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【特別企画】選手インタビュー 原あかり編|第5回ちはやふる小倉山杯

はじめに

こんにちは。
ちはやふる基金スタッフです。
続々と基金noteにて公開されています「第5回ちはやふる小倉山杯」出場選手インタビュー記事!

今回のインタビュー記事は「第55回全国女流選手権」にて優勝され、ちはやふる小倉山杯初出場の原あかり選手です!

動き出しが早いところが武器だとおっしゃる原選手。
インタビューをしていく中で、原選手がほかにも持ついろいろな強さ、その強さの成り立ちを感じられました。

ぜひ最後までお楽しみください。


❶かるたとの出会いは?

みんなで一緒に

―かるたをはじめたきっかけって何でしたか?

友達がかるたをしてて、誘ってもらって、それで始めました。

―何年生のときですか?

小学校2年生のときです。
(大津あきのた会の練習を)近江勧学館でやってるんですけど、家からも近くて、学校で仲良くしてた友達がみんなかるたをやっていたので、かるたするというよりは、みんなとわちゃわちゃ遊ぶみたいな気持ちで入って。今は1人になっちゃったんですけど…(笑)

―同じぐらいの年の友達と一緒に始められたというのはすごくいいですね。お友達とわいわい楽しくやりながら、すぐに100首覚えて、かるた楽しいなとなりましたか?

早く取るのがすごく好きで、札を取るのが好きだったので、私は楽しかったですね。

—結構、覚えるところで苦労する人もいたと思うんですが、そんなこともなくすんなり覚えられましたか?

そうですね。みんなで一緒に覚えてて。
あと、私は秋ぐらいに始めたんですけど、冬に高松宮記念杯とか、3月に小学生の大会があって、それに出れるように頑張ろうという感じだったので。目標があったので覚えられました。

ー小学生で始めて、A級に昇級したタイミングって覚えてますか?

A級になったのは小学校5年生のときです。

―早い!!

(笑)
始めて3年でA級になるのは、めっちゃ早いことではないんですけど、年齢的に早かったっていう感じですね。

—小学5年生で大人と対戦するのは怖くなかったですか?

私は大人に勝つのがすごく嬉しくて。
ほかでは全部負けますけど、かるただったら張り合えるのが楽しかったですね。子どもなので、もめたときにちょっと譲ってもらったりとかは、今思えばあったなぁと思います(笑)

わからないことが考えるきっかけに

―かるたの師匠はいますか?

それはやっぱり、石沢直樹先生ですね。
昔は人数が少なかったので、(大津あきのた会に)入ったころから石沢さんに教えてもらっていました。

―かるたのときの石沢さんってどんな感じでしたか?私は仕事で対面することが多かったので、厳しい顔をよく見てるんですけど…(笑)

仕事がお忙しい方だったので、携帯も良く鳴っていました(笑)。かるたは普通ジャージで取るんですけどジーパンのまま取られていました。あとは試合した後にご指導いただくんですが、あのときはあれがよかったよとか、わーっといろいろと言ってくださって。それから、多分わかりやすくするために、サッカーや野球で例えてくださるんですけど、私、野球もサッカーも全然知らなくて、全然わからなかったですね(笑)

すごい考えて、こうかなぁ?みたいな感じで自分なりに解釈してたので、それが考えて取るのにつながっているという感じです。

―面白い!石沢さんの指導は優しかったですか?

みんなのことを見てくれているっていうのは感じていました。仕事がお忙しいのはもうみんなわかっていて、試合は取れないけど練習の最後に顔を出すだけは出す、とかしてくださっていました。
褒められたことはほとんどなかったという印象ですね。
A級になって報告しに行ったときに、褒めてくれるんかなって思ったんですけど、褒めてもらえなくて。当時髪の毛がめちゃ長かったんですけど、髪の毛切りなさいって言われて(笑)

―厳しいですね(笑)でも、すごく印象が伝わってきます。褒められた思い出はありますか?

石沢先生が亡くなるちょっと前に、初めてA級の大会で優勝して、そのときにメールを送っていただいたんですけど、そのときによく頑張ったね、みたいなお言葉をいただきました。でも、直接褒めていただいたことはないですかね。

―そうなんですね。でも、いい先生だったなって思えてるんですね。

そうですね。沢山教えていただきましたし、大会とかで、石沢先生が試合を見れていなくても、どういう風に札が置かれててこう札を取ったら勝ったとか負けたという話をしたら、すぐに状況を理解して、沢山のご指導いただいていたので、ものすごく経験値があるんだろうなというのを、教えていただく内容から感じてました。みんな「石沢先生は流石だなぁ」という感じでした。

―やっぱり厳しかったんだなぁとか、でもやっぱりよく見てたんだなぁみたいなお話が聞けて、すごく嬉しくてありがたいです。
教えてもらったものの中で、今でも印象に残ってること、守っている教えはありますか?

試合を取っていただいた中で1番よく言われてたのは、送り札ですね。札を送るときに、何を送るかも大事なんですけど、タイミングだったりとか、すごいいろいろ考えた上で送らなきゃいけないんだなぁと思いました。
今も、かなり考えて取るタイプかなって思います。

大津あきのた会の本拠地近江神宮は、琵琶湖のすぐそば

❷今の練習環境・練習相手は?

再び登場の○○さん!

ー今、練習相手は誰ですか?

基本的には、あきのた会で、練習にくる子と取ってますね。週に1回とか取らないときもあったり。

あとは、私、大学が京都にあって、同志社大学とか京大とか、立命館大学とか、かるた部がある大学が近くにちらほらあるので、そこにお邪魔したり。

―いい環境ですね!

そうですね。試合をいっぱい取らせてもらえる環境ですね。

―たとえば、京大だったらこの子と練習すると楽しいとか、今ありますか?

京大だと、田渕陽太さんですかね。すごいお強い方で、たまたま大会で当たったりしてるっていうのと、あとは学部が一緒なんですよ。大学は違うんですけど。同じ医学部で話す話題も合うので、お互い練習したいと思ったら連絡して、試合取りましょうみたいな感じで取ったりしてます。

練習への取り組み方

—勉強とかるたの両立をしながらすごく強くなるっていうのは大変ですよね。その強さをキープできるための秘訣はありますか?自分が強い理由は何だと思いますか?

自分が強いのは…何ででしょう?(笑)
でも家が近所なので、あきのた会の練習はかなり、毎週行ってましたね。継続はしてましたね。

—その積み重ねですかね。今は、あきのた会の練習で当たるときって、やっぱり、原さんが1番強いみたいな環境ですか?

そうですね。浜野さんとかいらっしゃいますけど、みんな東京にいて普段のあきのた会の練習には来られないので、自分が1番強いことが多いですね。

―どちらかというと、教える側にもなったり?

教えるというか自分で好き勝手言ってるだけなんですけど。あとは、実力が自分より下の人と取っても、考えて取れば練習には一応なってるので、自分がやりたいことをやったりとかしてますかね。

―強い選手はみなさんそう仰いますね。昨年のインタビューで三好さんも自分より遅い子と取ってても、自分の中でこの速さっていう基準があるから、あんまり関係ないみたいなことを言われたんですね。そういうのってありますか?

強い人はみんな自分が勝つときのパターンみたいなのがあって、強い人はずっと勝っているので、勝ちパターンみたいなのが定着していて、普通に取ったら勝つ場合がほとんどだと思います。その勝ちパタ―ンに沿って取れば、どんな札の出方をしても勝てるっていう場合がほとんどかなぁって思いますね。

同じレベルの人とか、自分よりも強い人と取った方が、得られるものは多いです。自分が出来てるところもわかりますし、自分に足りないものも目に見えてわかります。

下の級と取ると、自分が出来てるところよりは、相手が出来てないところとかがわかっちゃうので、上の人と取るよりかは自分にプラスになることが少ないかなとは思います。

でも得られることはあるので、自分が得意なところをのばしたり、逆に苦手なところをカバーする練習だったり、相手が得意な部分を活かして、自分が苦手なところを補うみたいな練習ができるかなっていう感じですね。

―今のお話すっごいわかりやすかったです!得られるものがそれぞれ違うよね、と。ありがとうございます!


❸ポジティブスイッチは?

元はネガティブ!?染みついたポジティブ!

―ポジティブになるためのきっかけ作りやポジティブスイッチはありますか?

石沢先生が、「ネガティブに考えるな、ダメだ」って言っていたので、自分は結構昔からポジティブに考えてますね。

お手つきしても、1枚送られるお手つきと、2枚送られるお手つきがあるんですけど、1枚送られるときのお手つきだったら、2枚もらってないからまだましじゃんって思ったりとか、いい取りができたら、この会場の中で今1番自分が早かったんじゃないかみたいな感じで思うようにして、あんまり沈まないようにはしてるかなっていう感じですね。

悪い方向に考えると、それが実現しやすいみたいにおっしゃってたので、そうなんだって思って、そのまま信じてきましたね。

—いいですね、染みついてる感じ。元の性格はネガティブになりがち?それともポジティブな性格?どっちだと思いますか?

元は…ネガティブですかね。自分はあんまりすごいなぁとは思わない。
かるたは強いなって思いますけど、そのほかは別に何もできてない(笑)

かるたはポジティブに。試合中はポジティブですね。まぁ負けたら、ダメだなぁって思うときはありますけど。試合中は、楽しく取ることのほうが多いかなぁっていう感じです。

—負けて落ち込んだ自分から復活するためにやってることとか、どうやったら前向きになるかとかって、何かありますか?

反省はしてますね。試合で何がダメだったかっていうのは、考えるようには してますね。ちゃんと考えて、放っとくみたいな。一旦離れてる方がいいと思ってるので、学校のことやったりとか、かるた以外のこととかやったり。(時間が経つと)試合のこと忘れちゃうんで、一旦先に思い出すだけ思い出して、あとは放っとく。でまた、かるたやるときに考える、みたいな。

—すごい!真面目だから強くなるんだろうなぁ。自分がダメだったなっていうところと向き合うのってしんどいじゃないですか。だけど、すごい大事ですよね。それができてる人が強くなるんだろうな。ありがとうございます。


❹小倉山杯どんな戦いをしたい?

スピードとよい取りを

—「ちはやふる小倉山杯」に初出場ですが、どんな取りをしたいとか、自分のここを見て!とか、意気込みを教えてください。

こういう選ばれた人だけの大会みたいなのに初めて出るので、今はまだ全然緊張してないんですけど、多分本番は緊張してるかなと思うので、あたたかい目で見てほしいです(笑)

—客観的に見てて思うのは、原さんの早さを見てねって思うんですが、自分でなかなか言いにくいですよね。

そうですね(笑)早いってよく言われますね。1音目が読まれたときの動き・飛び出しが1番早いので、それを観てもらえたら嬉しいかなって思います。そして、よい取りが出来るように心がけます!


❺誰と対戦したい?

小倉山杯で取れるなら…

—この選手と対戦したいという方はいますか?

山下恵令さん。全員取りたいんですけど、小倉山杯で取れるとなったら、恵令さんですかね。

勝たないと当たれないので(笑)

—出場選手のみなさんと当たったことありますか?

いや、堀本さんと井上さんは取ったことがなくて。関西の方はめっちゃ大会で当たりました。

—1試合目は井上さんとになりますかね?対戦するまでどんなかるたかわからないという感じですかね?

そうですね…!

—本番に向けて頑張ってください!インタビューすごく楽しかったです。ありがとうございました!


おわりに

いかがでしたか?スピードだけでなく、ポジティブなかるた思考、自分としっかり向き合って"考えるかるた"が身についていることがうかがえるインタビューでした!
そして、にこにこと楽しそうにお話される様子からも、かるたが好きな姿が伝わってきました!

井上クイーンとの初対戦、楽しみですね!

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