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グリーンズと、わたし

「今のあなたの価値観を形成した、一番の出逢いは何ですか?」

そう聞かれたら私は、「グリーンズとの出逢いです」と答える。

それほど私にとって大きな存在であるグリーンズでのインターン生活に、終止符が打たれようとしている。

出逢い

グリーンズと私の出逢いは、約3年前。
たまたま知り合いから教えてもらったNVCの教室がきっかけで、存在を知った。

そのときの私は、自分の関心事が散乱してるように感じていた。
生態系保全、環境教育、サステイナブルツーリズム、サーキュラーエコノミー、エシカル、生産と消費の分離、南北問題、格差、ウェルビーイング、などなど。

そんなときに出逢ったグリーンズの「いかしあう関係性のデザイン」という概念は、
私の興味関心をばーっと繋げてくれる魔法の言葉だった。

「そうそう、そういうことを私も言いたかった!!」
と衝撃を受けたことを今も覚えている。

それ以降たまにgreenz.jpの記事を読んでみるとどれもわくわくするものばかりで、私はグリーンズのファンになった。

もともと生態系保全に興味があった私は、世の中の環境問題や社会問題に対してそこそこ絶望していた。
大きな社会の流れの中で、自然環境は壊されていくばかりで元には戻らない。
その流れに逆らうことは非常に困難で。
そもそも生態系を管理しようとすることがおかしいのかもしれない。
でも、何もしなければただただ破壊されていってしまう。
しかもそれは、環境問題に限ったことではない。
多くの弱者やマイノリティが搾取される社会の構造が存在していた。
そしてただ普通に生活しているだけでその構造に加担してしまう現実があった。
さらに、世の中の環境活動家と言われるような人たちは、自分の心身を削って環境問題に取り組んでいるようにも見えた。
なんで、未来のために今を犠牲にしなきゃいけないんだろう?
そんなことも疑問に思っていた。

でもグリーンズには、個人のしあわせと世界のしあわせが接続している世界観があった。
記事を読むと明るい気持ちになって勇気をもらえたし、
そんな世界観の中で生きていたいと思うようになった。
(て言語化するようになったのは最近だけども)

そしてグリーンズに出逢って半年後、インターンの募集を発見した。
グリーンズの内側に入れるチャンスだ!!!と思い申し込んだ。
インターンなんて今までやったこともなかったし、しかも長期だなんて、今思い返してみればかなり思い切った選択だったかもしれない。

そして採用してもらい、私のインターン生活が始まったのであった。
(正直なところ、一緒に申し込んでた他のみなさんはすごいできる人たちに見えたし、採用の連絡もなかなか来なかったから、こりゃもう落ちたなーて思ってたのになんでか受かってて驚いた)

やっていたこと

今までの関わり方を図にすると、こんな感じ。

①スクールインターン

最初は、グリーンズの学校を運営するスクールチームのインターンとして採用してもらった。
これが一番苦しかった時期かもしれない。

これはグリーンズあるあるだと思ってるんだけども、
グリーンズインターンは、「やりたいことやっていいよ」スタイルである。
グリーンズの内側に入りたい一心でインターンに応募してしまった私は、やりたいことがわからず、最初の4か月ぐらいは何もしないまま過ぎ去ってしまった。

定例会には毎週出席するものの、
話についていけないわ話を振られても何も思い浮かばないわで。
毎回わりと萎縮しながら参加していた。

それでもグリーンズの裏側を見たり全体像把握できることは嬉しかったから定例だけでも参加し続けたし、
これ幸いにとNVCの教室も受講させてもらった。

②SUNNYSIDE連載

グリーンズインターンが始まるのと同じぐらいのタイミングでインターンを始めたのが、香川県のSUNNYSIDEという企業だった。

SUNNYSIDEでインターンを始めてみれば、なんとびっくり。グリーンズと一緒に何かしましょう!て相談をしているタイミングだった。
偶然そこに居合わせた私は、ミーティングにも参加させてもらえることに。

そうして決まった連携の中身が、「共生と調和を巡る旅」という連載企画だった。
なんというかもう、コンセプトへの共感が強すぎて、意地でもついてったると思って、休学中の予定を捻じ曲げてでも取材にもついていかせていただいた。
ミーティングも、自分が出席したところでとは思いつつもかなりの割合で参加させてもらった。

ミーティングも取材も、なんとも幸せな時間だったしとても勉強になった。

モリウミアスにて

③いかしあうデザインカレッジラーニングアシスタント(LA)

インターンとして何かできる仕事はないかと目を光らせてSlackを徘徊していたとき。
いかしあうデザインカレッジ(いでかれ)が始まるという情報をキャッチした。
教室やカレッジにはzoomアシスタントが必要だということは認識していた私は、やらせてください!と手を挙げた。
私がグリーンズに入るきっかけになった「いかしあうデザイン」そのものを学べることも魅力的だったし、
何よりグリーンズ内に自分の居場所を欲していた。

それまでブレイクアウトルーム分けすらほとんどやったことがなかったから、最低限の仕事に慣れるまでに数か月を要した。

途中からグリーンズの学校全体としてラーニングアシスタントという仕組みができて、+αで何かしなければならないのでは?という気持ちが強くなっていった。
(ちなみにラーニングアシスタント同士のコミュニティも、最初の方は盛り上げようと頑張ってた)

でも、いでかれ内でできることをなかなか見つけられずにいた。
相変わらずこれといったやりたいことはなかったし、学びの場づくりや事務局自体は、私が入る隙がないように思えた。
だから、いち参加者の範疇でできることを模索していった。

その結果が、いでかれ内のいかしあう関係性をデザインしようとすることだった。
運営がスムーズになるようなアシスタントを模索したり、
参加者がやりたいと思ったことができるように伴走しようとしたり、
参加者同士のつながりを見つけようとしたり。
途中から、コミュニティマネージャーに近い役回りをしていたような気がする。

ホストの奈央さんと事務局のRomyさんと

自分が将来やりたいことに近いツアー企画ができたのも、大変だったけど良い経験になった。

匝瑳市の高坂さんを訪ねるツアーで囲んだ食卓。

④グリーンズジョブインターン

後半の1年間は、グリーンズジョブにも声をかけていただき、インターンさせてもらった。

具体的には、イベントページの作成やSNSの発信など。
初めはかなり時間がかかっていた作業も、だいぶ早くできるようになった。
(初めてのTwitter投稿なんて、投稿ひとつに2時間も頭を悩ませていた笑)

これまで自分の仕事が見つからなくて苦しくなることが多かった分、
仕事内容が決まっているジョブインターンは居心地がよかった。

就活の時期に様々な求人を知れたことは、自分にとっても良い勉強となった。

収穫

スキルアップ

・zoom操作
・Peatix入稿
・WordPress入稿
・Google系ツール
・議事録作成
・告知用の文章作成
・Slack上のコミュニケーション
・ちょっとだけファシリ
など、汎用性の高いスキルを習得できたのは大きく、グリーンズ外の活動でも役に立っている。

いかつな眼鏡の習得

これが、一番大きい気がしている。
グリーンズという組織に身を置くことで得られた世界の見方。

まず最初に受講したNVCの教室で、世界の捉え方ががらっと変わった。
ニーズ眼鏡を装着するようになって、自分との付き合い方も学んだし、コミュニケーションが楽になった。

次に、いでかれのゼミ。
これに一番影響を受けていると思う。
まずは観察をする。ニーズ眼鏡と資源眼鏡で現状を捉える。全体がうまく回る仕組みを考えてデザインする。
広義のパーマカルチャーって、ホリスティックな合理性を追求することだなって思った。

意識的にいかつな眼鏡をかけて自分の日常をよく見てみると、いかされていないデザインといかしあってるデザインが見えてきた。
大学の授業でもいかしあうデザインの事例がいくつも取り上げられていることに気づいて、大学もさらにおもしろくなった。
いつものチェックインも、いかしあうデザインのひとつで。グリーンズ外でも、話やすい人に自分の状態を共有することでフォローしてくれる要員を確保することを覚えた。
何か事業を考え直すとき、関わる人のニーズに立ち返ることも印象的だった。

グリーンズジョブ合宿でも、ニーズの共有をしました。

いかしあうつながりという観点で世界を眺めてみると、
世界がより豊かに見えたり、
自分の周りをスムーズに動かしやすくなった。

いかつな事例が身近に

グリーンズジョブでクライアントとのミーティングに同席させていただく機会が何度かあった。
そこで聞く話が、とてもおもしろくて。バイブスの合う会社がどんな理念をもとにどんな事業をしていて、どんな課題感のもとどんな求人を出そうとしているのか。
それを聞けるのは本当に勉強になったし、そういった人たちの存在をよりリアルに感じることができた。

いでかれのゲストWSでも、いろんな実践者の話を直に聞くことができて。
さらにはそのご縁で現地の見学や体験までさせてもらって。
私もこんな風に生きていたい!というロールモデルも見つかった。

そっかの1日インターン

それらって、ある種のいかつな教養と呼べるものでもあると思っていて。
同じ団体とか事例を知ってる人と会うと、あっこの人同じ界隈だ、て感覚になることありません?
その演出をできるようになったなーなんてことも感じている。

グリーンズスタッフのみなさんと繋がれたことも、とてもとても大きな財産で。
みなさんそれぞれおもしろい生き方をしてらして。
こんなにおもしろくて素敵な大人たちが存在してるのかと驚いたし、繋がれたことが嬉しかった。

自分についての発見

①共感できる組織で役割をもつこと
「グリーンズ」という、理念に共感できる組織で役割を持てたことが、本当にしあわせだった。
作業の内容よりも何よりも、所属している組織や環境をどれだけ好きかが自分にとっては重要なんだと気づいた。
就活の軸もその影響を受けていて。仕事内容や事業内容よりも、組織として好きになれるかどうかが第一だった。

②その場にいることの価値
自分のできることもやりたいこともわからなかった私は、とにかく”その場にいること”を心掛けた。
その場にいることで、全体像を把握していることで、できることがあると信じて。
結果、それで自分のできることが見つかってきた。
全体像を把握して自分のやっていることに意味づけをすることで、モチベーションも上がった。
私なりの生存戦略を見つけた気分だった。

③やりたいことよりできること
①と②にもつながるけども、やりたいことが薄い私は、できることベースで考えるのが得意なタイプだと気づいた。何をやるかはそこまで重要ではないので、できることを通して何か貢献できれば満足だった。
だから、何かの立ち上げというよりは、既にあるものを継続させることとか、"より良く"を考えたり、誰かのサポートすることの方が向いているみたい。
あとは、ページの入稿みたいなちょっと頭を使う単純作業も好きだし、聞いた話を理解して議事録に落とし込むのも好き。
それと同時に、そういったできることベースの生き方の弱さや苦しさみたいなものも実感したけども。

最後に

「グリーンズインターン」は私のbeを表現する最適な肩書きで。
それを失うと思うと、寂しいしなんだか心もとない。

グリーンズという優しい世界から飛び出すのはちょびっと怖いですが、目指す世界観は変わらないので、これからもいかしあう関係性のデザインの探求者・実践者でありたいなと思っています。

一回り成長してからまたグリーンズで/グリーンズと働くという野望を胸に、
これからも流れのままに生きていきます。

これまでお世話になったみなさま、本当にありがとうございました!
これからもどうぞよろしくお願いします。

PS
最後のミーティングでも、SNSのコメントでも、みなさまからの言葉が温かすぎて泣けてきます。ありがとうございます😭

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