カルロスの笛〜第二章〜

ドカンっと頭とおでこがぶつかり合う。憲福お兄ちゃんがいきなり立ち止まり、あるパヴを見つけたのだった。
「ごめん、ごめん、大丈夫?」
春也はうんうんと頷き、そのパヴの正体を見定めた。『Tome's Pavu』
「ト、ト、トムぅズ、パ、パ、パヴズぅ」
憲福お兄ちゃんは頭を優しく撫でると、私の手を引いてその中に入って行った。
カランッカランッと少し不気味で重圧的な音がする。そして春也は想った。
(ー少し、軽い、音がするー)
周りを見渡すと沢山のローブを着た人達がいた。周りの謙遜が無くなる。
春也は息をヒュッと上がった。憲福お兄ちゃんが周りを見渡して、少しお辞儀をして入って行く。
「今日から、ここに泊まるから、ちょっと待っていてな?」
「う、んうん···」
憲福はパヴのカウンターへと行き、何やら店主らしい人と話し込んでいる。
春也の銀髪が目立つのか、皆が春也に手を降ったり、お辞儀したり、少しの笑顔を交えてそうやった。
『hello.』
「ハハハ、ハイ!!、」と返事を返すと皆が微笑み合いまた大きく笑った。
『I'm Jin.nice to me to you.』
「店主のトムさん。」
「お、お若いですね!」
『Hi.』
「春也、今日から、ここが、俺等の人家として、やるから、だから、二階に部屋を取ったから、そこに二人共寝るから、そこに、行こうか?」
「う、うん!」
春也と憲福は二人で部屋の中に荷物を運んだ。(春也の荷物はほとんどトムさんが運んでくれたけれども。)
201号室の部屋はとても片付いて、住みやすい、机とベッドが二つあるだけの、シンプルな設計だった。トムさんが荷物をベッドに置いてくれる。
『Hey.Tormu.』
『t.t.t.あ、有難う御座います。』
そう言うと、トムさんが笑って、肩を叩いてくれました。その後、少し見て取れたのですが、扉を閉める前にトムさんが頭を捻りながら、扉の前で考えているみたいでした。
「の、憲福お兄ちゃん。」
「ん?」
「わ、私って、変かなぁ?」
「おいで。little my sisters.」
『ー変でおって、ええやろ?それがお前であり、俺等やろ?俺でもあって、皆なんやろ?だから、この世は可笑しいもので溢れとんやろ?前に、そう、自分で、言っとったやろ?』
春也はウンウンと何回も頷き、髪を結い合わす憲福の瞳を見ていた。


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