待ちに待ったブギーバックの時間は中盤にやってきた。
小沢健二さんが、「デモテープ聴こうよ」
って言って、会場に流れたのは、31年前に小沢健二さん家で撮ったブギーバックのデモ音源。
夜中なので「寝てる彼女を起こさないように歌っている笑」
このテープをスチャダラパーに渡して、ブギーバックは生まれた。
「小沢くん、よくこんなの置いてあるね笑」
BOSEさんとのやりとりの中、不意に小沢健二さんがブギーバックを歌いはじめた。

この曲をはじめて聴いたのは94年のこと。
LIFEの中でも初めは好きな曲じゃなかった。
何度もLIFEを聴くうちに、その心地よさと、歌詞の「その頃の僕ら」とか「しみたーっ」とか、「ロマンスのビッグヒッター」とかとか、体に染み込んでいく感じで、、、ドアをノックするのは誰だ？の走り出したくなるからつながるこの曲が、こころのベスト10になって行った。

「なくなくない？」
を30年経って、
みんなで合唱できるなんて思わなかった。

その頃の僕、18歳の僕がフラッシュバックする。LIFEを買った日、京都の街、友達、原宿を歩いた日、、、
今日のこの日を焼き付けておきたい。
そんな時間だった。そのまま「強い気持ち強い愛」に流れ、飛び上がった😭
涙と笑顔と、もう何とも言えない心地いい感覚。

かつて、こんな気持ちになったライブはあっただろうか。
やはりLIFEが30年経ち、人生が30年経った。その長さが今日の感覚をつくっていて、
帰り道の公園通りにあふれる光は、僕の人生に魔法をかけていたんだと。

小沢健二さんに挨拶に行き、
僕の肩をたたいて、次のライブも、絶対きて！って無邪気に話す姿は、どこまでも憧れの人だった。