プロフィール(3)

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プロフィール(1)(2)の続きです。

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一年浪人した後、ソーシャルワーカーとして働けることになった。
障害がある方のための就労支援センターで、今までの経過や今後の希望についてお話をお聞きしたり、障害状況や適性などのアセスメントをしたり、企業の人事担当者とやりとりしたり、同行してサポートをしたり他のサービスをコーディネートしたり、そんな仕事だった。
初めは、社会人一年目の私がこんな仕事できるんだろうか、という悩みもあったけど、忙しくてそんなに悩んでもいられず、勤務時間中は演技で乗り切ろう、あとは人生経験豊富な先輩方や非常勤スタッフに知恵を借りて乗り切ろう、できるだけ仕事に誠実に向き合おう、そのうちに力がついて道が開けてくるはず、と思って頑張ることにした。

転勤を二回経験し、三十歳になる頃、目の前の仕事は楽しいけど、知らない土地で暮らす楽しさもあるけど、私のプライベートはこれで良いんだろうか…?という気持ちが大きくなって、仕事を辞めて地元に戻ることにした。

余談だけど実はこの時、「そうじ力」という、今でいう断捨離のような本を読み、半信半疑ながらもゴミ袋二十袋くらいの不用品を捨てたら、それまで何度も迷いに迷って決められなかったのがスパッと退職を決められて、自分でもびっくりした。
子どもの頃、習い事を辞めたいと言っても親の考えでなかなか辞められず、与えられた中でつい頑張ってしまう習慣がついていたので、私は自分の意志で何かを辞めることができるんだ、と思えたのも良い経験になった。

退職後は、ちょっと心が疲れていたのもあり違う仕事をしてみようと、趣味で学んでいたリフレクソロジーの資格をとり直営サロンで働くことにした。
結局また二年後にソーシャルワーカーに戻るのだけど、それまで左脳的に仕事をしてきた私が、それまで閉じていた、右脳的なところを取り戻すのに良い二年間だった。
例えばお客様がパタッと来なくなってしまった時に、店内を塩水で掃除したり、店頭に出てチラシ配りをしたりしていると、気があがるのかお客様が続けて来店されたりして、世の中には理論で説明しがたいことや見えない力が働くことがあるのだと思うようになった。

「またソーシャルワーカーに戻りたいと思って」と、たまたま前職の先輩に話していたら、運良く私が以前から興味を持っていた法人で求人募集をしていて、再び就労支援センターで働けることになった。
同じ就労支援センターと言っても、新卒で就職した職場は仕事と生活を分けて考えてワークライフバランスを前提としているような職場で、今度の職場は仕事も生活の一部と考えてワークライフインテグレーションを前提としているような職場だった。
いろいろな考え方があって、どちらが良いとか悪いとか言う問題ではないのだけど、私には後者の考え方の方が合っていたように思う。しかし新卒の頃は演技で乗り切っていた私だったので、当時は切り分けて考える職場の方が楽だったのかもしれない。
今度の職場では、頭で考えるのでなく心で感じること、経験や考えを分かち合うことを大切にしていた。問題を早く解決するというより、物事をいったんテーブルにあげてそれぞれの思うことを分かち合い、それから問題を整理して解決策を探っていくので、当初はもどかしく感じることもあった。
が、ここで訓練された「待つこと」「急がないこと」「その人のペースを尊重すること」が、後に子育てで活かされることになる。

結婚したいと言いながらも…いざとなると結婚にネガティブなイメージも強かった私だけど、いろいろ試行錯誤した結果、アラフォーで結婚、出産。
結婚後も出産後も、それまで気力で頑張ってきたことや無理して頑張ってきたことを、気力で頑張るということがどうしてもできなくなり、今まで保ってきた自分がガラガラと音を立てて崩れていった時期があった。
そして公私問わずたくさんの人に話を聞いてもらいサポートしてもらい、人とのつながりに支えられ、自分自身の思い込みが自分を追い込んでいたことに気づき、できるだけ一人で頑張らねばと抱え込んでいたのをやめ、もっと積極的に周りの人に助けてもらおうと思うようになった。
そうしたら、支援センターで一緒になるママ達との会話も気疲れなく楽しめるようになり、電車やバスでたまたま一緒になる人も優しい人や手伝ってくれる人ばかりになった。
私が心を開いていけば世界は優しいのだ、と思えるようになった。

大人になって自分を取り戻すのが大変だったけど。
心を開きたいような、でも心を閉じていた方が安心なような、そんな私にあたたかく接してくれ、人をもっと信じたり頼ったりして良いのだ、人と比べる必要はなく人と違っていても良いのだ、自分が思ったことを自由に表現してよいのだ、自分らしさを表現していけば響き合える人もいるのだ、社会に合わせるよりも自分を活かす方がうまくいくのだ、自分が心を開いていけば世界は優しいのだ、ということを、私に感じさせてくれた人がたくさんいたんだということに、自己紹介を書きながら改めて気づいた。

今まで私にかかわってくれたすべての人に、今は感謝している。

そしてこれからは、子どもの頃から精神的にひきこもることで自分の世界を守ってきて、大人になって自分を取り戻し、心を開いて自分を表現できるようになってきた私だからこそ。
今すぐはそう思えない人もいるかもしれないけど、周りをよく見れば理解を示してくれる人もきっといるし、味方になってくれそうな人を見つけて話してみれば道が開けるかもしれない、たしかに場を選ぶことは必要だけど、自分に合った安心できる場を見つけて、自由に自分を表現し自分らしく世界と共存していけば良いのだ、ということを発信していけたらと思う。

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プロフィール、以上です。
長文にもかかわらず最後までお読みいただいた方、ありがとうございます。
心から感謝します。

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