49歳で漫画家デビューした話①

公務員を2017年に辞めて3年後の2020年10月、私は「みやこまちクロニクル」で「第二回トーチ漫画賞 準大賞」を受賞し、同作で2021年2月、トーチwebにて連載デビューしました。49歳になる3日前のデビューです。現在も連載は続いております。こちら良かったらお読みください

ここを読んでいる方は、私がデビューまでだいぶ時間がかかった人間だという事はお分かりだと思うが、大学の漫研に1990年に入ってからと数えて2021年の2月まで、約31年。そんなにかかった人も珍しいと思うので、試みに自分の経験をつらつらと書き綴ってみようと思う。青木雄二先生でもそんなにかかっていないし(むしろ賞を獲ったのは早かったはず)、何か若い人の参考になればと思う。一番言いたいのは「こんな風になるな!」という事なのであるが。

私と漫画との出会いは幼稚園か小学校低学年の頃か、良く覚えていない。「コロコロコミック」を読み始めたのは低学年の気がするが、幼稚園の頃には「テレビマガジン」「てれびくん」などで漫画に触れていたかもしれない。話を簡単にするため、「ドラえもん」が最初と言うことにしよう。

単行本を買ったのもドラえもんが初めてと思う。そして低学年にはコロコロを買うようになり、そこで人生を変える漫画と出会うことになる。

それが「藤子不二雄物語 ハムサラダくん」(吉田忠)である。

これは簡単に言うと「まんが道」をコロコロ向けにリライトしたもの、という事になるが、実はそう単純ではない。藤子不二雄のアシスタント出身の吉田忠先生、のちのインタビューでも語っているが、「藤子不二雄よりも梶原一騎のほうが好きだった」と言う言葉からも分かるように、この「ハムサラダくん」は「熱血」まんが道なのである。とにかく熱い。ハムサラダ(ハムくん…藤本弘、サラダくん…安孫子素雄)の二人はいつも瞳が爛々と燃えている。二人を見守る「編集長」も熱い。「君たち、着物を着た女の人がくつを履いていたらどう思う?そのとおり、この漫画はちぐはぐなんだよ!!」「実力以上に挑戦なくして進歩なし!私は待つ!」などなど妙な説得力を持つ数々の名台詞、それに「へ、へんしゅうちょお〜〜!!」と泣きながら応えるハムサラダの二人…。私はこの漫画にすっかり魅了され影響されてしまい、「自分も小学校を卒業したら漫画家になる!」と決意(ハムサラダくんたちの絵面が小学生に見えたため)。藤子不二雄の漫画教室の本を買ってきて、つけペン、インク、ケント紙は見つけられなかったので画用紙、定規を揃え、漫画を書き始めたのであった。

ひとまずつづく

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