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「銭湯は温泉じゃない」という誤解を解こう

「銭湯が好きです」と言うと、「温泉は?温泉とは違うの?」といった質問を受けることが多くあります。
でも、銭湯好きからするとこれってハッキリ言って愚問です(笑)
「いや、そもそもだね。温泉も銭湯の一部で...」と語りたくなるわけです。
よく、銭湯は湯船が水道水だから温泉ではないということを聞きますが、これは間違いです。
世の中のほとんどの人が、銭湯と温泉の定義がこんがらがってる気がするので、ここで一度整理してみたいと思います。

銭湯の定義

まず前提として、銭湯と温泉は概念そのものが違うので、並列して比較するようなものではないです。
銭湯は、営業形態。温泉は、お湯の成分の話です。※温泉旅館や温泉旅行の省略形として「温泉」と言う場合を除く。
こちらの記事でも書きましたが、銭湯の定義は、「公衆浴場法」によって定義されています。

公衆浴場法の適用を受ける公衆浴場は、一般公衆浴場とその他の公衆浴場がある。
(1) 一般公衆浴場
 地域住民の日常生活において保健衛生上必要なものとして利用される施設で、物価統制令(昭和21年3月勅令第118号)によって入浴料金が統制されているいわゆる「銭湯」の他、老人福祉センター等の浴場がある。
(2) その他の公衆浴場
 保養・休養を目的としたヘルスセンター・健康ランド型のもの、ゴルフ場やアスレチックジム等スポーツ施設に併設されるもの、工場等に設けられた福利厚生のための浴場、サウナ、個室付き公衆浴場、移動入浴車、エステティックサロンの泥風呂等がある。
引用:厚生労働省HP

公衆浴場には、2種類あり、「一般公衆浴場」とに分類されるのが銭湯のことです。
一般公衆浴場は、物価統制令によって入浴料金が統制されています
都道府県ごとに料金が決まっており、東京都は460円です(2019年8月現在)。
料金規制がある代わりに、自治体から水道料金の値下げなどの補助を受けることができると聞いたことがあります。
スーパー銭湯、サウナ施設など、その他の入浴施設を備えた施設は、「その他公衆浴場」に分類されます。
こちらは、料金が自由ですが、自治体からの補助はありません。
普通の店舗営業などと同じですね。
温泉旅館は、宿泊を伴うので公衆浴場法ではなく、「旅館業法」で定義されています。

旅館業の種別
 旅館業にはホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業及び下宿営業の4種がある。 
(1)  ホテル営業
 洋式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業である。
(2)  旅館営業
 和式の構造及び設備を主とする施設を設けてする営業である。いわゆる駅前旅館、温泉旅館、観光旅館の他、割烹旅館が含まれる。民宿も該当することがある。
(3)  簡易宿所営業
 宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を設けてする営業である。例えばベッドハウス、山小屋、スキー小屋、ユースホステルの他カプセルホテルが該当する。
(4)  下宿営業
 1月以上の期間を単位として宿泊させる営業である。
引用:厚生労働省HP

まとめるとこんな感じ。

「温泉銭湯」は存在する

ということで、銭湯は営業形態であり、温泉が湧いてない入浴施設のことを「銭湯」と呼ぶのは間違いです。
銭湯だとしても温泉が湧いている銭湯は存在するのです。
温泉が湧いていても、一般公衆浴場である施設は銭湯です。
東京でも、温泉が湧いている銭湯はいくつかあります。
私の銭湯データベースで温泉つき銭湯を探してみてください。

泉質は色々ですが、大田区・品川区あたりは、「黒湯」という墨汁のような色の温泉が多いです。

「銭湯サウナ」も存在する

ついでに言うと、サウナと銭湯も定義は別です。
これも温泉と同様、「銭湯にはサウナがない」ということではありません
銭湯は、営業形態としては「サウナ施設」ではありませんが、設備としてのサウナを設置しているところはたくさんあります。
ただし、サウナの料金は物価統制令を受けていないので、各銭湯自由に価格設定をしています。
私の銭湯データベースでもサウナあり銭湯はたくさんヒットします。

最後に図をもう一度。

これを読んだ人は、もう「銭湯って温泉じゃないでしょ」とは言わないでくださいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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