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ちはやふる小倉山杯出場選手インタビュー 山添百合選手


競技かるた会のトップ選手が集うちはやふる小倉山杯
出場選手のこと、もっと知りたい!ということでお話しを伺いました。
今回ご紹介するのは、京都小倉かるた会所属、現クイーンの山添百合選手です。

山添百合選手紹介

段位:八段
所属会:京都小倉かるた会
昨月のクイーン戦にてストレート勝ちを収め、3期目の防衛を果たした山添クイーン。これでクイーン戦は9連勝とした。昨年は2連覇中の山下八段を準決勝で倒し、ちはやふる小倉山杯初優勝。美しい構えから繰り出される美しい払い手は、競技かるた選手全てのお手本である。今大会も対戦相手を自分の世界に引きずり込み、「山添ワールド」を展開できるだろうか。2連覇に期待がかかる。

所属かるた会について教えてください。会でどのように練習していますか?練習相手についても可能なら聞かせてください。

「京都小倉かるた会」に所属しています。かるたを始めたときからお世話になっています。入会当時は「京都府かるた協会」という名前でした。すごく小っちゃい和室で、A級の方も無段の方も、みんな一緒になって練習できる環境でした。同じ場所で超A級選手の試合を見られることがとても練習になりました。
今ではABC級と、DE級で時間を分けて練習していますが、BC級の子たちは試合が終わったらA級の試合を見ることもできます。反対に、A級で、例えば私や荒川さん(荒川裕理・あらかわゆうりさん 八段 第47・48期クイーン 京都小倉かるた会)や、上野さん(上野玲・うえのれいさん 七段 第50期準クイーン 京都小倉かるた会)は、自分の試合が終わったら周りを見て、まだ試合をしているBC級の子たちにアドバイスすることも。
うちの会の中に「普及指導部」があって、主にDE級の練習を見てくれています。もちろん、ご自分の練習もしながらです。
職場の学校のかるた部の生徒と取ることもあります。B級とかC級の子とはもう本気で(笑)。かるた始めたばかりの子には試合中「相手の陣は、思いっきり払って取るように!」「そうやって攻めて攻めるんだ」なんて口出しながら。送り札も、「いや、その送り札はおかしい」と言って札を替えさせたり。そんな感じで練習しています。

かるたの師匠と呼べる人はいますか?エピソード等あれば。

やはり師匠は荒川裕理さんですね。かるたのことはもちろんですが、クイーンになるための心構えも素晴らしいですし、いつも的確な声かけもしてくださって。過去のクイーン戦前の練習の時も……。練習で良い感じに取れていないときは、励ましてくださるように「防衛とか意識しすぎないほうがいいんじゃない」「今年も取りにいくぞ!みたいに思ったほうがいいよ」といってくださって。
今回は12月ごろ、自分では良い感じにできていたのですが、荒川さんは褒めるのではなく「良い感じだけれど、ここはちょっと甘かった」「お手つきも結構してるし、そのお手つきはいらんし」と引き締めるような声がけをしてくださいました。私の状況をよく見ていてくださって、本当にありがたいなって思います。
先日行われた「全国競技かるた大阪大会」では、優勝が二人でるのですが、荒川さんと私が優勝しました。同時に優勝できてすごく嬉しかったです。

これからかるたをやってみたい人や初心者に声をかけるとしたら?

やはり練習や大会に積極的に出るのがいいなと思います。もちろん人によっては、大会などには出ないで、練習でかるたを楽しむだけでいいんだ、という人もたくさんいると思います。うちの生徒でも、学校だけで練習している子もたくさんいます。でも、かるた会の練習にも参加してみて、普段試合をしていない人と練習してみたほうが刺激にもなりますし、そこで仲良くなる人も出てきたり、交流が広がって楽しいですよね。
自分の所の会をもちろんいちばん大切にしながら、他にも色々出ていって、練習や大会に行ってみるのがいいかなと思います。

和装での戦い方で工夫していることはありますか。

和装はやはり戦いにくいですね。重たいですし。素振りで袖がばっと出たりしたら、札が動いてしまったりして、暗記中の集中力を取られるっていうか、分散してしまう(笑)。
着物の丈は、膝くらいまでは切っていますね。いくつか軽くなる工夫をして、集中できるようにしています。

お話を伺って

山添選手の試合を拝見していると、真っ直ぐな美しさと強さにしびれるのですが、お話しすると、失礼かもしれませんがなんというかとってもキュートで、そのギャップがとても魅力的でした。
インタビューの内容も、読み返すと自分にも生徒さんにも厳しいなぁと思うのですが、それを柔らかく伝えてくださるのはお人柄か、先生というお仕事柄なのかな?と思ったり。
普段の柔らかな笑顔から、試合になるとピリッと周りの空気も変えてしまうような静かな気迫があり、さすがクイーンと見惚れてしまうのです。
ちはやふる小倉山杯でも美しい取りが見られることを楽しみにしています。

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