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名前の由来|いろは醤油誕生物語#1

いろは醤油事業を引き継ぐに当たって、いろは醤油をつくることになった経緯を記していこうと思います。

たまに、商品ってどうやってつくるの?と聞かれることがあるので、「ビジネスや商品が生まれるときって、こんな感じなんだ〜」と面白がってもらえたら嬉しいです。

いろは醤油完成までの簡単な経緯

以前のnote「毎日のごはんをもっと気軽にしたい」に書いた経緯はこんな感じです。

かつて お気に入りだった「だし醤油」をアップデート

普段は、手間をかけずに栄養価の高いものをサッと作るのが理想です。
それで、調味料を混ぜたり、味を調整する手間が省ける、お気に入りの「だし醤油」を愛用していました。

すでにお出汁をとって、みりんと醤油と砂糖と塩で完全な味に合わさっている調味料はありがたい存在です。かけるだけで味が決まる。

だけど、そのだし醤油が急に売られなくなりました。

広島にあったその販売会社に問い合わせると、会社を廃業されるとのこと。
社長さんがご高齢で、跡継ぎもなく、やむを得えず販売停止の決断をしたとのことでした。

「あ〜あのだし醤油もう食べられないのか…」と思い、他のだし醤油も試したけれどなかなかしっくりこない。
そのだし醤油は「鯛のだし」がポイントだったのですが、なかなか他にないのです。

「あのだし醤油がなくなるのは勿体無い、なんとかできないか」と考え、思い立ったのが、自分で作ればいいのでは?ということ。
さっそく、広島のだし醤油屋さんに連絡を取り、「御社のだし醤油のレシピを譲ってくれませんか」とお聞きしたところ、ご快諾いただき、だし醤油を作りました。
それが「いろは醤油」です。

まとめると、

もともと愛用していただし醤油会社が廃業

だし醤油の配合割合のレシピを譲ってもらえないか依頼したらまさかの快諾

いろは醤油完成


と言うことでした。

そうなのですが、だし醤油が好きなだけで、だし醤油販売までするのは、結構大変な話でして。
まずはじめにしたのが、出資者を募ることでした。

鞆の浦(とものうら)で経営会議

ものを売るということは開発費や在庫を抱える(リスクを負う)と言うことです。
なので、先立つものも必要。

ということで、たまたま、同じだし醤油のファンだった経営者お2人に声をかけました。

だけど、食品の販売も、醤油も作ったこともない3人。
というのも、システム会社やマーケティング会社をしている面々。
わたしはというと、当時、離婚カウンセラーをしていました。たぶんそうだったはず(いろいろしてたから記憶が薄い…)。

そして、何かに取り憑かれたように、話が前向きに進み、
「一度集まって話しましょう」
ということになりました。

鯛で有名な広島県鞆の浦(とものうら)のだし醤油だったので、集合場所は、鞆の浦ということに。
東京や大阪でもいいのに…(なんて思っていませんよ…)。

なぜか当然のように、鞆の浦に集まった3人。
経営者は行動力があるのは本当なのかも。
それにしても、のどかな漁師町です。

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ただひたすらに、のどかです。
『崖の上のポニョ』の舞台になった町でもあります。

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こんなにナチュラルに魚が干されている町があるでしょうか。
シティーガールはびっくりです(そら、写真も撮りたくなる笑)。

シティーガールと言ってもわたしは大阪の下町出身ですが、日本で一番高いビル『あべのハルカス』まで自転車で5分のところで生まれ、コンクリートジャングルで育っているので、屋外で魚が干されているなんてオブジェにしか見えません。

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これはみりん干し?
みりん干しなんて、スーパーの生鮮食品売り場でしか見たことありません。

こんなにナチュラルに干していたら、盗んで行く人いるんじゃないかと心配になります。そんなこと考えるのは、都会のスレた人間の考えることなのでしょうか。

経営者たちの頭の中

話が脱線したので、ビジネスの話に戻すと、経営者はリスクヘッジするものです。

わたしも、会社を辞めたときに、どんなことで起業するか、いろいろ考えました。

「カフェや小料理屋みたいな店舗経営しようかな」とか、「いいペットフードを作って物販経営しようかな」などなど。

だけど、店舗はやるなら、ばっと多店舗に広げてパっとバイアウト(事業ごと売りに出す)みたいなやり方しないとビジネスとしてはしんどいと思ったし、物販みたいな在庫を抱えるビジネスも、資本のないわたしには厳しいと思い、「相談」という失敗しても在庫や固定費のリスクがないビジネスを選んだのでした。

他の二人もそうだったと思います。システムもマーケティングも在庫なしでできるので。人件費はかかりますが。

これって、経営者なら誰でも考えることだと思うのです。
わざわざリスクとって在庫を抱える価値があるかと。

仙酔島で超えた4つの壁

この鞆の浦(とものうら)という町は、広島県福山市にありまして、船ですぐに仙酔島(せんすいじま)というノスタルジックな島にいけるのです。

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とりあえずこのレトロな船に乗って仙酔島へ行きました。
風光明媚とはこのことか、という眺め。

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癒されるシティーガール。

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小さい島なのに、宿泊施設もあります。
ここに来ると、人生感が変わるそうです。
人生感が変わる宿「ここから」さんの看板です↓

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読んでみると、人生を楽しむために障害となる4つの壁(物の見方の壁、考え方の壁、ルールの壁、意識の壁)を取り除ける宿だそうです。
なるほど〜。

そこで、物を売ることに抵抗があるのは、壁があるからではないかと考えてみたのです。

<楽しい人生を送れない原因は4つの障害>
1)物の見方の壁・・・そうか「物を売る」という見方が可能性を狭めているのかも。想いを伝える手法として販売チャンネルを持つというのはどうだろう?
2)考え方の壁・・・リスクばかり考えてるから楽しめないのかも。失敗しても良くない?
3)ルールの壁・・・ビジネスは利益出さないと続けられないという決まり。だけど、みんな他で生計立ててるからよくない?
4)意識の壁・・・成功しないとビジネスマンとしてイケてないと思っているのかも。面白ければ成功ってことでよくない?



で、「考えるくらいならやったらいいか」と人生感もとい、ビジネス感を変え始めた面々。

そして命名

仙酔島から鞆の浦に帰る船の上では、もうこれから作る、だし醤油の名前を考え始めていました。
もちろん帰りもこのレトロな船です。

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そして、『いろは醤油』に決まりました。いろは丸の上で。

決まる時なんてそんなものです。

そして鞆の浦に再上陸したのでした。

お話は第2話『お醤油蔵探し』へ続きます。

●● いろは醤油物語まとめ ●●
第1話:いろは醤油名前の由来 ←いまここ
第2話:お醤油蔵探し→岡山県とら醤油さんに決定しました。
第3話:お醤油を通して伝えたいこと→豊かさの本質伝えたい。心を軽くお料理ができるように。
第4話:うま味調味料を使うか使わないか→わたしが食べたくものは使いたくない。そんなことに気づかせてくれた出会いたち。
第5話:アミノ酸ドリンクやサプリメントは飲むのに、うま味調味料のアミノ酸エキスは避ける人の心の中→いろは醤油の全素材を発表
第6話:商標出願完了。商品ラベルは書家の父にお願いしました
第7話:レシピサイトを始めたので調理師になりました


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