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社会人になって、公務員試験を受けた話

約3年前に高齢者施設の事務の仕事を辞めた。
辞める前から、公務員試験を受験していた。

正直、高齢者施設の事務の仕事は、簡単でつまらないと感じていた。
暇すぎて、1日が過ぎにくい。
事務員にお局さんがいて、難しい仕事を囲ってしまうのだ。

だから、とりあえず、公務員試験を受けることにした。

その頃、既に、のちに旦那となる「彼」と付き合っていた。
旦那も公務員なので内情を知る事ができ、
面白そうだなぁと漠然と思っていた。
また、子どもを産み育てるのが夢だったので、
福利厚生が充実しているのも魅力的に感じた。

当初はもし受かったらな〜〜〜くらいに考えていたが、
試験が進むにつれて、本気モードに。

2次試験は町村会の共通試験で、個人面接。
面接官が、偶然、なんと、
旦那の直属の上司Aさんだった。

2次試験の内容は、
「上手く伝えられたかな。」と自分でも納得できるものだった。


Aさんは、私にこう言った。
「あなたは、今までの決断に後悔はないでしょう?」
「町村の規模によって、住民との距離感などが異なると思うけれど、
受ける町村の規模感はどれくらいを考えてるの?」
「もう決まっているのかな?」
「言わなくていいよ。わかりました。」

これらの発言を聞き、
私はこの方と一緒に働きたいと、純粋に願った。

3次面接はグループディスカッションと個人面接だ。
個人面接は、グループディスカッションの通過者のみ受けられる。

Aさんと働くために受けた町村は、旦那の職場だ。
旦那に、
「一緒に働くの嫌じゃない?」と聞くも、
「別に気にしない。」とあっさり返されたので、受験した。


グループディスカッションのグループがとても良かった。
気が合い、ディスカッションの後にみんなで昼食を食べた。
ザンギ定食を頼んだ。
大量のザンギに苦戦する私。
普段なら食べ切れるのに、緊張して、ほとんど喉を通らなかった。

結果は、
グループの中で、この人は絶対受かりそうと思っていた人と私が通過した。
なぜ、受かりそうと思ったのかというと、
イケメンで、純粋で、真っ直ぐな目で、町の良さを語っていたからだ。

私はこんなに町の事をキラキラ語ることができないと悲しくなった。


グループディスカッションの通過はとっても嬉しかった。
緊張して、震えながら、
結果が書いてある掲示を見た。

震えながら、記念に掲示物の写真を撮った。
写真を見返すと、ブレているので、緊張感が伝わってくる。


3次試験の個人面接は
緊張して、全然伝えられなかった。

質問に結論から話さなかったり、
結局何が言いたいのかわからない発言ばかり。

面接の中で、座右の銘は何かという質問があった。

私は中学校の恩師の言葉を携えていて、その言葉を正確に伝えようとした。
「ベストを尽くすな、ベストを越えろ」と言いたかったが、

頭の中で、ベストだっけ? 最善を尽くすだっけ?
あれ?なんだっけ?!
とカオスに。

馬鹿だなぁ。
とりあえず何か呟けばよかったのに、

「ごめんなさい、忘れてしまいました。」
と伝えた。

Aさんは、
「緊張してるんだね。思い出したら、また、教えてください。」
と援護してくれた。

優しかった。有り難かった。
この人と働きたいと、また強く願ったが、叶わない事を悟った。

結果は予想通り、
同じグループのキラキラした男の子が受かった。

悔しかった。
やるせなかった。

けれど、当然だと思った。


Aさんは、個人面接の前にこんな話をしてくれた。


「ここにいるあなたたちに、優劣はありません。
あるのは、私たちの町との相性だけです。
だから、決して落ち込まないでください。」

素晴らしい話だと思った。

旦那に聞くと、毎回必ずする話だと教えてくれた。

私がAさんと働く夢は叶わなかったが、
いつか、どこかのタイミングで話す事を夢みている。

実は、結婚挨拶の時に顔を出したが、会えなかったのだ。

そして、先日、旦那の職場に寄ったが、
この時も外出していて会えなかった。

会えない時間が、想いをさらに強めている。

会って、
2次面接の時に全面肯定してくれた事のお礼を伝えたいと思っている。

私の人生に、優しい言葉を贈ってくださり、
ありがとうございます。

これからも、その言葉を大切にしたい。

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