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よく死ぬ。


SONY A7IV + SIGMA 105mm Macro ART

しっしっ。キミ失敬だよ、降りたまへ。
いや降りるのはキミであって、私ではないのだよ。つまり私は塀の上に座っているから私なのであって降りたら私じゃないのだよ。あっ、だからそうやって歩き回るなんて。一にも二にもなんもかも。つまり無礼じゃないか。あっ、そんなふうな。もし私が塀から落ちたら。
 

SONY A7IV + SIGMA 105mm Macro ART


うわあ。なんだろうなあ。ちいさくて動いているなあ。
 

SONY A7IV + SIGMA 105mm Macro ART


うわあ。登ってきちゃったよ。
 

SONY A7IV + SIGMA 105mm Macro ART


まったく冗談じゃないぜ。
2つ同時にってかよ。悪乗りにもほどがあるってもんだ。
おいおいどうすんだ、そんなに出てきちゃって。おりゃあ知らねえよ。おりゃあ見なかったことにするよ。や、降って来たがった。吹けば飛ぶくらい重さなんてねえのに、ちゃんと重力が効いてやがる。
 

SONY A7IV + SIGMA 105mm Macro ART


どのくらい小さいか見たことのないひとのために鉛筆の先にぶら下げてみた。本当は鉛筆の上に立つ姿を撮りたかったのだが、どうしてもぶら下がってしまうのであった。鉛筆がよほど気に食わなかったとみえて、やがてふわりとテーブルに落ちた。体重は0.1グラムあるかないか。風のない室内でも空気抵抗が効いて天井から落ちても平気である。その代わり身体が柔らかすぎるほどに柔らかいから、何かの拍子で足が折れたりして死んでしまう。繊細。
 

ぼくの指のうえ。SONY A7IV + SIGMA 105mm Macro ART


ひとつの卵鞘から100〜200匹が生まれるが、生まれ損なって死ぬ個体もいる。とくにあとから出てきた個体に顕著である。卵鞘から身体の半分だけ出して死ぬのもいるし、前幼虫から幼虫へと変身できずに死ぬのもいる。
 
昆虫はよく死ぬ。
地球規模でみたら人間もよく死ぬのだろう。
宇宙規模でみたら地球もよく死ぬのだろう。
 
どんな規模でみたら宇宙はよく死ぬのか。
先日宇宙の外側はなにがあるのと息子に聞かれてそんなことを考えた。

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