見出し画像

映画作りの正解と不正解

映画作り自体、何度も悔し涙を流す大変な作業でしたが、公開してからも大変!
アイスクリームフィーバーは、現在公開中!

いわゆる日本の映画のセオリー、お金の集め方、スタッフの集め方、人が見てくれる広告の展開、人が見てくるキャスト、人が見てくれる脚本、人が見てくれる撮り方、マーケティングの勝ち方のセオリーを勉強し、それを壊していく作業をやりながら制作したので、とても時間がかかり、かなりご指導もいただいたし、違う!という意見もかなりもらったが、ずっとずっと作りたかった映画を、自分がやりたかった内容とやり方で戦いたかった。少しでも気を抜くと、周りの意見=正解、に流され、まったく違う映画になってしまう。ファッションのコラボや音楽のコラボも、通常の映画の宣伝とはまるで違う。ポスターもまったく違う。画角、カメラ監督、段取り、すべてが違うことに不安も覚えつつも、一点の曇りも、自分への嘘もなく上映にこぎつけれたことは本当によかったと思う。

公開されて1ヶ月近く経ち、やり方として正解か不正解かで言われると、現時点では興行としては、まだまだ正解と言えないが、評価は予想以上によかった。違うやり方を、違うと気づいて楽しんでくれる人が以外に多かった。鼻で笑う人もいるけど、オシャレ、色が綺麗、という感覚も「伝わるのかな」と思っていたけど、伝わっていた。90年代感、王家衛、渋谷系などを散りばめサンプリングしたことも感覚的につたわっていたが、何より嬉しかったのは、内容やセリフの意図が伝わったことだ。モノローグなどの説明セリフはすべて排除し、音楽に置き換えたし、わかりやすく人が成長したり涙を流したりするシーンも入れなかった。セオリーに反した不正解を見た人が楽しんでくれたことが嬉しかった。キャストやスタッフからも、この今までとは違うやり方の映画に関われて嬉しかったと言う言葉をいただいた。
フィルマークスで平均3.8、これは10年後に評価される作品、うもらせてはいけない作品、こんな映像をとれる監督が日本にも現れた。と、たくさん、映画の意図を理解してくれる言葉をたくさんいただいた。

ただ、初監督、予算、後ろ盾、PRの戦略の壁はあつく、映画館にもなんの宣伝ツールもないし、初日から劇場の期待値は、朝と夜の2回。など、なかなか厳しいものがあるが、公開されて、内容には自信がついたし、まだまだロングランを続けて海外にもこの感覚を理解してくれる枠を広げて行きたい。少しづつ口コミで劇場へ足を運ぶ人も増え、おっきなTOHOシネマズは終わっていきますが、渋谷シネクイント、アップリンクなど、ミニシアターはまだまだ増えるし頑張って行きたい。55年の歴史に9月で幕をおろす思い出の地、京都みなみ開館も上映が決まった。トークイベントや新しいビジュアルなどでミニシアターらしいコミュニケーションをはかって頑張っていきたい。みなさんもぜひ、時間があれば映画館でみてほしい。

最終目的地は、もっとたくさんの人に映画をみてほしい。この考え方や面白さを知ってほしい。新しい作り方で届く、大ヒットまでいきたい。でも、まだまだ、その目的地は遠いです。みんなに映画の面白さ、映画の可能性、新しいことへの挑戦の意味。知ってほしいです。

アイスクリームフィーバーは、まぎれもなく僕の初監督作品で、まぎれもなく映画だ。この世に映画として生まれたことを誇りにおもうし、ずっと大切にして行きたい。この作品で出会った人、見てくれた人に感謝し、そして、さらに作り続けていきたい。映画は、本当に素晴らしい。映画は僕の人生だ。

https://lp.p.pia.jp/article/essay/263/283616/index.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?