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熊本電気鉄道 忖度無しレビュー

なすの地方鉄道ノートへようこそおいで下さいました。
地方鉄道、中小私鉄を始め、利用者目線で忖度無しレビューをしていこうと思います。
※辛口になる部分もありますので、苦手な方はブラウザバックをお願いします。

初回は熊本電気鉄道です。
旧東急5000系 通称「青ガエル」や「くまモン電車」など魅力ある電車が在籍していることで知られ、「くまでん」の愛称で親しまれています。

今回は全区間の乗車と、藤崎宮前、北熊本、御代志、上熊本の4駅での下車を元にレビューしていきます。


高評価ポイント

車内の居心地が良い

今回、6000系、01系(くまモンラッピング車)、03系に乗車しましたが、03系は特に車内が明るく開放的に感じました。元地下鉄車両という事もあり、開放感を演出するように配色を工夫されているのかと感心しました。01系は、今回乗車させて頂いたのがくまモンラッピング車でした。独特の世界観は熊本にいることを感じさせる楽しい車内空間でした。

鉄道ファン目線でも熊本電鉄の車両は楽しいものばかりですが、ベースの車両が非常に機能的なのは非常に驚きました。快適でした。

03系 (wikipediaより)
01系 (なす撮影)

乗り心地が良い

中小私鉄や地方路線によくある跳ねるような乗り心地ではなく、ゆったりのんびりとした乗り心地でした。もちろん都市部の路線のような滑るような乗り心地ではないのですが、車いすの方や、高齢者でも利用できる乗り心地だなと感じました。

これは最高速度が菊池線、藤崎線共に50km/hと低い為かとも思いますが、保線や車両の足回りの良さもあるのかもしれません。


近年の路線の変化

2022年10月10日に合志市の御代志地区土地区画整理事業の一環として菊池線終端部の路線移設が行われました。それにより終端の御代志駅と一つ手前の再春医療センター前駅が移設となりました。

駅が綺麗になったのはもちろんのこと、駅前ロータリーが整備され合志市の玄関口として十分相応しい駅として生まれ変わりました。

御代志地区都市区画整理事業の公式ホームページ(下記)によると、御代志駅周辺に様々な施設の設置が計画されており、合志市の気合の入れようが伝わってきます。今後の御代志地区と熊本電気鉄道の発展が楽しみです。

御代志駅 駅舎 (なす撮影)
御代志駅 駅前ロータリー (なす撮影)

低評価ポイント

立地が最悪すぎる

とにかく起点駅の場所が悪いです。

藤崎宮前駅は路面電車とも接していないだけではなく、バスも殆ど経由してくれません。繁華街の上通の北端に接しているものの、メインとなるエリア(通町筋電停)から藤崎宮前駅までは700~800mは歩かないといけません。アーケードもありますが途中までですので、常用するには結構大変です。

上通方面への通路(正面) (なす撮影)

上熊本駅ではJR鹿児島本線、路面電車と接続しますが、JRは毎時2本程度と少ない上、熊本電鉄との接続が考慮されていません。一方の路面電車は通町筋・健軍町方面行きのみで熊本駅には行きません。

JR駅は2016年に鹿児島本線の高架化と共に新駅となりました。商業施設も入る大規模な駅に生まれ変わりましたが、空きテナントが多く、上熊本駅自体の立地があまり良くない印象を持ちました。

JR上熊本駅 (なす撮影)
JR上熊本駅の空きテナント (なす撮影)

改善案
現実的に難しいかもしれませんが、藤崎宮前駅から通町筋電停方面へ路線を伸ばすか、上熊本駅からJR鹿児島本線に乗り入れ熊本駅まで直通すると利便性が劇的に変わると思います。

しかし熊本市は熊本電鉄の立地の悪さに関して特に気にしていないようで、交通施策の資料にも大きな改善に関する文言がありませんでした。どちらかと言えば、空港アクセス鉄道の新設に躍起になっていると感じました。合志市が終点側で頑張っている反面、非常に残念です。(下記参照)

駅の安全性が悪い

正直、杜撰な設備投資をしていると感じました。
車両が比較的良かった反面、残念です。

点字ブロックが無い

御代志駅などの新しく更新した駅は設置しているのですが、多くの駅で未設置でした。特に運行の核となる北熊本駅に設置されていないのは驚きでした。

近年では首都圏、関西圏を中心にホームドアの設置が進んでいます。転落防止の為に、せめて拠点となる駅から点字ブロックの設置を進めて欲しいものです。

上熊本駅 (なす撮影)

構内踏切に遮断機・警告灯が無い

同じく北熊本駅ですが、構内踏切に遮断機及び警告灯がありませんでした。この構内踏切には上下含めて毎時4本~8本の列車が通過します。
運行本数の少ない地方ローカル線であればまだしも、都市部の駅でこれはありえません。

北熊本駅 構内踏切(なす撮影)

案内に統一性が無い

下の写真のホームのオレンジの線を見て下さい。

北熊本駅 1番線 オレンジ線は点線
北熊本駅 2・3番線 オレンジ線は実線

点線と実線の違いの理由がよくわかりませんでした。

例えば黒髪町駅は点線、亀井駅は実線、八景水谷は点線となっています。具体的な理由があれば指摘違いなのですが、私にはよくわかりませんでした。

点字ブロックやホーム脇の赤色警告線を含めると、熊本電鉄では各駅で警告・案内の仕方が異なります。

ホーム上の案内は駅の安全性に繋がる重要なものなので、統一性のあるものとして欲しいと感じました。

他にも、駅名標や切符の案内など、各駅で仕様が異なるものが多く、「やっつけ仕事」感が印象的でした。

5段階評価

☆☆★★★ 星2つ

今後に期待!

まとめ

いかがでしょうか。

かなり辛口な意見も書かせて頂きました。特に安全性に関して「これはどうなの?」という部分がかなり多く、星2つとさせて頂きました。

重要な問題点に関しては、熊本電気鉄道だけで解決せず、沿線自治体や民間団体とも協議して、熊本全体でサポートする体制作りをしても良いのではないかと感じました。

鉄道ファンにとっては大変魅力のある鉄道で、思わずカメラを向けてしまうような楽しい鉄道でした。

熊本にお越しの鉄道ファンの方は、周遊性も高いので是非いかがでしょうか。北熊本駅の途中下車は特におススメです!


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