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南海汐見橋線 忖度無しレビュー

なすの地方鉄道ノートへようこそおいで下さいました。
今回は南海電気鉄道高野線の汐見橋~岸里玉出間(通称、汐見橋線)のレビューをしていきます。
※辛口になる部分がありますので、苦手な方はブラウザバックをお願いします。

元々は高野線の本線として、橋本、極楽橋方面への列車も運転された他、汐見橋や木津川で貨物の取り扱いもありました。高野線のなんば直通を期に利用客数が大幅に減り、「都会の中のローカル線」として鉄道ファン以外からも注目を集める路線となりました。

なにわ筋線のルート策定の際にも経路の候補となっていましたが、新難波駅を新線で経由することが決定したため、今後大きな改修も望めなくなりました。その後、南海は直近での廃止検討はしないと明言していますが、利用客数が少ないこの路線を維持する必要があるのでしょうか。

ご存じの方も多いとは思いますが、汐見橋線の歴史や背景は大変面白いものがありますが、本レビューでは現状の様子での評価をしていきたいと思います。

今回は、汐見橋線の全区間の乗車と、汐見橋、芦原町、木津川、岸里玉出(駅構内のみ)での下車。及び高野線(なんば~三国ヶ丘)、大阪環状線(天王寺~芦原橋~大阪)、阪神なんば線の乗車を基にレビュー致します。

今回のレビューより、「運行」「運賃・きっぷ」「駅」「車両」「その他」の5項目と、「5段階評価」を行う形でまとめていきます。


運行:悪い

大阪市内とは思えない運行の少なさで、終日毎時2本で運行され、朝夕の増便はありません。全便が汐見橋~岸里玉出間の運行となっています。

調査時である土日の昼間では10人程の乗車しかありませんでした。

終点の岸里玉出では南海線、高野線と接続するものの共に普通車・各停のみの停車で、接続感はあまりよくないと感じました。天下茶屋接続であれば今とは状況が変わっていたのかもしれません。

中間駅でのバスの接続もありませんでした。

このまま静かに廃線になっても影響がないように思えました。

木津川駅 時刻表(なす撮影)

運賃:良い

初乗りが160円。汐見橋~岸里玉出まで210円です。定期に関しても割引率が高いので流石大手私鉄だと言えます。

ICにも対応していることから、最低限の更新は行っており、実際乗車の不便さは感じませんでした。

汐見橋駅 運賃表(なす撮影)
木津川駅 改札(なす撮影)

駅:悪い

老朽化しても最小限の機能維持のみ行うといったところで、利用客向上への投資は極力行っていないように思います。

全駅通じて古さは隠しきれず最小限の補修でやり過ごしています。特に汐見橋駅は正面外観こそリニューアルされていますが、裏側、バックヤード、特に屋根は雨漏れが心配になるほどボロボロになっていました。ガラスもガムテープ補修であり、なかなか痛々しいものを感じました。

芦原町、木津川などバリアフリー非対応駅も多く、駅前の整備も皆無でした。木津川に至っては駅前広場が未舗装であり大変驚きました。

汐見橋駅正面側。モノクロ超のイラストが彩る。(なす撮影)
汐見橋駅ホーム側。トタン屋根にガラスヒビ割れにはガムテープ補修となっています。
(なす撮影)
木津川駅 ホーム側
構内踏切と段差の構図は九州のローカル駅を連想されます。(なす撮影)
木津川駅 駅前広場 未舗装であり砕石が撒かれています。(なす撮影)
芦原町駅。なぜか下り側のみスロープが設置している。なぜ?
(なす撮影)

車両:やや悪い

車両は南海2200系2両編成が全便を担当します。南海の中では古参な車両であり、メンテナンスされているものの内装や設備に古さを感じます。

車内案内板が無い等、大阪市内の路線と考えるとどうしても接客設備が弱いと感じました。

長距離運転も想定した車両ですので乗り心地はソフトで私は好みなシートですが、汐見橋線のような短距離輸送であればハードの方が合っていると思います。

南海2200系 岸里玉出にて(なす撮影)
南海2200系の車内(Wikipediaより)

その他:やや悪い

起終点の駅を含めて、沿線にこれといった施設がありません。

各駅を詳細に見てくと、汐見橋と芦原町は雑居ビルが多い印象で、木津川は工場地域、津守と西天下茶屋は密集住宅地、岸里玉出は都市型中間駅でした。

乗換駅は起終点の汐見橋、岸里玉出はもちろん芦原町で大阪環状線とも徒歩5~6分程度で乗り換えができるのですが、現地での乗り換え案内等はありませんでした。

駅の項目でもお伝えした通り、駅前の整備なども行っていないため、地域からもそれ程愛されていないのではないかと感じました。

芦原町からJR芦原橋までは、この地図しか案内が無い。(なす撮影)

5段階評価

☆☆★★★ 星2つ

今後に期待!

まとめ

いかがでしょうか。

運行本数、駅の古さ、沿線でかなり評価を下げました。

最低限、問題が出るまで投資を行わない運営を続けていくようで、これ以上の発展は暫くないのだなと感じました。

冒頭でも少しお話したように、なにわ筋線が南海新難波経由のルートを採用してしまったので、汐見橋線に残された将来は廃線一択なのかもしれませんね。地下化して千日前線経由で阿波座・野田阪神方面へ直通してはどうでしょうか。

何度も言いますがいつ廃止になってもおかしくないので、関西の立ち寄りの際には是非乗車してみて下さい!

岸里玉出の高野線旧岸ノ里駅ホームも見どころです!

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