ラーメン店 ソラノイロ創業者 宮崎千尋

【ソラノイロ】宮崎千尋のラーメン論  株式会社ソラノイロの宮崎千尋です。 まだ見ぬお客…

ラーメン店 ソラノイロ創業者 宮崎千尋

【ソラノイロ】宮崎千尋のラーメン論  株式会社ソラノイロの宮崎千尋です。 まだ見ぬお客様と業界の発展のためにをスローガンにラーメン店を5店舗で提供しています。コロナが起こり、BASEでのネット通販やテイクアウトもスタートしました。おうちでソラノイロもよろしくお願いします。

最近の記事

次世代のラーメン屋を応援する、そんな業界でありたい

先日、YouTubeチャンネル『ラーメン侍』にゲスト出演し、僕が推す『だしと麺 遊泳』(西早稲田)を紹介しました。こちらは日曜、月曜のランチのみ営業(2022年2月からは日曜・月曜・火曜)する、いわゆる「間借り営業」のお店です。このスタイルは以前からもありましたが、最近はラーメン業界のトレンドとも言えるほどの盛り上がり。『麺処「図鑑」』(渋谷)『とりジンジャー』(仲御徒町)など、おいしい店が増えていると感じています。 昔だったら考えられないけど、間借りしながら出店の準備をし

    • ECの「空中戦」とイートイン「地上戦」 両面作戦を考える

      緊急事態宣言解除を受け、僕たちソラノイロも店舗のイートインを再開しました。ですが、リモートワークが定着に向かう中、イートインへのお客様の戻らなさは、正直言って深刻です。コロナ禍が落ち着いたら人の流れは戻るのか? それともこのまま「新しい生活様式」に沿った勝負なのか? 先行き不透明な状況が続いています。 前回、noteでは「ラーメン業界にも新局面!「ECサイトのこれから」の話をしよう」と、ソラノイロが進めるECの話を書きました。ECサイトは5月が過去最高の売り上げを記録して、

      • 「おうち時間」の充実をアシストしたい!ライフスタイルを提案できるラーメン屋へ

        ECサイトで扱うものは、ラーメンだけにとどまりません。最近は、店舗オリジナルの丼とラーメンのセットも好評をいただいています。丼は単価の高さに注目されがちですが、僕の真意はそこじゃない。 この丼でソラノイロのラーメンを食べてもらえたら、おいしさも楽しさも2割増しになるよ、という提案なんです。丼一つで、ラーメンの面構えが変わるし、盛り付けも楽しい。なんかテンションも上がるんだよね。 お店の丼を手に入れる機会はなかなかないから、「この機会にゲットできた!」というファンの喜びの声

        • ラーメン業界にも新局面!「ECサイトのこれから」の話をしよう

          緊急事態宣言が解除になり、僕たちは「新しい生活様式」のもとで経済活動を再開させていくことになりました。お客様、そしてスタッフの安心と安全を考えつつ、店舗でのイートイン営業も徐々に再開しています。 そんな中、ECサイトに力を入れるラーメン店が増えてきたのはご存じのとおり。やっぱり僕たちは、主力商品であるラーメンをいかにして売っていくかを考えなければいけませんからね。 ソラノイロも、BASEを活用してECサイト構築に取り組んできました。 営業自粛の解除からイートインの再開の

        次世代のラーメン屋を応援する、そんな業界でありたい

          コロナ禍の奔流にあって考えること

          緊急事態宣言が5月31日まで延長になりましたね。僕たちも4月8日から全店舗で休業に入っておりまして、5月6日現在、麹町本店とソラノイロ食堂(池袋店)のほうでテイクアウトの販売を行なっています。 ただ、緊急事態宣言の発動で1か月にわたって我慢をしてきた飲食業界、ラーメン業界ですが、いよいよ個々で考え、動いていかなければ経済面での「死」が始まってしまうのではないでしょうか。それぞれが自分たちの理念や思想のもと、命、そして安心・安全を最優先に考えながら、経済活動を少しずつ再開させ

          コロナ禍の奔流にあって考えること

          2020年4月・外食産業で考えること

          後出しジャンケンをしても意味がない 飲食は「現場」からすべてが始まります 今回のコロナショックで、飲食店、外食産業は大きな転換期を迎えていると思います。僕たちSORANOIROもコロナウィルスの感染拡大を鑑み、お客様の安全、従業員の安全を考慮して1週間を休業とさせていただきました。 緊急事態宣言を受けて一時休業する店があり、営業をする店があり、短縮営業する店もある。その店の状況、オーナーの決断、経営状況はそれぞれ違うので、すべての店の判断が正しいものだと僕は思います。

          2020年4月・外食産業で考えること

          宮崎千尋のコンサル・プロデュースFAQ

          Q.どんなクライアントから依頼がありますか? A.大手外食産業からラーメン専門店まで幅広い業界・業種からご依頼をいただいています! 「沖縄そばをプロデュースしてほしい」という依頼もありました。  大手外食産業の『ミスタードーナツ』からフードコート業態の『沖縄元祖ラーメン横丁』、そして『ストライプヌードルズ』『真武咲弥』などのラーメン店まで、幅広い業態のプロデュースをしてきましたが、ラーメンとはまったく無縁の企業から、ラーメンではないプロデュースの依頼もあります。それが、2

          宮崎千尋のコンサル・プロデュースFAQ

          2020年のキーワード「食サ分離」について

          ラーメンとスマホ、パーソナルスペースがあればいい!? 「食サ分離」というキーワードが告げる外食新時代 沖縄出店で学んだものとして、前回は「いい仕組みづくりができた」ことを書きました。今回はもう一つのテーマ「食サ分離の可能性が見えたこと」にフォーカスしてみましょう。 「ソラノイロOKINAWA」、そして、宮崎千尋プロデュースの「島豚ヌードルズ」が入っている沖縄元祖ラーメン横丁はフードコートという形態で、セルフサービスでラーメンを提供しています。 僕は出店側としてはじめてフ

          2020年のキーワード「食サ分離」について

          沖縄出店で得たもの

          ソラノイロにしかできないラーメンを提供する 体制、基盤が沖縄出店で見えた! 2月1日、僕たちは沖縄那覇の国際通り・沖縄元祖ラーメン横丁に「ソラノイロOKINAWA」をオープンさせました。そして、宮崎千尋プロデュースの「島豚ヌードルズ」も同じフロアでスタートしています。 フードコート形態は会社として初めてのチャレンジですが、本州以外の遠隔地への出店も発です。そして、プロデュースではありながら2店舗同時のオープンというのも今までにないことでした。 僕が沖縄で研修、開店準備に

          自分の店に愛情を注ぐということ

          店主にとって「店は子ども」だ――これは、僕の師匠である河原成美に教わった言葉です。 エントランスのガラスは目だ。目やにがついたままだとかわいそうだろ? だったら、毎日掃除して綺麗にしてあげようよ。 洗い場の下水、グリストラップはおしりだ。汚れたら、おむつをちゃんと替えなきゃダメだろ?  それぐらい愛情を持って、お店をかわいがり、育てていこうよ。こう師匠に教わったのです。 そういうものか、と思っていましたが、子どもができてからより深く感じるようになりました。一人めの子ど

          自分の店に愛情を注ぐということ

          SORANOIROの限定ラーメンはこう作る!

          SORANOIROでは毎月、各店で限定ラーメンを提供しています。僕が自ら創作して試食したり、店長からあがってくるアイデアをチェックしたりしています。そこで、今回は「限定ラーメンを作る上でいちばん大切なこと」を考えてみましょう。 僕は、限定ラーメンで最も大切なのは「コンセプト」だと思っています。スープやトッピングに用いる食材など、ラーメンはいろいろな要素から構成されますが、それらがとっちらかっているようでは、いくらオリジナリティがあっても、限定ラーメンとしてお客様に出すことは

          SORANOIROの限定ラーメンはこう作る!

          ラーメン凪の生田悟志という男

          僕はラーメン凪の生田悟志という男が好きだ。 何が好きかというと、いつもチャレンジをしているところがだ。 渋谷『豚王』の時は毎日違う限定ラーメンを出していた。その時から変わっていない。 一言で言うとあいつはトライアンドエラーの男だ。 とりあえず、何かやりたいと思ったらやってみる、それを圧倒的な量で行い、データとして蓄積する。それがいまのラーメン凪を作ったと言っても過言ではない。 もちろん、西尾ちゃん、なっちゃんのような優れた参謀の存在も忘れてはいけないが。 『ソラノイロOK

          ラーメン凪の生田悟志という男

          マッスルラーメンと「ダブルたんぱく」

          マッスルラーメン=「ダブルたんぱく」 時代の先端をラーメンで表現したい 2019年3月、SORANOIRO本店はグランドメニューをフルリニューアル。醤油ラーメン、ヴィーガンラーメンなど6種のメニューを提案しました。その中で新たにラインナップしているのが「マッスルラーメン」。これは他にはない、独自のアプローチで生まれた一杯です。 このメニューを開発したのは、ちょっとしたきっかけからでした。僕の周囲で上がってきた声から生まれた気づきがあったんです。 まず、Facebookの

          マッスルラーメンと「ダブルたんぱく」

          ラーメンアワードに思うこと・2019

          2019年もいよいよ押し迫り、「令和初」と銘打たれたランキング、アワードが続々と登場していますね。 昨シーズンも「ラーメンランキングをどう考えるか」というエントリーを書きましたが、今年は「業界最高権威」と銘打たれたTRYラーメン大賞を見て思った点を綴ってみたいと思います。 まず、去年の新人大賞店『Tombo』が、名店部門ではまったくランキングしていない、ということ。大賞だけではなくしょう油、しお部門で1位、つけ麺部門で2位という圧倒的な評価だっただけに、どうしても違和感は

          ラーメンアワードに思うこと・2019

          ラーメン業界のプライスリーダー論

          SORANOIRO麹町本店は、2019年の3月からグランドメニューをフルリニューアル。これに伴い、ラーメンの価格帯は1000円~1700円になりました。 10月の消費税率アップのタイミングでは価格は変更していません。価値のあるラーメンを、1000円~という売価でしっかり提供していく。そんな僕たちの思い、意思がこの価格帯には反映されています。しかし、よく言われるようにラーメン業界には「1000円の壁」なるものがあります。SORANOIROとして、売価の設定に悩んだこともありま

          ラーメン業界のプライスリーダー論

          現代ラーメンの源流の一つ、「春木屋」を考える

          以前、「現代ラーメンは永福町大勝軒から始まった!」というエントリーを書きましたが、東京にはもう一軒、見逃せない老舗がありますね。それが、荻窪の『春木屋』です。 僕自身、10代の頃に『桂花ラーメン』『九州じゃんがららあめん』、そして春木屋の順でラーメンを食べて衝撃を受け、食べ歩き人生が始まりました。それから、現在に至るまで毎年何回かは定点観測的に食べ続けています。いわば、春木屋は僕のラーメン人生の原点とも言える店なのです。 そして、この店を語る上では忘れてはならないのが「春

          現代ラーメンの源流の一つ、「春木屋」を考える