見出し画像

#5元実業団選手の想い・東京オリンピック開催に賛成?反対?

新型コロナウイルスの感染状況が収まりを見せない中、JOC幹部の男性が自殺と見られる状況で亡くなるなど、世間では東京オリンピック開催の是非が話題になっていますね。

(開催は既に既定路線になっている感が強いですが。。)

巷のアンケート結果では、反対派が多数を占めているとの報道がなされています。

今回は、元アスリートとしての立場から、東京オリンピックの開催について個人的に思うことを述べたいと思います。

1.アスリートにとってのオリンピック

言うまでもなく、アスリートにとってオリンピックは憧れの舞台です。

私も競技者時代はオリンピックを1つの目標としていました。

自分がオリンピックに出るという夢を叶えられなかったこともあって、オリンピアンには強い畏敬の念を抱いています。

アスリートにとって、オリンピックを目標に練習に打ち込み、切磋琢磨する日々は、その目標が叶わずとも、何ものにも変え難い価値のある時間です。

そのような一意専心取り組んでいる目標を奪われることは、アスリートにとって耐え難い絶望だと思います。

自分がまだ現役のアスリートをしていたら、オリンピックの開催を強く望んでいたでしょう。

2.観客にとってのオリンピック

一方で、観客として外側からオリンピックを見てみるとどうでしょうか?

スポーツ観戦好きの人にとってはお祭りのような楽しいイベントでしょう。

「夢や希望、勇気」がもらえると感じる人もいるでしょうし、スポーツ選手の頑張りや結果に感動を覚える人も少なくないでしょう。

しかし、スポーツに全く興味がなく、オリンピックには何の思い入れもない人もいると思います。

テレビでは、オリンピックのニュースや中継ばかり、興味がない人からするとむしろ鬱陶しいイベントかもしれませんね。

観客側にはオリンピックが好きな人、興味がない人の両方がいるのは明白でしょう。

そして、「元アスリート」=「今は観客側」の立場である私自身は、残念ながら今はどちらかというと、後者の立場です。

元アスリートだった私には、オリピックに出場する予定の知人もおり、友人の競技結果には非常に興味があります。

しかし、それは「友人として」彼らを応援する気持ちであり、オリンピックそのものに対する興味関心とは別物です。

もちろん、日本人が活躍すれば嬉しいですし、純粋に勝者を称賛する気持ちもあります。

しかし、自分が競技者をしていた時の熱量をオリンピックに持っているかといえば、Noと言わざるを得ないです。

引退したスポーツ選手は、友人・知人関係をのぞいてオリンピックをみたときに、同じように感じる人は少なくないのではないでしょうか?

3.利害関係者にとってのオリンピック

昨今取り沙汰されているのが、スポンサー企業などオリンピック関係者の利権です。

オリンピックが開催されることで、莫大な利益を得られる企業・関係者がいると言われています。

報道内容が錯綜しており、利害関係者に該当しない私にとっては、何が真実なのかが分かりかねるので、ここでの細かい言及は避けます。

しかし、世論の強い反対にもかかわらず、オリンピックの開催が既定路線で動いているのを見ると、個人的には、競技者と同様に利害関係者にもオリンピックを開催したい強い動機があるのではないかと感じています。

4.オリンピックは誰のためのイベントか?

上記を総合すると、オリンピックは競技者と利害関係者のためのイベントである側面が強いと感じています。

元競技者の私ですらそう思うのですから、ほとんどの一般市民にとっては、オリンピックが開催されることのメリットは低そうです。

しかし、このことは、パンデミック禍中のオリンピックに限らず、今後のオリンピックについても言えるのかなとも感じました。

スポーツがみんなから応援されるものでなく、娯楽としての提供価値が低いのであれば、オリンピックであってもスポーツは選手の自己実現の場でしかなくなります。

スポーツがみんなから応援されるものであり続けるために、スポーツが多くの人にとって価値のあるものであり続けるためには、もっと観客を巻き込み、観客を楽しませる工夫が必要なのではないでしょうか?

どのようにしてスポーツに価値をもたせるか?

スポーツ選手はもちろん、スポーツを愛する人みんなで考えていかなければならない、壮大なテーマになりそうです。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?