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醤油を売ることを通して伝えたいことは何か|いろは醤油物語#3

いろは醤油を作ってくれるお醤油蔵が決まり、作れる目処が立ちました。
(これまでのお話はこちら
第1話:いろは醤油名前の由来
第2話:お醤油蔵探し

次にするのは、いろは醤油のコンセプトメイクです。
カタカナにすると難しいですが、コンセプトメイクとは、マーケティング用語で、商品の価値を言語化することを言います。

コンセプトとは

コンセプトとは、価値の言語化

ん〜日本語にしても難しい!
とにかくいろは醤油のコンセプトを作るには、いろは醤油の価値を言語化する必要があります。

一般的にコンセプトを考えるときは、「ベネフィットで作れ」とか、「3Cで考えろ」なんて言われます。

※ベネフィット:(ここでは顧客の)利益のこと
※3C:Customer(顧客)望み、Competitor(競合他社)との違い、Company(自社)の強みのこと

経営やマーケティングを勉強したり、コンサルを受けたことのある人なら聞いたことがあるかもしれません。

しかし、こういうコンセプトの作り方は好みじゃない。しかも、少し古いと思っています。
なぜなら、競争に巻き込まれるビジネスになってしまうから。
他社との差別化や損得をベースに考えるということは、勝負の世界に入るということです。

人生もビジネスも、他人との比較の中で生きていくと自分を見失います。
特に小さい会社は勝負したら負けます。負けないためには勝負しないですむ、自分だけの世界を作ることです。

そして時代も、商品の機能性やスペックでは売れない世の中になっています。
サプリメントですら、効果推しだと売り続けられない時代。

もはや商品がいいのは当たり前。
大事なのは、その商品の機能やスペックではなく、誰がどんな想いでつくっているのかということ。それが価値になります。

だから、コンセプトとは、その商品がどんな存在でありたいかを言語化したもの。
これがわたしの思うコンセプトの定義であり、商品を貫く哲学や観念、方向性になります。

コンセプト=その商品がどんな存在でありたいかを言語化したもの

ちなみに、コンセプトは、ユニークでかつ、みんなの想いと、作り手の想いが重なるとしっくりくるものになります。
(わたしが商品のプロデュースや店舗のプロデュースをするときにも使っている考え方です)


作り手のわたしが人生を通して伝えたいこと

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少し臭いことをいうと、わたしがいつだって伝えたいのは、「豊かさ」です。
それは、わたしの名前が「千裕」だから。

千=数多ある=ゆたか
裕=ゆたか

めっちゃ豊かな名前。すみません、ちょっとこじつけてみただけです。笑

それはおいといて、豊かさって、人や世界との繋がりを演出できると思うのです。

今の時代は、成功モデルがない時代。
わかりやすい生き方や、正解のない時代は、みんな不安定になりがちです。
そんな中で繋がれることは、心の安定にもつながります。
これって、みんな共通して求める幸せのカタチではないでしょうか。

ストレスの原因は心の不安定。だから、心の安定は、現代のストレス社会からも解放することができます。

これは、豊かさがない心=欠乏感からは、生まれない状態です。

●欠乏感から生まれるもの
欠乏感 → 争い  → 奪い合い

●豊かさから生まれるもの
豊かさ → 繋がり → 助け合い 

そして、心の豊かさは、「自由な心」から生まれます。

豊かさの源泉は、自由な心

他人の言動や、常識、感情、思い込みから自由になると、周りを受け入れられるようになります。

でも、縛られていると、自分のことで精一杯。誰かや何かを受け入れる器が未熟な状態なので、人に合わせて息切れしてしまいがち。
頑張り屋さんな分、しんどい思いを抱えてしまいます。

料理に関してもまだまだ縛られてることがあります。

それは、

「料理は女性がするもの」

という思い込みです。

料理は女性のものでも、「ねばならない感」でするものでもない

わたしも仕事の打ち合わせが長引いたときなど、
「帰ってごはんの支度しなくていいんですか?」
なんて、聞かれることが、いまだにあります。

これは、ごはんの支度係は女性という思い込みがさせる質問ですよね。

実際に夫婦ともに働いている場合でも、女性が料理や家事を担当している人が、わたしの周りでも多いです。
仕事内容が同じでも(弁護士夫婦や、医師夫婦など)家事の主担当が女性である場合が多い。

理由を聞くと、「女だし料理はわたしの仕事かな」という漠然な思い込みがあったとのこと。
家事の分担や、やり方は、それぞれの家庭で決めればいいのですが、当然のように女性が家事を率先してしまうことがよくあるそう。
でも、今更変えれない、という悩みも聞きます。


これは、「料理は普通女性がするものだよね」という思い込みの上に話し合ったり、ルールを作るから、相手もやってもらって当たり前になってしまい、おかしくなっているのです。
自分たちのルールを作った気になっているけど、他人のルールの上でしか生きていない状態。

だから、その思い込みを一旦ゼロにして、私たちの家庭ではどうする?と考えられたとき、その家庭のちょうどいいところが見えてくるのだと思っています。
それができる人は、価値観は人それぞれなことがわかるので、他人に自分の価値を押し付けたりせず、平和な環境をつくれます。

漠然とした「頑張らなくちゃ!」という一生懸命さから解放されるには、思い込みをやめてみることです。

「女性がしなくてはならない」と縛られていている状態は、心が不安定な状態。そこに自分の自由な意思がないからです。

義務感でするお料理より、自由な気持ちでするお料理の方がきっと美味しいし、周りにもいい影響を広げられます。

心を自由にする料理は、世界平和に繋がる

反戦運動という闘争から平和は生まれにくいけど、
「別にしなくてもいいけど、あえてしてる」くらいの心の余裕は世界平和に繋がるんじゃないかと、ちょっと本気で思っています。

余裕がないと、心が不安定になるし、自分の利益や保身しか考えなくなる。

だけど、お料理の現場からでも、もっともっと心を軽くして、余裕を持てたら、自分だけでなく周りのことも考えられる人が増えます。
その連鎖の行き着く先は家庭の平和、引いては世界平和。いや宇宙平和かもしれません。

だから、いろは醤油を世に出すなら、繋がる人の心が軽くなるようなエネルギーを込めたいと思いました。

いろは醤油のコンセプト

ということで、いろは醤油のコンセプトは、
最高のだし醤油で毎日の料理を楽にすることを通して、「やらなきゃいけない」というモヤモヤとした一生懸命さから解放し、心の豊かに暮らせるようにと思いを込めて、

毎日の一生懸命をシンプルに
わたしたちの心を軽くするだし醤油

ということにしました。

お話は続く→第4話:うま味調味料を使うか使わないか|いろは醤油物語#4

●● いろは醤油物語まとめ ●●
第1話:いろは醤油名前の由来→広島県鞆の浦で決めました。
第2話:お醤油蔵探し→岡山県とら醤油さんに決定しました。
第3話:お醤油を通して伝えたいこと ←いまここ
第4話:うま味調味料を使うか使わないか→わたしが食べたくものは使いたくない。そんなことに気づかせてくれた出会いたち。
第5話:アミノ酸ドリンクやサプリメントは飲むのに、うま味調味料のアミノ酸エキスは避ける人の心の中→いろは醤油の全素材を発表
第6話:商標出願完了。商品ラベルは書家の父にお願いしました
第7話:レシピサイトを始めたので調理師になりました



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