見交換できるのは楽しい。

昨日のぷららぼオンライン飲み会はまさに営業うんぬんの話で盛り上がった。また、こうした話をする機会があると思うし、ハロウィンも近いので「お仕事くれなきゃイタズラするぞ!」なんて話を投げてみようと思う。

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