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世界は、人生は、やさしくつながっている

映画の企画をスタートした時
アイスクリームフィーバーで伝えたいことって
なんなんだろうって考えたことを思い出しました。

先日0号試写と呼ばれる、
キャスト、スタッフ等、関係者のみの初上映があり、
終わってから挨拶をしてくださいという話で
何を話そうかなと思って考えていたら、

「人生はやさしくつながっている」

というワードを思い出しました。
初期の頃に相談していたチームと
この映画の初めのプロットを見て会話した言葉でした。
劇中で、吉岡里帆さん扮する菜摘と、松本まりかさん扮する優は、実は知り合いではありません。
でも、お互いにおきる出来事が遠くで共鳴して、その先の自分の行動に繋がっていきます。

人生はそんなことの連続のように思います。
昔、「ifもしも」というドラマがありましたが、
もし今日僕が、拾うはずのタクシーを拾わなければ、そのタクシーを誰かが拾って
その人の何かが変わっていたかもしれない。
この映画も、吉澤嘉代子さんや川上未映子さん、吉岡里帆さんとそれぞれ
出会った時は、その「点」がつながり映画になるなんて考えてもいない。
それぞれが偶然で、必然に繋がっていく。
プロデューサーやスッタフとの出会いも、やさしくつながって今ここがある。
映画の中身も日常も同じ軸の延長上にあり、全てがやさしくつながっている。

この映画を観た人も、そんな気持ちになってほしい。
朝起きて、今日はアイスクリームフィーバーを観るから、どんな服を着ようかなって
少しでもそう思った瞬間からこの映画とやさしくつながっていて、
観た帰りにパンフレットを買って、カフェでそれを読む。
サントラを買う。家にポスターを貼る。その全ての行動が映画とつながっている。

この映画はエンタテイメントを提供する「与える」作品ではないです。
観る側の日常と繋がる、体験の延長にある映画です。
菜摘も、佐保も、優も、タカコも、美和もつながっています。
東京の空の下、この世界の中で、菜摘の行動が明日の自分の行動につながっているのです。

今回、エンディングテーマを小沢健二さんにお願いしました。
「春にして君を想う」という98年に発表された曲です。
一昨日公開した、「春にして君を想う」バージョンの新しい予告ぜひ見てください。

https://youtu.be/YyLPLAsG3pE

この映画は、僕が青春を過ごした90年代の影響が色濃く反映されています。
渋谷系と言われる文化があった時代です。
街歩き、ヘッドフォンで渋谷原宿を歩き、洋服買って、レコード買って、
映画見てお茶する。といったカルチャーでした。この映画の根底に流れる空気そのものです。
当時の音楽は、サンプリングというビースティボーイズの感覚、「ふざける」というかっこよさ。
映画にもその、DJのような感覚を落とし込みたかった。
「春にして君を想う」は、渋谷系や90年代の文化が終わっていく
時代の区切りになったような曲です。
その曲で映画を締めくくるのは大切なことでした。
これも、僕の青春時代の思い出がやさしくつながっています。

公開まであと3週間ぐらいになりました。
観てくれた人の毎日の日常と、
この映画と、僕の青春、生き様がやさしくつながっていったらいいなと思っています。

アイスクリームフィーバーは、
7月14日、全国ロードショーです!

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